本記事では、中学受験に向いている子と向いていない子の特徴、さらには向いていない家庭についての解説をしています。
最後まで読み進めることで、お子さんが中学受験に向いている特徴をもっているのかどうかを確認することができます。
当塾の大前提として、中学受験に向いていない子の特徴をもったお子さんだからといって受験を諦める必要はないと考えています。
もし、お子さんが中学受験に向いている特徴をもっていないように見えても、お子さんが成長する過程で性格が変わっていき、精神的にも良い方向に変化していくケースも多く見受けられます。向いているかどうかだけで中学受験をするかどうか判断するのは軽率ではないかと思います。
当塾の見解としては、中学受験に向いている性格かどうかはさほど重要ではなく、本人の適切な努力と塾や親御さんの適切なサポートが重要であると考えております。
偏差値が伸び悩んでいたりするお子さんを見ていると、うちの子は中学受験に向いていないのかと心配になることがあるかと思います。本記事を読むことで、親御さんが日々お子さんと接するヒントが得られ、中学受験の成功のお役に立てますと幸いです。
目次
中学受験に向いている子の特徴
当塾が考える、中学受験に向いている子に特徴は以下の8つです。
- 知的好奇心が強く学ぶことが好き
- 夢や目標を持っている
- 競争心がある
- ある程度の自己管理ができている
- 何かに熱中したことがある
- 健康で身体が丈夫
- 思考スピードが早くテキパキと行動できる
- 素直な性格である
各項目を解説する前に念頭に置いて頂きたいのは、全ての条件に当てはまるお子さんは、現実にはほとんどいないということです。稀に全ての項目に当てはまるお子さんがいらっしゃるかもしれませんが、当てはまらないからといって落ち込む必要はありません。
ほとんどのお子さんが、小学3年生の終わりや小学4年生になる頃から本格的に中学受験のための勉強を始めます。もし、その段階でお子さんに向いている特徴がなくても、受験勉強をする過程で身につけていけば良いと考えています。
中学受験に向いている子の特徴を1つでも多く育むことができれば、中学受験だけでなく、その後の勉強や学校生活、大人になってからでも様々な場面で有利に働くでしょう。
中学受験に一番大切なのは、お子さん自身が主体的に目的と目標を持ち、中学受験をしたいという気持ちを維持できるかどうかです。その上で、ご紹介する「中学受験に向いている子」の特徴があれば、中学受験に有利と言えます。
知的好奇心が強く学ぶことが好き
知的好奇心が強く、学ぶことが好きなお子さんは中学受験に向いています。
中学受験の出題範囲は、小学校で習う学習範囲よりも広く、難しい内容が出題されるため、各科目に興味を持ち勉強できるかどうかが大切です。もし、小学校の授業を簡単に感じていて物足りない様子であれば、小学校の勉強よりも難しい受験勉強に興味をもって取り組めるでしょう。
知的好奇心が強く、学ぶことが好きなお子さんの場合、あるテーマに興味を持つと、勉強という意識からではなく、面白いからもっと知りたいと思うことで、自然と受験勉強に必要な知識が身についている可能性が高くなります。
男の子に多い例としては、理科の勉強をしていて、自らの身の回りにあるものや起こっている現象のメカニズムがわかるようなきっかけがあると、図鑑や教科書を読むことを楽しく感じ、自ら進んで、より難しい内容の勉強に取り組むようになるお子さんです。
さらには、一度このような「知ること」の楽しさを知ったお子さんが、他のテーマでも同様に基本的なところから勉強を始め、あっという間に中学生、高校生レベルの知識について身につけたり、質問してきたりすることがあります。
このように、いわゆる中学受験のための勉強をしているという感覚ではなく、勉強することで新しい知識がどんどん増えていくことを楽しんだり、解けない問題が解けるようになっていくこと自体を楽しんだりできる子は、中学受験にとても向いている性格であると言えます。
夢や目標を持っている
次に、お子さんに明確な夢や目標があり、そのために中学受験をして行きたい中学校がある場合には、中学受験で良い結果を得られる可能性が高くなります。
中学受験を始める段階で、明確な夢や目標、それらの実現のために中学受験が必要だと理解しているお子さんは多くはありませんが、親御さんの意志のみで受験勉強をやらされているお子さんと、自分の夢や目標のために勉強しているお子さんには、取り組む姿勢に大きな違いがあります。
お子さん自身に夢や目標があり、それらを実現させる可能性を高めるために受験をすることが望ましい場合には、親御さんがそっとサポートをしてあげましょう。
お子さんだけでは、夢の叶え方や目標を達成する方法が詳細にはわかっていないことも多いため、親御さんがその情報を与えてあげたり、お子さんに理解できるように教えてあげたりする必要があります。
そして、お子さん自身が、夢や目標を叶えるためには中学受験をすることが必要だと実感することで、主体性をもって受験勉強に取り組むことができます。ここで、お子さんが勉強する意味を理解できていないと、やらされている気持ちになり、長期戦となる中学受験のモチベーションを保つことは難しくなります。
また将来についての長期的な夢がなくても、中学受験をする理由になります。好きなスポーツが盛んな学校に行きたい、公立校よりも学習環境が整った学校に行きたいというのも十分な理由です。
中学受験を始める時点で、将来の夢を明確に持つ子は少ないでしょう。ただ中学受験をきっかけに将来について、親子で話すことはとても良い経験になります。
競争心がある
中学受験の勉強をする中で、受験対策を行っている塾に通い始めると、レベル別でクラスが分けられることもありますし、模試を受けるとその結果は点数だけでなく明確に順位や偏差値も出ます。そのため、競争心のある子は順位などをあげるために頑張って勉強することができ、中学受験に向いている特徴を持っていると言えます。
こうした競争にさらされたり、順位がつくことのストレスに耐えることができるお子さんは、長期間にわたる中学受験の勉強にも意欲的に取り組むことができます。順位や偏差値、得点が上がっても下がっても、やる気に変えられるお子さんは、受験勉強を継続的に頑張れる傾向にあります。
小学校の授業では、どれだけ勉強ができても、周囲との差がつきにくく、先取り学習もできません。小学校で物足りなさを感じている場合、塾で自分の学力レベルを順位という形で明確に把握できると、勉強が楽しいと感じるお子さんも多く見受けられます。スポーツが苦手な子でも、塾の成績だと上位にランクインでき、自信を持てることもあります。
しかし、中学受験によるストレスやプレッシャーはとても大きく、長期間に渡ってストレスを受け続けます。これらの精神的な負担にお子さん一人で対処することは困難です。競争心があるお子さんでも、親御さんがしっかりとサポートする必要があります。
ある程度の自己管理ができている
中学受験においては、自己管理能力があることも重要な特徴の1つです。
自己管理能力とは、目標達成のために自分の感情や思考、行動をコントロールできる能力のことです。自己管理能力があれば、志望校合格という目標に向けて自分を律した行動ができます。例えば、親に言われないと宿題をしない、テスト勉強があるのにダラダラとテレビを見るというような行動が少なくなり、計画通りに行動することができます。
中学受験に成功するには計画を立てることが必要だと、理由と方法を教えてあげれば、自ら計画を立てて、それに沿って勉強をしていくでしょう。毎日、勉強時間を確保するように、主体的に目標と計画を立て、着実に実行できるので中学受験に向いていると言えます。
ここで注意していただきたいのは、お子さんに将来の夢や目標があって、自ら中学受験をしたいと言ったとしても、最初からきちんと自己管理できている子はほとんどいないということです。ましてや、本人に全て任せっきりで中学受験に成功するということはほとんどありません。
最初は、親御さんも一緒にスケジュールを立ててあげたり、約束事を守れなかった場合には優しく諭してあげたりしましょう。お子さんの成長と共にサポートする範囲を狭めていき、お子さんご自身が主体的に多くのことをできるように自己管理能力を育んであげましょう。
自己管理能力は、受験勉強だけでなく普段の生活からでも育むことができます。自分で朝起きることや学校の準備や片付けに自主的に取り組むなど、日常の些細な約束事を守ることや自分でできることを少しずつでも増やしていくことが重要です。
自己管理能力は非認知能力の1つとして、中学受験以外の場所でも注目を浴びており、子ども時代にぜひとも養っておきたい素養です。中学受験を通じて身につけることができれば、その後のお子さんの人生において必ず役に立つことでしょう。
何かに熱中したことがある
何かに熱中したことのあるお子さんは、その際に自身が成長することをとても楽しく感じられていることが多いです。成長する感覚を受験勉強でも感じることができれば、受験勉強にも熱中する(ハマる)可能性があります。
そして、知的好奇心の部分でも解説しましたが、楽しいと感じると、お子さんが自ら勉強に取り組んでいくようになります。人に指示されてやるのと、自分が熱中していることを自らすすんでやるのとでは、学習進度や根気さが全く異なります。
勉強するに際し、授業を聞くように一方的に教えてもらっている状態では学力は伸びず、自身で問題を解いていくことで学力が向上し定着していきます。困難な問題に当たっても簡単には諦めず、試行錯誤して問題を解こうとすることが学力向上へとつながります。
そして、問題が解けた時には達成感を覚え、勉強することにより熱中していきます。このように、なにかに熱中した経験がある人と、ない人とでは、苦労して達成した先に良い感情があることを知っている、知らないの差があります。
もし、お子さんが何かに熱中した経験が少ないと感じる場合には、受験勉強が本番を迎える前の時間があるうちに様々なことを経験できる機会をたくさん与えておきましょう。お子さん自身が受験勉強を自発的におこなう上で、大切な種になります。
健康で身体が丈夫
中学受験は体力的にも精神力的にもとてもハードな挑戦になります。そのため健康であること、身体が丈夫であることも中学受験に向いている特徴の1つになります。
大人になればある程度当たり前に感じる、勉強するために机に向かうということも、小学生のお子さんにとっては負担に感じることがあります。それを毎日行うことや、日々新しい問題に悩まされることで、体力的にも精神的にも消耗していきます。
さらに、難関校を目指していると進学塾に通うお子さんも多くなるでしょう。多くの大手進学塾では、4年生時点で平日に週2日17時頃から20時頃まで授業があります。さらに土日のどちらかでテストをおこなう塾もあります。テストのために自宅で勉強する必要もあります。
5年生になると平日に週3日の通塾に増えます。授業が終わる時間も21時頃になることが多く、帰宅して就寝するのは22時を過ぎるでしょう。
塾がない日でも、宿題やテスト勉強があるため、多くの時間を受験勉強に使う必要があります。それに加えてこれまで続けてきた習い事などもあると、遊んでいなくても時間の余裕はなくなります。
6年生になるとさらに勉強時間は増え、集中講座や過去問を解くなど、やらなければならないことは増えていきます。
塾の行き帰りも、親御さんが送迎できればある程度の負担は軽減できますが、お子さんが自分で公共交通機関を利用して塾に通うとなると、体力を消耗します。
このように勉強は頭を使うだけで体力は使わないと思われがちですが、学校に塾、その他の習い事などを合わせると毎日ゆっくりする時間もないほど忙しくなります。そのため、小学生のお子さんが中学受験を乗り越えるには体力も必要になります。
また、体力だけでなく精神的にも消耗することが多くなります。人により意志の強さは異なりますが、この意志も使っていくと体力のように消耗していきます。「毎日決めた時間は勉強する」「塾のテストでいい点を取り続ける」といった意志も、使い続けていくと弱くなるので適度な休息をとって回復させることが必要です。
そして、体力が消耗していたり、精神的に疲れていたりすると、体調を崩しやすくなります。体調を崩している間は、勉強することができず、遅れをとってしまいます。塾の授業は、一回で進むスピードも早いため、一度休んでしまうと取り返すのにも苦労します。
身体的にも精神的にも丈夫なお子さんは、遅れを取ることも少なくなり、受験勉強で大変な状況でも、前向きな気持ちで受験勉強に取り組むことができるでしょう。
思考スピードが早くテキパキと行動できる
中学入試では、試験時間内に解き切るのが難しい内容とボリュームの問題が出されるため、思考スピードが早くテキパキと行動できることは、中学受験において大きなメリットになります。
最近の中学入試の傾向として、どの科目でも問題数が増えたり、問題を解くのに時間がかかるような問題が増えたりしています。どの科目も見直しをする時間が取れないだけでなく、自分のペースで問題を解いていては、最後まで問題を解ききれないこともあります。
そのため、普通のお子さんは、問題が解けるように勉強することに加えて、正確に問題を解くスピードをあげていく訓練が必要です。
日常生活から様々なものへの理解が早く、要領が良く行動もテキパキとしているお子さんの場合は、問題の解き方がわかり、ミスをしないようにすれば、他のお子さんよりも早く正確に解くことができます。さらに、スピードをあげる訓練をすれば、より高得点を狙えるようになります。
また、日々の受験勉強においても問題を解くスピードが早いことは大きなメリットがあります。
テキストやプリントの問題に取り組んでいる際にも、早く問題が解けることでより多くの演習問題に取り組むことができ、間違えた問題の直しにかかる時間も短くなります。
このように思考スピードが早く、テキパキと行動できるお子さんは問題を解くスピードも早い傾向があり、中学受験に向いているといえます。
素直な性格である
中学受験は、「親子の受験」と言われることがあるように、親御さんや先生の言うことを素直に聞けるお子さんは、中学受験で良い成果を出しやすい傾向があります。
受験勉強を始めたばかりのお子さんは、勉強の仕方がわからなかったり、どうすれば勉強ができた状態なのかもわからないことがあります。その際に、勉強方法やノートの取り方、勉強するというのはどういうことか、などを親御さんや先生がサポートしていきます。
親御さんや先生が何かを教えた際に、自分のこだわりを強く持つ、頑固な性格のお子さんには大人の助言を聞かせるのに苦労します。お子さんに合った方法を教えていたり、圧倒的に効率的な勉強方法を教えていたとしても、素直に聞き入れず反発をしていると大きな時間のロスになります。
また、その場では素直に聞き入れたふりをして、大人の目が離れた際に自分のやり方に戻してしまうお子さんも多く見受けられます。この場合でも多くの時間を無駄にしてしまっており、学力が伸びにくい原因となります。
受験勉強はインプット(勉強を教えてもらっている)している時間よりも、アウトプット(問題を解いている)の時間で、勉強したことが圧倒的に身につきます。親御さんや先生がいくら良い勉強方法を教えても、気がつくと自己流に戻ってしまうお子さんは、学力の向上に時間がかかることでしょう。
素直なお子さんは、親御さんや先生が教えてくれた勉強方法や解き方を愚直に実行します。特に塾の先生が教えてくれる解法は、長年の経験から導き出された、現在考えられる中でベストな方法のはずです。
個人差はありますが、一般的には、先生の言うことを素直に聞き、集中して十分な勉強時間を確保することができれば学力は伸びていくでしょう。伸び悩んでいる場合は、どこか素直に実践できていない部分があるのではないでしょうか。
学生生活でも社会人になった後でも、自分の主義主張を持つことは決して悪いことではありませんが、中学受験の場合では効率が悪くなり結局のところ不利になってしまいます。
頭ごなしに言うことを聞かせる方法ではお子さんが納得できない場合があり、親子関係に悪影響を及ぼすことがあります。なかなか言うことを聞いてくれないお子さんには、お互いに冷静なタイミングで説明をしてあげると良いでしょう。
中学受験に向いていない子の特徴
ここまでは、中学受験に向いている子の特徴を解説してきました。お子さんの性格と中学受験に向いている子の特徴が合っている部分もあれば、そうでない部分もあったかと思います。
続いて、中学受験に向いていない子の特徴を以下の4つ紹介します。
- 精神的な成長が遅い
- 受験や勉強が嫌い
- 身体がよわい
- 嘘をついて誤魔化す癖がある
冒頭にお伝えした通り、お子さんに、中学受験に向いていない子の特徴があるからといって中学受験を諦める必要はありません。
中学受験に臨むお子さんはまだ小学生であり、心身ともにこれから大きく成長していきます。成長に伴い、性格が変わってくることもありますし、良くない点を自覚することで改善できることもあります。
本記事を読んだ時点では、中学受験に向いていない子の特徴があるお子さんが、受験勉強を通して、中学受験に向いている子に成長する可能性は十分あります。
中学受験に向いていない部分は、親御さんがしっかりとサポートしながら受験勉強を進めることが必要です。意識して改善できる部分とできない部分がありますが、改善できる部分は向き合って改善していきましょう。
お子さんの精神面もサポートするうえで、以下の内容を参考にしてください。
精神的な成長が遅い
精神的な成長が遅い子は、自分の欲求をコントロールすることや、自分のこだわりを横に置いて大人のアドバイスを素直に聞き入れることが難しいため、中学受験で不利になりやすいと言えます。
中学受験に向いている子の特徴の中の「ある程度の自己管理ができている」や「素直な性格である」でも解説しましたが、精神的に発達した子であれば、遊びたい気持ちを抑えて今は勉強しなければならないと欲求を自制することができたり、テストで良い点を取るという目標を理解できているので、良くない癖がある場合には早々に改善できます。
精神的に幼い子が中学受験を目指す場合、親御さんが根気よく何度も同じことをつたえてあげたり、自ら中学受験へのスイッチを入れられるように、目標を明確にすることを手伝ったりしてあげるサポートが必要になります。
お子さん自身が中学受験をしたいという思いを持っているのであれば、どこかで精神的に成長するときがくるでしょう。受験勉強を始めた当初は、同学年の周りのお子さんと比べて精神的に幼いとしても、あまり気にしなくても良いのかもしれません。
また、別の角度から考えると、小学6年生でも精神的に幼く、周りのお子さんと比べても学力にも大きく差がついている場合、高校受験で、いきたい学校に進学することを検討しても良いかもしれません。
受験や勉強が嫌い
学校の授業や勉強が嫌いというお子さんでも、少し勉強するレベルをあげたり、塾に通ったりすることで勉強の面白さに気づくお子さんもいらっしゃいます。
しかし、勉強に対する関心がなく、親御さんの意向で受験勉強をしている場合には注意が必要です。この場合は一度家庭内で話し合い、受験勉強を続けるかどうか、どうして地元の中学校ではなく中学受験をしたいのかなどを話し合う必要があります。
お子さんが志望校に通いたい動機をしっかりともっており、お子さん自身に目標があるのであれば学校の先生の教え方や親御さんの勉強の教え方・させ方に問題があるのかもしれません。
塾では、効率的な勉強方法を教えてもらえるだけでなく、勉強が楽しく感じられるように教えることが上手な先生も多くいらっしゃいます。勉強が嫌いになってしまう前に、勉強することの楽しさを実感させてあげることができれば、最も良いのですが、勉強が嫌いになってしまった後でも、塾で勉強を教えてもらうことにより、勉強することが楽しく感じられるようになるお子さんもいらっしゃいます。
中学受験は時間も多く使い、我慢しなければならないことがたくさんあるので、勉強が極度に嫌いなまま、受験勉強に向き合い続けることは難しいでしょう。
身体がよわい
中学受験に向いている子の特徴で「健康で身体が丈夫」と説明しましたが、その反対に身体がよわいお子さんの場合は中学受験を成功させることが難しくなります。
体力や精神力が必要な中学受験において、疲れやストレスで体調を崩しやすいと、その間、勉強することができなくなり、塾の授業に出られない場合には、大幅に遅れを取ってしまいます。
休むことなく通塾しているお子さんでも、授業や宿題をこなすことが非常に大変だと言われていますが、頻繁に休むことがあると、大変な思いをして遅れを取り戻す必要があります。
中学受験対策は、集団授業形式を採用している大手進学塾だけではなく、個別指導塾や家庭教師などでもおこなっていますので、お子さんの身体がよわい場合にはこれらの選択肢も有効になります。
また、お子さんの身体がよわいこと自体を、改善するのはなかなか難しいことではありますが、毎日の食事の栄養バランス、睡眠時間などの見直しで改善できるかもしれません。
親御さんのお仕事が忙しい場合に、コンビニのご飯や冷凍食品、手軽に食べられるインスタント食品などでお子さんの食事をすませることもあると思いますが、身体がよわいお子さんは特に体調が変化しやすいため、健康管理もふくめて受験勉強のサポートをしてあげましょう。
嘘をついて誤魔化す癖がある
日常生活において、なにか悪いことが起こった際、嘘をついて誤魔化す癖があるお子さんも中学受験に向いていないと言えます。
例えば、宿題をしていないのに「宿題は終わっている」、と言ったり、宿題の答えを書き写したことを隠して、できたと言ってしまうなどです。都合が悪いことに対して、嘘をついてその場を乗り切ろうをする行為は誤魔化せる場合もありますが、中学受験においては誤魔化したこと全てが自分に返ってくるため非常に危険な癖であると言えます。
都合の悪いことを誤魔化していると、学力が身につきませんし、親子間の信頼関係も損なわれてしまいます。中学受験に失敗してから気づいても遅く、中学受験後の学校生活や、今後の社会人生活でもメリットになることは極めてまれです。このような傾向が見られた際には、その場でしっかりと注意して正してあげましょう。
中学受験に向いていない子は受験しない方が良いのか
これまで、中学受験に向いている子の特徴、向いていない子の特徴を解説しましたが、中学受験を始める前に、お子さんの性格が向いていないという理由で、中学受験を諦める必要はありません。
難関中学を受験するための本格的な勉強は、多くのお子さんが小学3年生の終わりや4年生になる頃から始めます。その時、中学受験に向いていない性格だったり、向いている性格に当てはまらなかったりしたとしても、成長とともに心身ともに成長し変化していきます。
当初はあまり勉強に意欲的でなくても、親御さんや塾のサポートで志望校が明確になったり、中学受験をする理由がはっきり見つかったりするなど、お子さんが変わるきっかけはいくつもあります。
早いうちにゆっくりとしたペースで勉強を始めておいて、手遅れにならないタイミングで本当に受験勉強をするのかどうか、改めてお子さんと話し合って決めるのも良いでしょう。
また、精神的な成長が遅いお子さんの場合、小学校ではあまり勉強が得意ではなくても中学校で身体も大きく成長し、同時に精神的にも成長して、勉強が得意になるお子さんもいらっしゃいます。
お子さんがいつのタイミングで、どのように成長するかは分かりませんが、中学受験に向いていないお子さんの場合は、無理して中学受験するのではなく、高校受験や大学受験に備えた方が良い結果となるケースも見受けられます。
中学受験に取り組む中で成長していくお子さんもいる
中学受験は、お子さんにとって、精神的な負担が大きくかかるイベントです。出題範囲は広く、出題される問題は大人でも解くことが難しいものが多く、問題数も試験時間内に解ききれないほど増加しています。
受験勉強を始めた頃は、毎日机に数十分向かうだけでも、お子さんにとっては新しい挑戦になります。たくさん遊びたい気持ちを抑えて、約3年もの間、勉強を優先することは大人にとっても非常に大変なことです。
受験勉強をしているお子さんにはしばしば大きな壁が現れ、それを乗り越えるたびに学力はもちろんのこと、精神的にも成長していきます。自己管理能力が身につき、気が進まない時でも決めたことがしっかりとできるようになったり、自身で工夫したり、親御さんや先生に自主的にアドバイスを求めるようになったりと、様々な変化が見られるでしょう。
お子さんが前向きに勉強に取り組んでいるときは、勉強に集中できるように陰ながらサポートをしてあげましょう。反対にお子さんが悩んでいたり、勉強に集中して向き合えていないようであれば、話を聞いてあげたり、何か勉強を頑張ろうと思える気分転換を一緒にしてあげたりしてください。
このように、元々は中学受験に向いていなかったお子さんも、受験勉強を通して様々な壁を乗り越え、心身ともに成長していきます。ご自身のお子さんに中学受験に向いている子の特徴がない、向いていない子の特徴に当てはまることが多い、という理由で受験しないのは判断の基準として適切ではないと考えています。
お子さんの気持ちを尊重し、たくさんのサポートをしてあげながら、中学受験をするかどうかを家庭でたくさん話し合い、決めるのが最善ではないでしょうか。
高校受験や大学受験という選択肢もある
お子さんにとって中学受験が苦痛になっているのであれば、高校受験や大学受験をする方針に切り替えるという選択肢もあります。
中学受験をして進学する学校は、一般の公立校と教育内容も環境面も異なり、多くのメリットがあります。詳しくは中学受験をするメリット・デメリットとは?男子校・女子校と共学校の違いも解説!を参照ください。
しかし、お子さんに合わない状況で、無理やり中学受験させることは、お子さんの性格面に問題が生まれてしまうこともあり、今後の学校生活に響いてしまう可能性もあります。
精神的な成長が遅いお子さんでも、年齢が上がるにつれて周囲との差は感じにくくなります。小学校低学年では早生まれというだけで、お子さんの成長スピードに他のお子さんと差を感じることも珍しくありません。
しかし、中学生や高校生になると徐々にその差はなくなっていきます。大学生になると、浪人して入学する人もいるため、年齢が異なる学生と一緒に学校生活を送ることも当たり前になります。
年々中学受験の人気は年々高まっていますが、中学受験に成功することで人生でも成功するわけではありません。受験をするタイミングは、高校受験や大学受験が適切なお子さんも多くいらっしゃいます。
お子さんの性格をしっかりと見極め、家庭内で十分に話し合い、お子さんにとって最も良い選択ができるようにしてあげましょう。
中学受験に向いている子に変える方法
中学受験に向いている子、向いていない子の特徴や、中学受験に向いていない子でも中学受験を諦める必要はないとお伝えしていますが、向いている子の特徴をもったお子さんが中学受験で有利なのは間違いありません。
そこで、受験勉強をしていく中で、どのようにお子さんに接してあげると、中学受験に向いている子の特徴が備わっていくのかを解説します。
最初は、親御さんが中学受験に興味を持ち、親御さんや塾の働きかけをきっかけに、中学受験を意識するお子さんがほとんどではないでしょうか。
これから解説する内容は、お子さんの性格や能力を一瞬で変えるものではありません。親御さんや先生方との日々のやりとりや、お子さんに中学受験についての正しい行動をくり返し教えてあげることで、少しずつ変化していきます。
中学受験を通してお子さんが勉強する楽しさを知り、目標を持って行動できるようになれば、その後の学校生活も頼もしいものです。
お子さんの性格や能力を一瞬で変えることはできませんが、親御さんや塾の先生との日々の会話により、お子さんの性格に少しずつ変化が現れてきたり、中学受験に必要な能力が少しずつ伸びてくるはずです。
将来の目標や夢を一緒に考える
ほとんどのお子さんには、将来の目標や夢を考えるタイミングが大学受験を迎えるまでに訪れます。中学受験する理由の多くは、将来の目標や夢を叶えるためです。
私立校に通うことで、恵まれた環境で質の高い教育を受けることができ、お子さんの能力や才能、学力が大きく伸びていく可能性が高まります。公立校に通うよりもお子さんの選んだ私立校に進学することで、お子さんの将来の目標や夢に大きく近づくと認識できていれば、受験勉強を主体的に進めることができるようになります。
お子さんに将来の目標や夢が明確にあったとしても、具体的にはどのようにしたら叶えられるのか、実現のプロセスにはどのような選択肢があるのかといったより広い視野が必要となる内容を理解しているお子さんはほとんどいません。
そこで、親御さんがお子さんの将来の目標や夢を聞いてあげて、それらについて様々な質問をしてあげることが、お子さん自身で将来の目標や夢について、より深く考えるきっかけになります。質問に答えるために、あれこれと考えることで、将来の目標や夢はより具体的なものになり、それらの実現のために必要なことに気づくきっかけになります。
また、将来の目標や夢を実現するために必要なことを調べるお手伝いをしてあげると、今のうちからどのようなことが必要なのかも明確にわかるようになります。将来に必要なものの一つが、私立校に進学することでより頑張って勉強することであったり、公立校では経験できない体験をすることだとわかると、お子さんの中学受験に対する意欲を引き出すきっかけになります。
勉強の楽しさを実感させてあげる
問題が解けるようになることや、テストで良い点数が取れることを楽しいと感じるお子さんもいらっしゃいます。しかし、最初からそのように勉強が楽しいと感じているお子さんはまれです。
多くのお子さんは、勉強することを通して、知的好奇心を満たしたり、当たり前だと思っていたことに疑問が生まれ、その仕組みや構造を理解して新しい発見をすることを面白く感じ、勉強することに熱中していきます。
もし、お子さん自身が、テストや模試の点数や順位を高めたいと思うのであれば、そのモチベーションを利用して、良い結果を得るために頑張って勉強するのは良いことです。解けなかった問題が解けるようになることを楽しいと感じるお子さんであれば、こういうモチベーションを利用しても良いと思います。
勉強が楽しいとなかなか感じられないお子さんには、実際に勉強している内容が、今後、どのように役に立つのか、実際にどういったことが起こっているのかを見せてあげたり体験させてあげたりすることも、勉強が楽しいと感じるきっかけになります。
理科の勉強内容であれば、一緒に天体観測をしながら、テキストで勉強した星を見つけたり、星が時間とともに移動していることを体感したりする。植物を育ててみてその成長を観察する。簡単な物理の実験をしてみる。
これらの体験を通して、テキストで勉強しているだけでは無機質に感じられてつまらなかったものが、リアルなものに感じられ、勉強の楽しさへと結びつくお子さんもいらっしゃいます。
勉強することの楽しさを覚えたお子さんは、好きな分野に関しては進んで勉強するようになります。親御さんは、そのきっかけを作ってあげられるように、お子さんに様々な体験をさせてあげたり、話しかけてあげたりしましょう。
塾の先生は、勉強の楽しさを伝えることが上手であったり、学力がぐんぐん伸びていくための指導方法を知っていたりします。家庭学習のみでは勉強の楽しさをなかなか見出せないお子さんは、塾に通うことで勉強の楽しさを知ることができたり、環境が変わることで競争心に火がついたりして、進んで勉強するようになることがあります。
自己管理ができるようにサポートする
自分のやりたいことを我慢し、決めたことをやる自己管理能力を最初から持ち合わせているお子さんはいません。
家に帰ったらまずは宿題を15分間だけやる。毎日夜ご飯の前に計算ドリルを1ページやる。このように、親子で決めた小さな約束事を守ることで、物事に優先順位をつけることができるようになったり、遊びたい気持ちを少し我慢して早く宿題をやってしまおうという気持ちを育んだりすることができます。
約束事を作っても、最初のうちはすぐに忘れてしまったり、どうしても遊びたい気持ちが我慢できなくて約束を守れなかったりすることもあるでしょう。親御さんが根気強く声をかけてあげることで、徐々に約束事を守れる日にちが増え、それが習慣になっていきます。
また、学年が上がるにつれて、中学受験を成功させるためにやらなければならないことも増えていきます。各科目の宿題や苦手分野の克服のために勉強しなくてはならない、学校や塾からもらった書類を親御さんに渡す、それを再び提出するなど管理するものは多岐に渡ります。
これまでは自己管理できていたけれども、学校生活でも塾でもやらなければならないことが多くなると、お子さんの管理できる容量を超えてしまい、上手に管理したいけれどもなかなかできないという状況になることもあります。
決めたことが一通りできるようになっても、その後もしっかりと気にかけてあげて、お子さんが大変だと感じている際には助けてあげたり、一緒に勉強の計画を立てたりしましょう。
勉強に関する小さな成功体験を積み重ねていく
勉強に関する成功体験の積み重ねは、お子さんの勉強に対する自信を育み、達成感を得、自発的に勉強をしていくといった良いサイクルのきっかけになります。一つ一つの成功の規模は小さなものでも良いので、たくさんの成功体験を積み重ねていきましょう。
成功が感じられない目標に対して努力するのは、大人でもかなりの精神力を要します。一方で、成功体験や達成感を覚える出来事があると、モチベーションが上がり、もっとできるようになりたいという向上心も強くなります。
また、成功体験を積み重ねていくことで、自己肯定感の向上にも繋がります。受験勉強において、自分が頑張れば今は解けない問題でもこの先必ず解けるようになる。自分は必ず偏差値が⚪︎⚪︎以上の結果を出す事ができる、このように考えることで簡単には挫けない強い心を持つことにも繋がります。
お子さんが、たくさんの成功体験を積み重ねていくためには、親御さんがお子さんの頑張りに気づいて褒めてあげることです。お子さんをしっかりとみてあげることで、日々勉強ができるようになったり、約束事を守れるようになったり、自ら気がついて行動できるようになったりと、できるようになることがたくさん見つかるはずです。
小さなことでも見つけて褒めてあげることで、お子さんの自信に繋がり、進んで勉強するようにもなるでしょう。
中学受験に向いていない家庭
ここまでは、お子さんに焦点を当て、中学受験に向いてる子と向いてない子の傾向を説明してきましたが、各家庭の中学受験への適性の有無は、お子さん個人の中学受験への適性の有無よりも大きな意味を持ちます。
中学受験に向いていない家庭の特徴は以下の5つです。
- 夫婦の間に中学受験についての温度差がある
- 親自身が勉強や仕事を苦痛だと思っている
- 金銭的な計画をしていない
- 結果を強く求め過ぎている
- 親の都合、意向で受験させている
中学受験は、「親子の入試」「親の入試」とも言われています。それほどまでに、親御さんからお子さんへのかかわり方が結果に影響します。
親御さんのお子さんへのかかわり方で、中学受験に向いてない子を向いている子に変化させることは可能です。ただし、家庭そのものが中学受験に向いていない場合、受験に成功することはたいへん難しくなります。
これから解説するような問題が家庭内で起こっていないかを確認し、当てはまるようなことがあれば早急に改善する必要があります。
夫婦の間に中学受験についての温度差がある
例えば、奥さんは中学受験をさせたいけれども、旦那さんは反対している、もしくは無関心であるなど、中学受験について夫婦の間に温度差があることは問題の1つです。
中学受験は、経済的負担も大きく、親御さんのサポートや協力が必要不可欠なものです。
お子さんが勉強しなくてはならない範囲の広さや問題の難度は、親御さんご自身が中学受験の経験がない場合、想像を超えるものになります。また、ご自身に中学受験の経験がおありだとしても、その頃と現在とでは受験に関する状況が大きく変化していることがほとんどです。。毎日の宿題や自習で、6年生になると週1回も遊べなくなるほど大変になります。
このような状況で、夫婦の間で中学受験に関する温度差があると、お子さんにかける声がバラバラになります。必要最低限の勉強量だとしても、温度感が低い親御さんからそんなに頑張らなくてもいいんじゃないか、もっと遊んでおいでと言われてしまうとお子さんはどうしたら良いのかわからなくなってしまいます。
また、お子さんの中学受験にお金をかけるとなると、生活費や必要な出費、娯楽費用などを考えなおさなくてはならない家庭もあるでしょう。多少の我慢をしてでも中学受験の費用や学費を払うと決めても、夫婦の間で温度差があると方針がブレてしまい、それがお子さんにも伝わってしまいます。
お子さんも中学受験に本気で取り組んでいる最中に、夫婦の間で意見が一致していなかったり、同じ方向に進んでいなかったりすると、お子さんの勉強に対する意欲も削がれてしまいます。
中学受験するのであれば、ご夫婦ともに納得して同じ方を向いていることは必須条件です。夫婦のどちらかが反対であれば、中学受験そのものを見直すようにしましょう。
親自身が勉強や仕事を苦痛だと思っている
親御さん自身が勉強に苦手意識を持っている、勉強嫌いという意識があるとそれはお子さんにも伝わってしまいます。逆に親御さんが楽しい、面白いと思えるものであれば、お子さんも興味を抱く可能性が高くなります。
例えば、親御さんがスポーツが好きで、嬉々としてお子さんとスポーツをすれば、お子さんもスポーツを楽しめる子どもに育つ可能性が高まります。
勉強も同じことで親御さんが中学受験の勉強に興味を持ち、お子さんと一緒に楽しめているかが重要になります。勉強自体が得意ではなく、教えることができなくても問題はありません。志望校へ合格するための挑戦に、お子さんと一緒に興味をもって取り組んでいるかが重要なのです。
同様に、親御さん自身の仕事をしている姿が活き活きとしていなかったり、仕事に対する愚痴が多いと、大人になることはつまらないこと、苦しいことだとお子さんが思ってしまい、明るい未来を想像できなくなります。
まずは親御さん自身が中学受験のサポートを楽しめるか、苦痛ではないかということを、自身に問いかけてみましょう。
金銭的な計画をしていない
中学受験する上で、金銭的な計画は必ず最初に確認しておかなくてはならない重要な項目です。
どのようなタイミングで、何にいくらかかるのかをきちんと考えずに、何気なく中学受験の勉強をはじめてしまうと、様々なものの支払いに追われ、お子さんも安心して勉強に集中できなくなります。
また、受験後の私立校の学費についても、必ず確認をしましょう。急な出費があることも想定して、金銭的に余裕を持った計画を立てることが重要です。
私立中学に進学させようと考えた親御さんは、中学受験のために塾に通う場合、受験終了までに毎月いくらかかるのか、通常の月謝以外の教材費や模試代、夏期講習などの特別授業にいくらかかるのかを把握しましょう。
それに加えて受験費用、学費、入学金、制服やその他必要なものを揃えるお金の準備をしましょう。お金が足りないと、最悪の場合、途中で中学受験を断念することになったり、退学して公立校に転校しなければならなくなったりと、良いことは1つもありません。
また、私立校に進学したことで、大学入学時の費用の工面ができなくなると本末転倒です。全ての費用は事前に調べて計算することができます。家計に無理がないと判断したうえで中学受験するかどうか、決めるようにしましょう。
結果を強く求め過ぎている
親御さんがお子さんの成績に対して、結果だけをあまりにも強く求めてしまうことは、お子さんにとって強すぎるプレッシャーになり、親子関係の悪化やお子さんの性格に問題が生まれてしまう可能性があります。
中学受験で第一志望に入れるお子さんは一握りです。関西の最難関校・灘中で、同じ受験生でもう一度入試をすると合格者の半数は入れ替わるのではないかとも言われています。それほどにも中学受験は僅差の点数差でおこなわれる戦いであり、お子さんが精一杯の努力をしても、報われないことがあります。
そのため、この学校に入学できないなら受験する意味がない、という考えを持つと親子共に苦しい受験をする結果になってしまいます。結果は大切なことですが、本人も合格を求めており、塾でも結果を出すために必死になってます。つい熱が入ってしまう気持ちはわかりますが、ご家庭では結果と同じくらい過程も大切にし、余裕をもってお子さんに接してあげて欲しいと考えています。
大きなプレッシャーに潰されてしまうお子さんもいらっしゃることは事実です。プレッシャーをかける役割は主に本人や塾に任せて、親御さんはお子さんのサポートであったり、話を聞いてあげたりすることで、優しく寄り添う役割を担ってあげるのが良いでしょう。
親の都合、意向で受験させている
親御さんの都合や意向だけで中学受験させていると、お子さんに限界がくるのが早くなりがちです。中学受験は、親に言われたからという理由だけでやるには大変すぎる経験になるため、本人も納得して努力することが必要になります。
受験勉強が本格化する高学年になると、これまでの習い事を続けることが困難になるほど、勉強しなければならない内容が多く難しくなります。
中学受験者数が増加しているとはいえ、同学年で中学受験する人数は少数派になります。これまで仲の良かった友達が楽しそうに遊んでいるなか、自分は家で勉強しなければならない、塾に通わなければならないというのは、精神的にとても辛いものです。
毎日、長時間勉強することにも納得できない上に、自分の楽しみの多くがなくなってしまうことは、大人であっても長くは我慢できません。お子さん自身が受験に興味がない、勉強が嫌いで親御さんに強制的に受験勉強をさせられているといった場合には、行き詰まるタイミングは早い段階で訪れるでしょう。
その場合、強制的に勉強させる、塾に通わせる、中学受験させるのではなく、親御さんがなぜ本人に中学受験をして欲しいのか、中学受験のメリットなどを伝え、本人の意向もしっかりと聞いて、話し合いましょう。
中学受験に向いていない子は塾に通うと変わるのか
中学受験に向いてない子は、塾に通うことで、向いてる子へと変わるのでしょうか。
塾に通い、頑張って受験勉強することで、結果的に精神的に成長し、中学受験に向いている子へと変わることはありますが、当塾では塾がお子さんの躾や中学受験に向いた子へと育てる役割を担う必要がないと考えています。
塾はあくまでも勉強を教えるところであり、学校は基礎教育と社会性を身につけるところであり、家庭はお子さんの躾をするところだと考えています。
塾が本来、各家庭がなされるべきお子さんの躾の役割まで担うと、勉強を教えることに集中できなくなくなり、塾の一番の役割である部分が薄れてしまいます。
しかし、これまで解説したように、塾に通うことで、お子さんが勉強を通して成長したり、勉強ができるようになってモチベーションが上がったり、勉強をすること自体が楽しく感じられたりするという効果はあります。塾の先生は、勉強が楽しいと思えるように解き方を教えたり、学力が伸びるように勉強法を教えたりすることができます。
また、塾に集まる、目標高く頑張っている他のお子さんたちと切磋琢磨することで、刺激を受けて主体的に勉強するようになるお子さんもいらっしゃいます。
志望校に合格するために必要な勉強は塾に任せていただき、ご家庭ではお子さんの躾やサポートなどに専念していただきたいと考えております。中学受験においては、それぞれの立場の人間がそれぞれの役割に集中することが、合格への最も近道だと考えています。
中学受験を検討されているご家庭や、すでに中学受験の勉強を始めているが学力が伸び悩んでいる状態などがあれば、集団個別指導塾のクリエートベースの授業を体験されてはいかがでしょうか。
ご興味をお持ちの方はこちらのお問い合わせページの公式ラインもしくは、お問い合わせフォームからご連絡ください。
最難関校への合格を本気で目指している環境に触れることは、お子さんにとって良いきっかけとなるでしょう。
まとめ
中学受験をはじめる段階で、お子さんが中学受験に向いているのか、向いていないのかを見極め、中学受験するかどうかを判断するのは難しいことです。中学受験するかどうかは、お子さんが中学受験に向いているかどうかで判断するのではなく、お子さん自身にやる気があるかどうかがとても重要です。
小学生のお子さんが、中学受験の必要性や意味をお子さん自身で調べて理解することは難しいため、親御さんがお子さんとしっかりと向き合うことでサポートしてあげてください。
その上で、学力が足りない場合、心配な方は当塾へご相談ください。最初は、本記事で解説している、中学受験に向いていないお子さんでも、最終的には、志望校への合格を手にされたお子さんが多数いらっしゃいます。
お子さんと向き合い、しっかりと話し合った上で、中学受験ではなく高校受験や大学受験を選ぶことも良い判断の1つだと思っております。
本記事が、お子さんの将来にとっての良い判断の一助になりますと幸いです。