中学受験をするメリット・デメリットとは?男子校・女子校と共学校の違いも解説!

中学受験をするメリット・デメリットとは?男子校・女子校と共学校の違いも解説!

お子さんの中学受験を考えている親御さんの中には、中学受験をして私立中学に進学するメリット・デメリットをはっきりと知り、中学受験をするかどうかを検討したいと思っている方も多いのではないでしょうか。

また、中学受験の受験者数が増えているというニュースを耳にした方もいらっしゃるかもしれません。どのくらい受験の競争が激しくなっているかが気になっている方もいらっしゃるでしょう。

志望校を絞っている段階のご家庭では、男子校や女子校を志望校にする選択肢が出てくることもあり、男子校・女子校に進学する際のメリットやデメリットはどのようなものか、反対に共学校に進学することのメリットやデメリットはどのようなものか、気になっているご家庭もあるのではないでしょうか。

本記事では、最近の中学受験者数の動向について、中学受験のメリット・デメリット、男子校・女子校・共学校のそれぞれのメリット・デメリットをお伝えしています。

目次

中学受験者数は増加傾向にある

中学受験者数は増加傾向にある

中学受験者数は、近年、全国的にも、近畿地方だけを見ても増加傾向にあります。全国的に受験者数が増加している理由や、近畿地方での受験者数について解説していきます。

中学受験を検討している親御さんにとって、最新の情報を知ることは中学受験を成功させるために重要ですので、しっかりと確認していきましょう。

全国的な中学受験者数の増加

中学受験者数は全国的に増加している傾向です。首都圏における2023年の中学入試受験者数は、首都圏模試センターが公表しているデータによると、国立・私立中学を合わせて5万2600人の中学受験者数であり、過去最多の人数でした。

2022年における中学入試では、受験率が17.3%と17%を超えたのは史上初でしたが、2023年は受験率17.86%とさらに0.56ポイント上がりました。さらに受験率は2015年から9年連続で上昇しており、合格率も昨年と比べ下がっています。

また、関西の2023年入試に関しては、6年生全体の生徒数が前年よりさらに減っている中でも、中学受験者数は387人も増加している状況です。

近畿地方での受験者数の増加

読売新聞オンラインに掲載されているニュース「2023年度の関西圏中学入試を振り返って…森永直樹<17>」を参考に近畿地方の中学受験者数を見ても、全国と同様に年々増加しています。

近畿二府四県で統一されている2023年1月14日入試解禁日の午前における中学受験者数は1万7279人となっています。また、2023年度では、10.01%の中学受験率となっており、2022年度の中学受験率である9.74%と比べ、0.27%も増加している状況です。

コロナ禍で減少していた「府県をまたいでの受験」がコロナ禍以前の状況に戻ったこともあり、人気校では他府県からの志願者数が増えたと言えます。

近畿地方において中学受験率が10%を超えるというのは、2009年度以来はじめてのことであり、387人も受験者が増えています。

近畿地方のみのデータをみても、全国的なデータをみても中学受験者数が増加しているのには、この後解説する明確な理由があります。

なぜ中学受験者数は増加傾向にあるのか

なぜ中学受験者数は増加傾向にあるのか

中学受験を検討している親御さんは、なぜ近畿地方でも受験者数が増加しているのか、そもそもなぜ全国的に増加しているのかを理解することで、中学受験の必要性を実感することができ、お子さんに中学受験をさせるかどうかを検討する上での一つの判断基準を手にすることができます。

中学受験者数が増加している理由は、主に以下3つです。

  • 親世代の価値観の変化
  • コロナ禍で顕著になった中学校の対応の差
  • 大学に関する法律の変更による影響

親世代の価値観の変化

1つ目の理由は、親世代の価値観の変化です。

グローバル化や終身雇用の終焉などにより、教育に関する価値観の変化が起こっています。より知識や技術が重視されていくと考えられている現代において、公立校では環境や質が不十分だと考える家庭が増えています。

社会にでて活躍できるスキルを身につけるには、社会の変化と共に教育方針や教育カリキュラムなどを変化させていくことが必要であると考えるのは当然です。

無意味なことや古い時代に作られた校則や教育カリキュラムを伝統だと言われると違和感を覚える親御さんも多くいらっしゃいます。

特に中学受験を検討している情報感度の高い親御さんは、このような理由から中学受験をさせることを決めており、そのために中学受験の受験者数が増えている面があります。

コロナ禍で顕著になった対応の差

2つ目の理由は、コロナ禍でオンライン授業での対応の差が顕著になり、私立中学へ進学を希望する親御さんが増えたことです。

コロナの影響を受け、学校が一時休校になってから、私立校では素早くオンライン授業への切り替えが行われましたが、公立校では私立校と比べ対応に時間がかかりました。

また、私立校に通う学生がオンライン授業を含めて早々に授業を再開し、柔軟な対応を見せる中で、公立校では学校に行けずオンライン授業もなかなか始まらない状況が続きました。さらには、機械に慣れていないなどもあり、オンライン授業の質に対して疑問視する家庭も多く見られました。

コロナにより発生した出来事をきっかけに、今後いつ予測せぬトラブルが発生するか分からない中で、いざという時に迅速な対応が取れる私立中学への進学を選ばれるご家庭が増加しています。

大学に関する法律の変更による影響

3つ目の理由は、大学に関する法律の変更による影響です。

2016年度の入試から「私立大学の入学定員厳格化」が始まりました。「地方大学振興法」とは、多くの有名私立大学がある、東京23区に集まっていた大学生の流入を抑え、都市以外の地方の大学や、地域における経済活動を盛り上げる目的で制定された法律です。

こちらの法律の一部を紹介しますと、2016年に定めた定員の基準以上の入学者を増加させた場合、その大学に補助金を交付しない法律であり、東京23区内にある大学定員数に限り、10年間増やさないことが決められています。

これまでは、私立大学が定員を超えた入学者数になることは当然のこととされていました。しかし、定員が厳格化されたことで、親御さんや受験生の間に入学できないかもしれないという不安が膨れ上がったことで、受験者一人あたりの併願校が増加し、倍率も増加しています。

この法律により大学受験に変化が起こったことで、将来への不安を減らすため、早い段階で大学の枠が確保できる大学附属中学や、勉強のレベルの高い私立中学に進学させようとして中学受験をするご家庭が増加しています。

中学受験をするメリット

中学受験をするメリット

中学受験を検討している親御さんは、中学受験することでどのようなメリットがあるのかを十分に理解しておくことで、目的を見失わずにお子さんの受験勉強をサポートすることができます。

中学受験をするメリットは、主に以下の5つです。

  • お子さんの将来性や個性を伸ばせる
  • 高校受験や大学受験の負担が少なくなる
  • 質の高い教育環境に身を置ける
  • 自分の求める教育や部活動がある学校に行ける
  • 小さい頃から勉強習慣を身につけることができる

それぞれについて詳しく解説していきます。

お子さんの将来性や個性を伸ばせる

学校の教育方針やお子さんがやりたいことが、お子さんの性格などに合った中学に入学することができた場合、お子さんの長所や個性を伸ばせる可能性が高く、結果的にお子さんが将来の目標や夢に近づくことができたり、その他の選択肢を増やせたりする可能性が高くなります。

中学受験で入学する私立学校では、公立に比べ自主性を大切にしている学校も多い傾向にあるため、学力以外でも自立心や個性が成長しやすい環境が期待できます。

働き方や職業の多様化が進む現代において、お子さんが持っている個性を伸ばし、できるだけ多くの選択肢を用意してあげることは親御さんにとって重要な役目でしょう。

高校受験や大学受験の負担が少なくなる

高校や大学の附属中学に進学した場合、学校の定める進学基準を満たせていれば、附属の高校や大学への進学枠を優先して確保することができます。

また、附属校へ進学することにより、友人関係や校則や教育方針などが大きく変わらず、安定した環境の下で一貫した教育を受けられます。

受験には勉強の他にも志望校選び、面接対策などの準備が必要であり、ほとんどの家庭ではそれらの知識がないため、多大な労力と時間を費やすことになります。

受験の準備を本格的にするために、部活動など、お子さんの取り組んでいた活動をその都度中断する必要があり、大切な時間を使わなければなりません。

近年では、これらのことについて重要視する家庭も多く、高校や大学の附属中学を受験する割合も増加し続けています。

行きたい高校へ進学できる可能性が高くなる

公立の中学校に通いながら高校受験をして、行きたい高校に進学しようと考えている場合、その計画を叶えることが難しくなる可能性があります。なぜなら、附属中学からの内部進学により募集人数が少なかったり、そもそも募集自体をしない可能性もあります。

募集がない場合は、その高校への進学は諦めざるをえません。募集人数が少ない場合には、高校入試をクリアし入学するチャンスは残っていますが、少ない募集枠に応募してくる他の学生と入試でその枠を奪い合うことになります。

大学受験であれば、定員数が多かったり、学科で分かれていたりするので、行きたい大学への進学の門戸は比較的広く開かれていますが、高校受験となるとより狭き門になります。

お子さんが行きたいと思うような魅力のある高校は、他のお子さんも同じく魅力に感じることが多く、高校入試での競争が激しくなることが予想されます。

質の高い教育環境に身を置ける

質の高い教育環境とは、学校の設備等の物質的な環境と、同じく中学受験に合格した他のお子さんたちと学校生活を送るという2つの点があります。

地元にある公立中学に入学した場合、さまざまな学力を持ち、さまざまな家庭で育った子供たちが集まっています。精神年齢もさまざまであり、中には素行の悪い子がいることもめずらしくありません。

同世代の様々なお子さんと触れ合うことは良いことですが、不要なトラブルに巻き込まれてしまったり、学校の授業の質が思っていたよりも低いということもありえます。

中学受験をして入学した学校であれば、精神年齢や学力も同じようなレベルのお子さんが集まることが多いため、必然的に質が高くなります。

教育カリキュラムや授業の質、勉強するための設備も公立中学と比べると揃っており、興味のある分野では、中学校で学習する内容よりも高いレベルに触れることもでき、長所を伸ばしやすい環境でもあります。

自分の求める教育や部活動がある学校に行ける

教育方針や用意されている部活動は、中学校によりさまざまであり、自分で受験先の学校が選べるため、教育方針や部活動が求めているものであるかどうかを把握した上で入学できます。

自分の求める指導方針のある学校に行ける

私立中学の規則や校風、教育カリキュラムなどには教育方針が反映されたものとなっているため、求めているイメージに近い教育を受けやすくなります。

学校の教育方針について調べ、自分の方針や考え方と合っているか確認した上で受験できるため、入学した際に教育方針が思っていたものと違ったというミスマッチを防ぐことができます。

公立中学の場合は、教育方針や教育カリキュラムを自由に変えることができないため、公表している教育方針とその実態がかけ離れている可能性もあります。

実際に入学してから、学校の指導方針と実態に大きくズレがあった場合、学校に通うこと自体がストレスになってしまうこともあり、それが3年間ともなると非常に大きな問題となってしまうかもしれません。

お子さんの成長、教育のためにも、学校選びのミスマッチはできるだけ少なくしたいところです。

自分の求める部活動のある学校に行ける

中学受験をして入学することで、やってみたかった部活動で学生生活を過ごすことができます。それに加えて各部活動に備わっている設備や、その部活動に精通している優秀な指導者がいたりするなど、部活動の環境が整っている学校や、強豪校に進学することが可能です。

公立校によっては、自分が入りたい部活がそもそも無い、部活動自体はあるが人数が集まっていない、しっかりと活動していない、教えられる指導者(先生)がいない、設備が揃っていないなど、思っていた部活動生活が送れないということもあるでしょう。

中学受験に成功し志望校に入学すれば、自分の入りたい部活動や求める設備、求めるレベルのある中学校に入学することが可能です。部活動はお子さんの心身の成長にとって非常に大切なものと考えている親御さんは多いでしょう。また、部活動が充実することで、さらに良い友人関係が築けたり、勉強を頑張れるお子さんも多いことでしょう。

小さい頃から勉強習慣を身につけることができる

中学受験をする際には、一般的に受験対策の勉強を小学4年生頃から行います。受験勉強により身についた勉強習慣は、その後も興味を持った分野に対する勉強時間をさらに増加させることもでき、新たな分野を勉強する際にもメリットになります。

学生時代に勉強習慣や読書習慣が身についていると、多くの知識を得ることができ、将来について幅広い選択肢を持つことができ、お子さんが自身の進路をより具体的に、現実的に考えることができるようになります。

また、中学受験の際に求められる学習は、小学校における授業の範囲外の内容もあるため、塾や家庭で勉強する必要があります。大変なことに向き合う経験や目標に向かって努力する大きな経験ができます。そのため、中学受験を通して心身ともに成長することができます。

中学受験をするデメリット

中学受験をするデメリット

ここまで中学受験のメリットを解説してきましたが、その一方で中学受験にはデメリットも存在します。

中学受験を検討されている親御さんは、メリットだけでなくデメリットについても十分理解し検討することが大切です。

中学受験をするデメリットは、主に以下の4つです。

  • 家庭にのしかかる負担が大きい
  • お子さんに中学受験に関する精神的な負担がかかる
  • 新しく人間関係を築く必要がある
  • 勉強以外に使える時間が減る

家庭にのしかかる負担が大きい

中学受験は、親御さんからすると経済的にも物質的にも大きな負担がかかります。勉強するのはお子さんですが、親御さんもサポートについての大きな負担がかかってきますので、しっかりと理解しておきましょう。

経済的な負担が大きい

私立中学への進学を考えた際に発生する経済的な負担とは、中学校の学費など入学後の費用だけでなく、中学受験のための塾の費用や受験費用などです。また、高校と続くとさらに経済的な負担が大きく、しっかりとした計画がないと卒業まで経済的に悩まされることになり、お子さんにも迷惑をかけてしまうことになります。

年間の学費以外にも、通学費や教材費など公立校に比べて多くの学費が発生するため、親御さんの経済的負担が大きくなります。中学受験で私立中学に進学させたいと思われている場合、経済的準備を十分にしておくことが必要です。

入学したものの、経済的に通い続けることが難しくなってしまっては、せっかくの受験勉強の頑張りが活かしきれないことになってしまうので、必要な費用について事前に確認しておきましょう。

親御さんの物質的な負担

中学受験する場合、塾への送り迎えや家庭での勉強のサポートなどお子さんが勉強に集中するためのサポートは意外と多くあり、働きながらお子さんをサポートするのは想像以上に大変に感じるものです。

仕事が忙しく時間にあまり余裕のない親御さんであれば特に、仕事が終わった後や時間を調整して送迎に時間を取られるのは大きな負担になります。また、ご自身も仕事で疲れている中、夜の時間を自由に使えないこともあります。

小学生は自己管理能力や意思決定能力が育ちつつある年齢のため、親御さんは学習の進捗状況や学校選び、お子さんが抱えている悩みなどを、こまめにサポートしなければなりません。

しかし、過剰に干渉してしまうと、お子さんが自分で意思決定するチャンスを奪ってしまう可能性もあります。受験勉強のサポートは一般的には誰しも慣れていることではありませんので、適切な距離感を取ることは難しいことですが、親御さんのサポートはお子さんの受験勉強に大きく影響することになります。

お子さんに中学受験に関する精神的な負担がかかる

中学受験をする場合、学力が伸びない悩みや激しい競争にさらされ、長期間にわたり大きなストレスがかかる可能性があります。

中学受験では、学習量の多さや難しい問題に悩まされて勉強が嫌いになってしまったり、勉強に時間を取られて、習い事の時間や自由に遊ぶ時間が減ってしまったりします。

学校の中では勉強ができるお子さんでも、塾に通うと状況は変わり、同じく勉強のできるお子さんに囲まれてクラスが分けられたり、模試の結果により厳しい現実を突きつけられることも増えます。

このような勉強に対する精神的な負担もあれば、周囲と比べることによる精神的な負担もあります。もともとは目標があり中学受験の勉強を始めたものの、さまざまな精神的負担に押しつぶされてしまうこともあります。

親御さんもなんとかサポートをしてあげたい、負担を軽くしてあげたいと思っても中学受験に臨むお子さんとの接し方に慣れていないとどうしてあげたら良いか解決方法がわからず、親子で苦しくなっていくケースが多いのです。

新しく人間関係を築く必要がある

中学受験をする場合、多くの地元の友達が進学する中学校に行かず、同じ中学を受験する友達以外とは離れてしまうことになります。小学校で関係を築いてきた友達と離れてしまうのは、お子さんにとって、とても寂しいことであり、新たな環境に身を置くことの不安も大きいでしょう。

中学受験に成功し、進学した中学校はそこで初めて知り合った子がほとんどであり、新たに友達を作る必要があります。友達を作るのが苦手なお子さんは特に、なかなか友達ができなかったり、上手く馴染めなかったりして、学校が楽しくないと感じてしまう可能性も考えられます。

せっかく勉強を頑張り、志望校に合格したにも関わらず、学校に行きたくないと感じてしまう可能性があります。

勉強以外に使える時間が減る

中学受験をする場合、多くの時間を勉強に費やす必要があるため、習い事や遊びに使える時間が少なくなってしまいます。ほとんどのお子さんは友達とたくさん遊びたい、好きな習い事を続けたいと思っており、その時間がなくなってしまうことは、お子さんにとってはとても大きな出来事です。

中学受験の勉強よりも、友達とたくさん遊ばせてあげたい、好きな習い事を頑張って欲しいと感じる親御さんも多いでしょう。

また、中学受験をしない子と比べて、友達と遊べる時間が減ってしまうことで、いままで仲の良かった友達との間に壁を感じることも出てきてしまい、関係がギクシャクしてしまう可能性もあります。

中学受験で男子校・女子校を選ぶメリット

中学受験で男子校・女子校を選ぶメリット

中学受験する際、学校選びは非常に重要なポイントです。男子校や女子校に進学することで得られるメリットは多く存在します。

中学受験に成功し、その後、お子さんが満足できる学校生活を送るためにも、男子校・女子校に進学する際はそのメリットについて十分理解しておくことが大切です。

進学実績の良い学校が多い

偏差値が高い大学への進学実績が良い学校は、男子校や女子校が多くなります。異性のいない学校生活を送る男子校・女子校だから、という理由で進学実績が良いのかは定かではありませんが、異性を意識する必要がなく勉強に専念できる環境があるのは大きな理由の一つでしょう。

中高生の年代では恋愛などに精神状態が左右されることも多くあり、異性問題に悩み勉強が手に付かなくなってしまう学生も多く存在します。しかし、男子校や女子校であれば、異性の目を気にすることなく勉強に打ち込めるため、勉強に専念したい学生にとって最適な環境です。

比較的自由な校風の学校が多い

公立校では、事件や事故への配慮から、昔と比べて禁止事項が増えてきていますが、私立中学は比較的自由でお子さんの個性や長所を伸ばそうとするような学校が多くみられます。

それぞれの学校の校風や校則は、教育カリキュラムや授業、学校行事などにも反映されており、私立中学は偏差値が高いというメリットだけでなく、個性や長所の成長にも大きな影響を与えています。

また、男子校や女子校は、異性問題が発生しにくいため、異性問題に関する校則が少なく、時代にそぐわない校則などが見直される傾向にあります。

独特な校則がある学校もありますが、それらは各学校の伝統として生徒や保護者から受け入れられており、その校則自体が学校の特色を表している場合もあります。

のびのびと生活できる可能性が高い

共学校の場合、日々の学校生活の中も学校行事でも、自然と性別に沿った「〜らしさ」を求められて、その役割を演じるようになることがあります。本来やりたいことではなかったことをやらなければならなくなったり、「男らしくない」「女らしくない」と言われ傷ついたり自分を疑ってしまうような場面もあります。

男子校・女子校の場合は、異性の目を気にせずに好きなことに没頭できたり、共学校では自然と生まれる「男の子らしさ」「女の子らしさ」に捉われたりすることなく、学校生活を送ることができます。

また、恋愛など、異性と関わることで生まれることが多い問題は、共学校では避けたくても避けられない問題ですが、男子校・女子校であればそれらの悩みや心配もありません。

友達同士の仲が深くなりやすい

中高一貫校であれば6年間という長い期間を一緒に過ごし、かつ、同性だけの環境でよりオープンな付き合いができる環境の男子校・女子校は絆が深まりやすいです。

男子校や女子校では、異性の目を気にすることなく腹を割った話ができるため、相手の事を深く理解し、心から信頼できる友達を作りやすくなります。同性しかいないため、一緒に行動することも多く、仲間意識が強まりやすい環境といえます。

大人になった後も友達として繋がっている可能性も高く、各人が社会にでて様々な分野で仕事をしている場合、仕事でもこの友達の繋がりが有利に働くこともあります。

このように、大人になっても関係が続いていく友達を中学生のうちから持てる可能性があるのは、男子校や女子校の大きなメリットでしょう。

中学受験で男子校・女子校を選ぶデメリット

中学受験で男子校・女子校を選ぶデメリット

ここまで中学受験で男子校や女子校を選ぶメリットを解説してきましたが、男子校や女子校を選ぶことには、多くのメリットがある反面、デメリットも存在します。

入学した後に、思っていたイメージと違う、とならないためにも、デメリットについてもしっかり理解しておきましょう。

中学受験で男子校・女子校を選ぶデメリットは、以下の3つです。

  • 異性とのコミュニケーションが苦手になる可能性がある
  • 価値観が偏る可能性がある
  • 身だしなみに気を遣わなくなる

異性とのコミュニケーションが苦手になる可能性がある

学校に異性がいないと異性とどのようにコミュニケーションをとって良いのかわからず、異性と接することが苦手になる可能性があります。男子校や女子校に通う場合、共学校と比べ同年代の異性と接する時間や機会が極端に少ないため、異性と関わる経験を積むことができません。

そのため、中学・高校を卒業した後の大学生活や社会人生活において異性と関わる環境になった際、悩んでしまう可能性があります。

在学中に異性と関わることがないのは、勉強に集中できる環境である反面、社会に出た時に異性とのコミュニケーションがうまく取れず苦労してしまうことも考えられます。

価値観が偏る可能性がある

異性の価値観を極端に知る機会が少なくなるため、男性であれば女性にとって当たり前のことを知らずに成長していく可能性があります。

男子校や女子校であれば、異性と関わることがないため、メリットで挙げたように気を遣わずにのびのび生活できます。しかし、その反面、同性同士では問題がなかった会話や行動も、異性から見たら問題だと思われてしまうケースも少なくありません。男子校や女子校に通っていた学生からすれば、何が問題となったのかも分からないような、偏った価値観を持ってしまう可能性があります。

同性同士では問題なかったことも、年齢が上がるにつれて社会に出た際に大きな問題に発展してしまうこともあります。このように同性としか接していなかったあまり、価値観が偏ってしまうのは大きなデメリットでしょう。

身だしなみに気を遣わなくなる

校則に則った身だしなみはしているが、それ以外の部分で清潔感やモラル、マナー、異性を意識した容姿や身だしなみ(オシャレ)に気を使わずに、学校生活を過ごす可能性があります。

同性しかおらず、異性を意識する必要がないため、共学校に比べ身だしなみを意識する必要がありません。気の許せる仲間であり、身だしなみを意識しないのは楽なことでもありますが、楽をしすぎたあまり清潔感やモラルが無さすぎると、これも社会に出た際に苦労してしまう可能性が高いです。

社会人として働く際や恋愛する際、清潔感やモラル、マナーは必要不可欠です。そのため、男子校や女子校で自由が許される余り、身だしなみに気を遣わなくなってしまうことは、異性を意識しない男子校や女子校ならではのデメリットでしょう。

共学校を選ぶメリットとデメリット

共学校を選ぶメリットとデメリット

男子校・女子校のメリット・デメリットについて解説してきましたが、共学校にもメリット・デメリットが存在します。

どのような学校に進学すればデメリットを上回るメリットが享受できるのか、お子さんの性格に合うのかのヒントになれば幸いです。

共学校を選ぶメリット

共学校の場合、授業や課外活動をはじめ異性と会話をすることや、協力する場面が多くあります。

異性と一緒にさまざまな経験ができるため、必要以上に異性を意識することなく、適度な距離感で接する対人スキルが身に付きます。そのため、異性への苦手意識を持つ可能性が低く、人付き合いの幅を広く持つことが可能です。

社会に出た際には一般的な会社では性別関係なく同じ条件で働きます。学生のうちから異性との価値観で違いがあることを知れるため、社会に出た際にも柔軟な対応が可能です。異性に無駄に遠慮しすぎたりせず、自然に配慮ができたりと、接し方に悩まずに済む可能性があります。

また、異性がいることで、学校生活において良い刺激を受けられる場面も多くあります。行事などは、異性とお互いの長所を活かして協力することでより盛り上がることも多いでしょう。学業においても優秀な異性の存在が、大きな刺激となって学習意欲を向上させるケースも多く見受けられます。

共学校では、異性が共に生活するため、お互いの意見を尊重したコミュニケーション能力も身に付きます。恋愛だけでなく、異性とのさまざまな関わりは、社会に出た際に必要不可欠ですので、異性も存在する環境でのコミュニケーション能力が身に付けられるのは大きなメリットでしょう。

共学校を選ぶデメリット

中学校は思春期が始まる年齢であり、異性からの目を意識する学生も増えてきます。普段の学校生活を送る中でも、「男らしさ」・「女らしさ」を意識し過ぎるあまり、自分の素が出せないこともあります。

部長や生徒会長は男子がやるべき、マネージャーは女子がやるべきなどといった役割に対して性別のイメージが強く紐づいている場合や、日常生活の中でも、言動に性別のイメージがついている場合があります。

このようなイメージが強いと本当はやりたいことに手をあげられなかったり、周りからのイメージを考えて、言動が制限されることもあります。自分の意志が伝えにくい環境から、学校生活や共同生活を窮屈に感じてしまい、学校に行くことが嫌になってしまう可能性もあるでしょう。

この「男性らしさ」や「女性らしさ」は、いじめやからかわれることの原因にもなりえます。同性間でもいじめやからかわれることなどは同様にありますが、異性がいることでこれらのトラブルが発生する原因が多く存在します。

これらのいじめやからかいがストレスとなり勉強に集中できなくなってしまったり、生徒によっては学校に行くのが嫌になったりしてしまう可能性もあります。

塾を活用して合格率を上げましょう!

塾を活用して合格率を上げましょう!

中学受験において志望校が明確に決まっていない段階でも、塾に通い学力を上げておくことで、志望校が決まった際、学力が足りない、勉強する時間が足りないと手遅れになることを防げることがあります。

早い段階で塾に通うことで、独学で学ぶよりも効率よく学習できるため、志望校への合格の可能性が高くなります。

また、同じく中学受験をする仲間ができることで、さまざまな刺激や情報を受けられ、学力向上以外にも一緒に頑張る仲間ができ、モチベーションを維持できる可能性が高いでしょう。塾の卒業生からも実際の学校の様子を聞くことができ、ネット検索で知ることのできないようなリアルな情報を知ることもできます。

毎年、受験生と真剣に向き合って中学受験に取り組んでいる塾には、学力が向上する以外にも多くのメリットがあります。お子さんが楽しみながら、有益な情報を得て受験勉強に取り組むためにも、塾に通うことがおすすめです。

まとめ

【まとめ】中学受験をするメリットとデメリットとは

中学受験者数は、全国的に見ても、近畿地方だけを見ても、年々増加傾向にあります。

社会に出てからの大切だと考える価値観の変化や、コロナ禍による私立校と公立校の対応の差などから中学受験を考える家庭がこれからも増えていくことだと予想します。

中学受験をすることで、お子さんの将来性や個性を伸ばせたり、自分の求める教育や部活動がある学校に行けたりといった多くのメリットがあります。しかし、その一方でお子さんに中学受験に関する精神的な負担がかかったり、勉強以外に使う時間が減ったりといったデメリットも存在します。

塾を活用することで、学力を向上させて志望校への合格率をあげる以外にも、ご紹介したようなデメリットを解消したり、進学先を選ぶ上でも、有益な情報を提供できたりと様々な価値を提供することができます。

様々な面からメリットとデメリット、お子さんにとってどのようにしてあげるのが最も良いのか、当塾の提供する情報が良い選択をする助けになると幸いです。

クリエートベースは、大阪・梅田にて難関中学校への受験対策をおこなっている個別指導塾です。クリエートベースでは、授業形式ではなく、生徒が個別にテキストの問題を解くことを中心とした問題演習方式を採用しております。
「入試当日、確実に合格点をとれるように」を理念として、クリエートベースをご活用いただいた受験生・保護者が望む結果に向けた指導をしております。難関中学校の受験をお子様へとお考えの方は、クリエートベース公式LINE、もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。

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