集団授業の学習塾にはどのような特徴があるのか。個別指導塾との違いは何か。学習塾を選ぶ時はどのような点に気をつけるべきか。
本記事をご覧の方は、集団授業の学習塾について様々な疑問や悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、集団授業の学習塾について、以下の5点を解説していきます。
- 集団授業塾と個別指導塾の違い
- 集団授業塾や個別指導塾のメリット・デメリット
- 集団授業塾や個別指導塾に向いているお子さんの特徴
- 学習塾選びのポイント
- 個別指導塾と集団授業塾の併用について
本記事をご覧いただければ、集団授業塾・個別指導塾の特徴や違いを理解し、お子さんに合った最適な学習塾を選べるようになります。
学習塾のメリットを活かして成績アップにつなげられるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
集団授業塾と個別指導塾の違い
同じ学習塾でもさまざまな違いがあります。本記事では集団授業塾・個別指導塾の違いをわかりやすく理解するために、この二つの形式の学習塾に絞りさまざまな面から比較をします。
集団授業塾 | 個別指導塾 | |
授業形態(講師:生徒の比率) | 1:10〜数十人 | 1:1〜4人 |
授業ペースとカリキュラム | ・クラスの平均的な理解度を中心に進める ・カリキュラムは固定 | ・生徒一人ひとりの学習ペースに合わせて進める ・カリキュラムは柔軟 |
費用 | 安め | 高め |
学習環境 | 仲間と切磋琢磨できる | 自分のペースで学習できる |
集団授業塾・個別指導塾の違いがわからず、どの学習塾を選ぶか迷っている方は、まず2つの違いを把握しましょう。
授業形態
集団授業塾と個別指導塾で大きく異なるのは授業形態です。具体的には、講師に対する生徒数が違います。
集団授業塾は、講師1人に対して10〜数十人の生徒がいます。ひとつの教室に生徒が集まり、同じ授業を受けるのが基本です。多くの集団授業塾ではプロ講師が指導を行うため、積極的な質問や予習・復習をすることで大幅な学力の向上が期待できます。
一方で、個別指導塾は講師と生徒が1対1のマンツーマン指導、もしくは1対2〜4の少人数指導です。講師が生徒一人ひとりに直接指導するため、勉強が苦手なお子さんでもきめ細やかなサポートを受けられます。少人数指導の場合も、講師が生徒の机を巡回しながら順番に個別指導します。
授業ペースとカリキュラム
授業ペースとカリキュラムも、集団授業塾と個別指導塾で大きく異なる部分です。
集団授業塾では、規定のカリキュラムに沿って授業を進めます。いつ・何の単元を・どのように勉強するか事前に決まっていて、各科目の体系的な学習が可能です。集団授業塾の授業は、生徒数が多いと学力別にクラスが分けられ、各クラスの平均的な理解度を中心に一定のペースで進められます。
一方で、個別指導塾のカリキュラムは、生徒一人ひとりに合わせたオーダーメイドです。カリキュラムを柔軟に設定することで、苦手分野や点数を伸ばしたい科目を重点的に勉強できます。また、個別指導塾は授業ペースも自由です。苦手分野はペースを落として勉強し、得意科目はスピード重視で授業を進めるなどの対応で、常に最適な指導を行えます。
費用
集団授業塾と個別指導塾は、費用面でも違いがあります。以下の表で、小学生が週2回ペースで通塾した場合における、集団授業塾・個別指導塾の月額授業料をまとめました。
集団授業塾 | 個別指導塾 | |
月額授業料 (週2回・月8回の通塾) | 約4,000〜15,000円 | 約22,000〜30,000円 |
月額授業料は、個別指導塾よりも集団授業塾のほうが安めです。ただし、詳しい費用は学習塾によって異なるため、入塾前に確認しましょう。
また、集団授業塾・個別指導塾では授業料の他に、入会金や特別講習費なども支払う必要があります。学習塾を選ぶ際は、授業料を含むトータルの費用を把握することも、無理なく利用し続けるためには大切です。
学習環境
集団授業塾・個別指導塾は講師1人に対する生徒数が異なるため、学習環境にも大きな違いが出ます。
集団授業塾は、ひとつの教室に数十人の生徒を集めることで、互いに切磋琢磨し合いながら学習意欲を高められる学習環境です。多くの集団授業塾では、学力別のクラス分けや定期的な実力テストを実施しているため、生徒の競争心を刺激できます。
一方、個別指導塾はマンツーマン指導や少人数指導が基本になるため、周りのペースを気にせず授業を進められます。わからない部分があっても人目を気にせず講師に質問することで、疑問をすぐに解消できます。競争が苦手なお子さんは、個別指導塾のほうがモチベーションを高められるでしょう。
集団授業塾のメリット・デメリット
集団授業塾のメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | デメリット |
・切磋琢磨できる環境 ・プロフェッショナルな指導 ・体系的なカリキュラム ・低コスト ・集団スキルの向上 | ・個別対応の限界 ・ペースについていけないリスク ・学校授業との重複 ・過度なプレッシャー ・スケジュールの柔軟性不足 |
集団授業塾ではハイレベルかつ効率的な勉強を進められる一方、お子さんの性格や学力に合わなければ心理的な負担が大きくなる可能性があります。
集団授業塾のメリット
集団授業塾のメリットは、以下の5つです。
- 切磋琢磨できる環境
- プロフェッショナルな指導
- 体系的なカリキュラム
- 低コスト
- 集団スキルの向上
集団授業塾を利用すると、費用を抑えつつ高い学力や集団スキルを身に付けられます。
切磋琢磨できる環境
集団授業塾のメリットは、同じ教室で学ぶ仲間と互いに切磋琢磨できることです。友達が勉強に励む姿を見ることで「自分も頑張ろう」とモチベーションを上げられます。定期的に行われる実力テストや模試も、お子さんの競争心が芽生えるきっかけになるでしょう。
このように、集団授業塾で互いに刺激し合えるライバルができると、学習意欲が高まり成績の向上が期待できます。
また、集団授業塾の学習環境は、お子さんの勉強スピード向上にも効果的です。集団授業塾では、周りのペースに合わせて授業についていかなければなりません。その過程で他の生徒が問題を解くスピードを体感できるため、お子さんも自然と素早く答えを導き出せるようになります。
プロフェッショナルな指導
集団授業塾では、経験豊富な講師によるプロフェッショナルな指導で安定的に学力を伸ばせます。
質の高い集団授業をするためには、数十人の生徒を講師に注目させ、同じ学習内容を同じように理解させられる指導スキルが必要です。そのため、多くの集団授業塾では指導力が高いプロ講師を採用する傾向にあります。
プロ講師の授業によって学習内容をスムーズに理解し、成績アップにつなげられる点は集団授業塾のメリットです。講師の高い指導力で好奇心が刺激されると、より興味を持って楽しく勉強に取り組めます。
また、経験豊富なプロ講師は、受験情報や勉強ノウハウを数多く持ち合わせている場合もあります。戦略的に受験対策を進めたい方には、集団授業塾がおすすめです。
体系的なカリキュラム
集団授業塾は、長年の経験と分析に基づいて作成された体系的なカリキュラムで学習を進められる点もメリットです。
集団授業塾のカリキュラムは、クラス別に設定することが多く「いつ・何を学ぶのか」「どれくらいのペースで授業を進めるのか」を細かく決めます。
カリキュラムの難易度はクラスによって異なりますが、どれも受験に向けて効率良く学習範囲を網羅できる内容になっています。年間を通してカリキュラムが大幅に変更されることはないため、学習計画や目標を立てやすいでしょう。
ただしカリキュラムが固定されている分、意識的に勉強しなければ授業に遅れを取る可能性があります。授業中は講師の話を真剣に聞き、疑問点があれば積極的に手を挙げて質問しましょう。
低コスト
集団授業塾は、個別指導塾に比べて授業料が安い傾向にあります。プロフェッショナルな指導を低コストで受けられるのは、集団授業塾の魅力です。
ただし、集団授業塾を利用する際は毎月の授業料を事前に確認し、無理なく通えるコースを選びましょう。
たとえば中学受験対策をする場合、4〜5年生であれば通う頻度は週1〜2回、指導教科は国語・算数が中心になるため授業料もそこまで高くありません。しかし、6年生になると通塾回数や科目数が増え、月額授業料も高くなる傾向です。
また、集団授業塾には入会金や教材費、施設維持費や模試代などの諸費用もかかります。
集団授業塾を選ぶ際は、通常料金が低コストであったとしても、その他の料金体系をしっかり確認しておくと良いでしょう。
集団スキルの向上
集団授業塾に通うと、協調性やコミュニケーション能力といった将来役立つスキルも身につけられます。
集団授業塾にはさまざまなタイプの生徒が集まるため、時には性格や考え方の違いから仲間と衝突するかもしれません。しかし、他の生徒と一緒に過ごす時間を通してコミュニケーション能力を磨けるのは大きなメリットです。
また、集団授業塾ではグループワークやディスカッションを取り入れ、生徒同士で学びを深める場面もあります。異なる視点や意見に触れながら、仲間と協力して答えを求める過程で協調性も養われるでしょう。
このように、集団授業塾では他生徒との交流を通して、勉強だけでは学べない集団スキルを高められます。
集団授業塾のデメリット
集団授業塾のデメリットは、以下の5つです。
- 個別対応の限界
- ペースについていけないリスク
- 学校授業との重複
- 過度なプレッシャー
- スケジュールの柔軟性不足
集団授業塾は個別指導塾に比べると、一人ひとりの生徒に合わせた柔軟なサポートが難しい傾向にあります。
個別対応の限界
集団授業塾は1人の講師が数十人の生徒を担当するため、一人ひとりに目が行き届かず細かな対応が難しくなってしまいます。
また集団授業塾は、限られた時間の中で決まったカリキュラムの授業を進めなければなりません。そのため、個別対応の時間を十分に確保できず、学習内容を十分に理解できなかった生徒が勉強に遅れを取る可能性が出てきます。
集団授業塾を利用する際は、個別対応に限界がある事情を考慮した上で、苦手分野を自力で克服するための工夫をしましょう。具体的には「授業の前後で講師に質問する」「自宅学習での復習を徹底する」などの方法が挙げられます。
自習室に専任の講師が配置されているようなサポートのある集団授業塾を選ぶのも一つの手です。
ペースについていけないリスク
集団授業塾は、授業ペースについていけないリスクがあるのもデメリットです。勉強が苦手なお子さんの場合、授業ペースが早く学習内容が難しく感じるかもしれません。
授業についていくのが難しいお子さんには、講師のフォローが必要です。しかし、集団授業塾は個別対応の時間を十分に取れない傾向にあります。そのため、一度授業についていけなくなると、苦手分野が増えて学習意欲や成績の低下につながるでしょう。
集団授業塾のペースについていけるか不安な場合は、複数の講師が一つの授業を担当する塾を選ぶのがおすすめです。講師が複数人いれば、理解に困っている生徒への個別指導もできるため、授業に遅れるリスクを減らせます。
学校授業との重複
集団授業塾のカリキュラムは、学校の授業と重複する場合もあるため注意が必要です。同じ学習でも指導内容が違うと、お子さんが混乱する可能性があります。
たとえば、算数の「速さ」を学習する時、集団授業塾では「きはじ(距離・速さ・時間)」などの公式を覚えるように指導し、学校では公式に頼らない計算方法を教えたとします。すると、2つの授業を受けたお子さんは、どちらの計算方法を選べば良いのかわからず、かえって問題を解けなくなるかもしれません。
指導内容の違いで混乱が生じると、お子さんが自信を持てず勉強嫌いになることも考えられます。
集団授業塾と学校の学習内容が重複する場合は、講師に相談したり自宅で復習したりして、自分に合った解法を身につけることが大切です。
過度なプレッシャー
集団授業塾は、周りの生徒と競い合いながら互いにモチベーションを高められる点が大きなメリットです。しかし、お子さんの性格によっては集団授業塾の学習環境が過度なプレッシャーとなり、ストレスや不安を感じる原因になってしまいます。
たとえば、多くの集団授業塾で実施している成績の貼り出しは、お子さんの性格によってはモチベーション低下を招く要因の一つになります。負けず嫌いのお子さんには効果的ですが、もともと勉強が苦手なお子さんにとっては、さらに自信を喪失させる可能性があります。
集団授業塾での学習がプレッシャーになる場合は、個別指導塾の利用を検討しましょう。周りの生徒と比較する機会が少ないため、過度なストレスや不安を抱えずに勉強を進められます。
スケジュールの柔軟性不足
集団授業塾のカリキュラムは固定のため、生徒一人ひとりのスケジュールに合わせた柔軟な対応が難しい点もデメリットです。体調不良や家庭の事情などで急遽欠席しなければならない場合でも、授業日を変更してもらえる可能性は低いでしょう。
塾によっては、欠席した分の授業を別日に行う「振替授業」の制度もあります。しかし、大抵の場合は「別クラスの授業に参加する」「講師が個別で短時間の補習をする」などのパターンが多く、欠席した授業の内容をそのまま受けられるわけではありません。
また、授業の欠席理由や講師のスケジュール次第では、振替授業を受けられない可能性があります。集団授業塾を選ぶ際は、授業を欠席した際に振替授業を受けられるか、何か必要な条件はないかを事前に確認しましょう。
個別指導塾のメリット・デメリット
個別指導塾のメリット・デメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
・個人に最適化された指導 ・集中的な苦手科目対策 ・質問しやすい学習環境 ・講師を自由に選択可能 ・柔軟なスケジュール調整 | ・講師の質のばらつき ・競争意識が芽生えづらい ・情報交換がしづらい ・授業料が比較的高い ・自主学習スキルが育ちづらい |
個別指導塾は、生徒一人ひとりに合わせて柔軟に対応できるサポート体制が整っています。ただし、ある程度の計画性や自主性がなければ目標を達成できない可能性があるため注意が必要です。
個別指導塾のメリット
個別指導塾のメリットは、以下の5つです。
- 個人に最適化された指導
- 集中的な苦手科目対策
- 質問しやすい学習環境
- 講師を自由に選択可能
- 柔軟なスケジュール調整
個別指導塾では、自分のペースに合った学習方法で確かな学力を身につけられます。
個人に最適化された指導
個別指導塾は、生徒一人ひとりに合わせたオーダーメイドのカリキュラムを作成することで、個人に最適化された指導を行える点がメリットです。一度作成したカリキュラムは、生徒の理解度に応じて柔軟に変更できるため、授業に遅れる心配もありません。
集団授業塾は一定のペースで授業を進めるため、勉強についていけず苦手意識を感じる可能性があります。しかし、個別指導塾であれば、一人ひとりのお子さんが十分に学習内容を理解できるペースで教えてくれるため、安心して勉強に取り組めるでしょう。
勉強のペースや苦手分野は人によって違うものです。個別指導塾を利用することで、自分に合った学習方法や勉強ペースで着実に学力を伸ばせます。
集中的な苦手科目対策
個別指導塾のカリキュラムは柔軟に設定できるため、集中的な苦手科目対策にも効果があります。特定の科目や単元に絞って重点的に学習することで、内容理解を深められるでしょう。
たとえば同じ算数の学習でも、個別指導塾であれば「比と割合」は問題演習を中心に進める、「平面図形」や「空間図形」は教科書をもとに復習するなどの対応が可能です。単元ごとの理解度に合わせた学習方法を選ぶことで「わかった」「できた」という成功体験が増え、学習意欲を高められます。
苦手科目対策によって基礎学力がつくと、基本問題はもちろん応用問題も難なくクリアできるようになるため、大幅な成績アップが期待できます。
質問しやすい学習環境
講師に質問しやすい学習環境も、個別指導塾のメリットです。勉強でわからない部分があっても、すぐ講師に質問することで理解を深められるため、短期間で苦手分野を克服できる可能性があります。
マンツーマン指導を実施してる個別指導塾であれば、講師が隣で勉強の様子を見ながら、授業の受け方やノートの取り方に関するアドバイスもしてくれます。正しい勉強方法を理解することで、さらに効率よく学習できるでしょう。
また、少人数指導の個別指導塾でも、常に講師は近くにいるため気軽に質問できます。マンツーマンに比べると個別指導の時間は減りますが、自分以外の生徒が同じ空間にいるため、適度な緊張感を持って勉強に取り組めます。
講師を自由に選択可能
個別指導塾は講師を自由に選べる傾向にあります。そのため、相性の良い講師に出会えると高いモチベーションを維持しながら学習できるでしょう。
講師とお子さんの相性を見極めるポイントは、以下の2つです。
- 円滑なコミュニケーションを取れているか
- 子どものやる気を引き出せているか
その他、お子さんの特性に合わせた指導をしているか、理解度を把握しているかなども確認しましょう。入塾前に体験授業を利用すると、実際に指導する様子を見ながら判断できます。
なお、個別指導塾は講師の途中変更も可能ですが、必ずしも希望通りになるとは限りません。また、講師の変更が多いと、お子さんの負担になる可能性もあるため注意が必要です。
柔軟なスケジュール調整
個別指導塾は、生徒のライフスタイルに合わせて柔軟にスケジュールを調整できる点もメリットです。
習い事などで急な予定変更が多いお子さんは、個別指導塾に通うことで時間に縛られるストレスを軽減できます。カリキュラムが固定ではないため、好きな曜日や時間帯での受講も可能です。
授業を欠席した場合の振替授業についても、個別指導塾では基本的に担当講師が対応します。ただし、担当講師のスケジュールが合わなければ、違う講師の授業を受けることになるため注意しましょう。
また、中には振替授業を有料で実施する個別指導塾もあります。授業を欠席した場合の対応や新たに発生する費用については、入塾前に確認することが大切です。
個別指導塾のデメリット
個別指導塾のデメリットは、以下の5つです。
- 講師の質のばらつき
- 競争意識が芽生えづらい
- 情報交換がしづらい
- 授業料が比較的高い
- 自主学習スキルが育ちづらい
個別指導塾は集団授業塾に比べてコストがかかること、学習面以外の能力が育ちにくいことが主なデメリットといえます。
講師の質のばらつき
個別指導塾のデメリットは、講師の質にばらつきが出やすい点です。
一般的に、個別指導塾の講師は学生やアルバイトが多い傾向にあります。そのため、個別指導塾では経験年数の浅い講師がお子さんを担当する可能性が高く、思うような成果を得られないかもしれません。
個別指導塾で講師の質を重視する場合は、入塾前に「プロ講師の指導を受けたい」「志望校の合格実績が高い講師に担当してもらいたい」などの要望をはっきりと伝えましょう。
また体験授業を利用して、一方的な指導になっていないか、お子さんがスムーズに内容を理解できているかなどをチェックすると、講師の指導力を見極められます。
競争意識が芽生えづらい
個別指導塾の授業形態は、マンツーマン指導が基本スタイルです。少人数指導の場合も、生徒は一人ずつ区切られたスペースの中で勉強します。そのため、互いに切磋琢磨できる仲間の存在がなく、競争意識が芽生えづらい点がデメリットです。
集団授業塾の場合は、友達と成績を競い合う中で「負けたくない」「高得点を取りたい」という思いが強まり、学習意欲も向上します。しかし、個別指導塾では競争や比較の機会が少ないため、自力でモチベーションを維持しなければなりません。
個別指導塾で競争意識を持つためには、定期的に模試を受けて自分の相対的な実力を把握しましょう。全国のライバルと成績を比較することで、競争心が芽生えるきっかけをつくれます。
情報交換がしづらい
個別指導塾は他の生徒と交流する機会が少なく、学習方法や受験情報に関する情報交換がしづらい点もデメリットです。受験に有利な情報を知らないままでいると、同じ志望校を目指すライバルに差をつけられるかもしれません。
だからといって、自分で情報収集するのも限界があるでしょう。世の中には受験に関するさまざまな情報が溢れているため、何が正しい情報なのかがわからず、混乱する可能性があります。
個別指導塾で効率よく情報を集めるためには、指導実績の高い講師を選ぶのがおすすめです。経験値の高い講師は、受験情報や勉強ノウハウを豊富に持っています。効果の高い学習方法や、簡単に入手できない情報を教えてもらうことで、受験勉強を有利に進めましょう。
授業料が比較的高い
個別指導塾の授業料は、集団授業塾に比べて高く設定されているのが一般的です。そのため、科目数や通塾回数が多いと経済的な負担が大きくなる可能性があります。
授業料を安く抑えるためには、以下の方法で個別指導塾を利用しましょう。
- 授業時間が短いコースを選ぶ
- 必要な科目に絞って授業を受ける
授業時間が短いコースを選ぶと費用を抑えられます。お子さんの集中力に合わせて最適な授業時間を選びましょう。また、苦手分野や志望校対策に必要な教科など、科目数を絞って授業を受ける方法もおすすめです。
授業料以外の費用についても、体験授業や入塾前のカウンセリングを利用した際に確認しておきましょう。
自主学習スキルが育ちづらい
個別指導塾は、きめ細やかな指導が魅力である一方、自ら学ぶ力や時間管理能力が育ちづらい面もあります。通塾の目的や達成したい目標を常に意識し、前向きな姿勢で勉強に取り組むことが、個別指導塾で成績を伸ばすためには大切です。
個別指導塾で自主学習スキルを養うには、お子さん自身が学習計画を立てて勉強する形の授業をお願いしたり、宿題を多めに出してもらったりしましょう。
お子さんが自分の進捗を把握しながら学習計画を立てることで、学習意欲を高められます。宿題の量が多くなれば、お子さんは時間を意識しながら自主的に勉強を進めるでしょう。
適度なプレッシャーをかけることで、個別指導塾でも計画性や自主性を育めます。
集団授業塾・個別指導塾に向いているお子さん
集団授業塾・個別指導塾に向いているお子さんの特徴を、以下の表にまとめました。
集団授業塾 | ・基礎学力が身についている子 ・自主性と学習意欲が高い子 ・競争心が強く切磋琢磨できる子 ・コミュニケーション能力が高い子 ・難関校受験を目指している子 |
個別指導塾 | ・習い事と両立したい子 ・自分のペースで勉強したい子 ・基礎学力の向上や苦手科目の克服をしたい子 ・学校や集団授業塾に追いつきたい子 ・積極的に発言するのが苦手な子 |
お子さんの性格に合った学習塾を選べると、より高い学習効果を得られます。
集団授業塾に向いているお子さん
集団授業塾に向いているお子さんの特徴は、以下の5つです。
- 基礎学力が身についている子
- 自主性と学習意欲が高い子
- 競争心が強く切磋琢磨できる子
- コミュニケーション能力が高い子
- 難関校受験を目指している子
基礎学力が身についているお子さんは、一定のペースで進める集団授業塾の勉強にも無理なくついていけるでしょう。自主性と学習意欲が高いお子さんであれば、授業でわからない部分があっても自力で解決し内容理解を深められます。
お子さんの競争心が強いと、仲間と切磋琢磨し合うことで高いモチベーションを維持できます。また、生徒数が多い集団授業塾でも、コミュニケーション能力を活かして交友関係を築けば、さらに勉強が楽しくなるかもしれません。
難関校受験を目指しているお子さんも、集団授業塾に通うことで網羅的・効率的に勉強を進められます。
個別指導塾に向いているお子さん
個別指導塾に向いているお子さんの特徴は、以下の5つです。
- 習い事と両立したい子
- 自分のペースで勉強したい子
- 基礎学力の向上や苦手科目の克服をしたい子
- 学校や集団授業塾に追いつきたい子
- 積極的に発言するのが苦手な子
個別指導塾のカリキュラムは柔軟に設定・変更できるため、習い事にも力を入れたいお子さんに向いています。
自分に合ったペースで、基礎学力の向上や苦手科目の克服をしたいお子さんも、個別指導塾に通うことで、ストレスなく学習できるでしょう。納得するまでわからない部分を教えてもらえるため、内容理解が深まり学校や集団授業塾の勉強にもついていけるようになります。
積極的な発言が苦手なお子さんにも個別指導塾はおすすめです。講師に対して気軽に質問できるため、疑問をそのままにすることなく解決できます。
学習塾選びのポイント
お子さんに合った最適な学習塾を選ぶためには、以下5つのポイントを意識しましょう。
- 通塾の目的を明確にする
- 授業形態と学習環境がお子さんに合っているか
- 費用に負担がかからないか
- 安全性と通いやすさ
- 授業の質と実績
集団授業塾・個別指導塾どちらを選ぶ場合でも、授業料や講師の指導力に限らずさまざまな観点から総合的に判断することが大切です。
通塾の目的を明確にする
学習塾を選ぶ際は、まず通塾の目的を明確にしましょう。何のために通うのか、学習塾を利用することで何を達成したいのかを明らかにすると、候補を絞りやすくなります。
一般的に、学習塾に通う目的は以下の2つに分けられます。
- 学校の授業に追いつくため
- 受験対策をするため
学校の授業に追いつくことが目的であれば、補習がメインの集団授業塾や苦手分野の克服に特化した個別指導塾がおすすめです。
受験対策のために通塾する場合は、中学受験コースがある集団授業塾や、志望校の合格実績が高い個別指導塾を選びましょう。
通塾の目的を明確にする際は親御さんの考えだけでなく、お子さんの意思も尊重しながら家族で話し合うことが大切です。
授業形態と学習環境がお子さんに合っているか
学習塾選びでは、授業形態と学習環境がお子さんに合っているかどうかも重要なポイントです。講師の指導力や実績が高い学習塾を選んでも、授業形態や学習環境がお子さんの性格に合わなければ、思うような学習効果を得られません。
たとえば、お子さんが負けず嫌いで好奇心旺盛な性格の場合は、集団授業塾に通うことで積極的に授業に参加し、一気に成績を伸ばせる可能性があります。また、比較的マイペースで周りに気を取られず黙々と勉強するのが好きなお子さんであれば、個別指導塾が合っているでしょう。
学習塾を選ぶ際は、お子さんの性格を考慮した上で、集団授業塾と個別指導塾のどちらに入塾するか検討してみてください。
費用に負担がかからないか
一つの学習塾に通い続けるためには、経済的に無理のない範囲で利用することが大切です。学習塾を選ぶ際は、入塾前に料金体系を明確にして経済的負担が大きくならないか確認しましょう。
一般的に学習塾では、集団授業塾・個別指導塾どちらの場合も以下の費用がかかります。
- 授業料
- 入会金
- 教材費
- 特別講習費
- 施設維持費
- 模試代
自宅から遠い学習塾に通う場合は、交通費が別途必要になるかもしれません。
詳しい費用は学習塾によって異なるため、入塾前に必ず確認しましょう。時間や希望する科目などによって正確な費用が変わることもあるので、学習塾に直接問い合わせて担当者に具体的な話を聞くのがおすすめです。Webサイトやパンフレットだけでは把握しきれない部分も質問することで、より詳細な内訳やトータルの費用がわかります。
安全性と通いやすさ
学習塾を選ぶ際は、安全性と通いやすさも確認しましょう。特に通塾時は事故に巻き込まれる危険性があるため、学習塾の安全対策や立地を考慮して選ぶことが大切です。
たとえば、教室の入退室時にメール通知が届くシステムの学習塾を選ぶと、お子さんの動向を把握しやすくなります。防犯カメラや警備員などのセキュリティ面も整っていれば、さらに安心です。
学習塾の立地についても、一人で通える距離なのか、車通りは多すぎないか、街灯はあるかなどを確認します。自宅から遠い距離にある学習塾を利用する場合は、公共交通機関で通えるかどうかもチェックしましょう。
お子さんの安全が確保された学習塾を選ぶと、親御さんも安心して通わせることができます。
授業の質と実績
ある程度候補を絞り込めたら、体験授業に参加して授業の質と実績を確かめましょう。
体験授業に参加すると講師が実際に指導する様子を見れるため、お子さんの成績アップにつながる授業かどうかを見極められます。また、学習塾の詳しい実績は、体験授業後の面談で講師や担当者に質問することにより確認できるでしょう。
ただし、いくつも体験授業に参加すると、お子さんの負担やストレスが増えるかもしれません。そのため、事前に1〜2つ程度まで候補を絞り込んでから、最終確認として体験授業に参加するのがおすすめです。
また、参考資料として口コミも活用しましょう。実際に利用した人のリアルな意見を知ることで、入塾後のイメージをしながら慎重に判断できます。
個別指導塾と集団授業塾の併用はできる?
結論から言うと、個別指導塾と集団授業塾の併用は十分可能です。具体的には、以下の方法で必要だと感じる場合には2種類の学習塾を利用しましょう。
- 集団授業塾で理解しきれなかった部分を個別指導塾でカバーする
- 得意科目は集団授業塾で、苦手科目は個別指導塾で授業を受ける
- 集団授業塾で各教科の学習を網羅しながら、個別指導塾で志望校の入試対策を進める
個別指導塾と集団授業塾を上手く活用するためには、それぞれの長所と短所を補うことがポイントです。個別指導塾と集団授業塾の長所を最大限生かしながらもう片方で短所をカバーできるため、高い学習効果が得られます。
ただし、個別指導塾と集団授業塾を併用する際は、お子さんの心理的負担・家庭の経済的負担が大きくならないように気をつけましょう。
まとめ
本記事では、集団授業の学習塾についてご説明しましたが、特に大切なポイントは以下の3つです。
- 集団授業塾と個別指導塾にはさまざまな違いがあるため、それぞれのメリット・デメリットを把握した上でお子さんに合った学習塾を選ぶことが大切
- 学習塾を選ぶ際は、まず通塾の目的を明確にし、費用面・安全面などの観点から総合的に判断すると良い
- 個別指導塾と集団授業塾の長所と短所を補う形で併用すると、高い学習効果を得られる
集団授業塾に限らず個別指導塾の利用も視野に入れることで、より一層お子さんにとって最適な学習塾を選びやすくなるでしょう。
本記事の内容をもとに、お子さんが効率よく勉強を進められる学習塾を見つけ、成績を伸ばせるよう心からお祈り申し上げます。