中学受験を検討していたり、すでに勉強に取り組んでいたりする親御さん、お子さんは、国語に対していつからどのように勉強すれば良いのだろうか、どのように勉強したら点数が伸びるのだろうか、と悩みながら日々を過ごしている方も少なくないでしょう。
日々、国語の勉強を頑張っていても、問題が解けずに国語に対して苦手意識を持ってしまったり、模試や過去問を解く際にどうしても時間が足りないと感じたりしているお子さんもいらっしゃるでしょう。
中学受験において重要科目といわれている国語にも、単元別に見ればしっかりと点数を伸ばすことにつながる勉強法や対策があります。一度しかない中学受験で間違えた勉強法で学習することは、非常にもったいない時間を過ごしてしまうことになります。
記事の前半では、中学受験の国語はどのような理由から重要科目なのか、最近の入試の出題傾向はどのようなものなのか、いつから本格的な勉強をし始めるのが良いのかといった受験情報をご紹介しております。
記事の後半では、国語が苦手だと感じているお子さんの原因とその解決方法、試験の時間が足りないことへの対策、単元別の勉強方法・試験方法も含めわかりやすく解説していきます。中学受験で国語についてお悩みの親御さんは、ぜひご参考になさってください。
目次
中学受験で国語も重要科目である
中学受験において、科目別に優先度をつけるとすると算数が最も重要な科目であり、次いで国語が重要になります。その理由は、入試ではこれらの科目を使って受験する可能性が高いことと、試験の配点が理科、社会などと比べて高く設定されている学校が多いからです。
また、国語の読解力や語彙力を強化することで算数や理科など、他の科目の問題内容を正確に理解できるようになり、題意を把握するスピードも早くなります。
国語は暗記により解ける問題の全体に占める割合は比較的少なく、適切な対策をしなければ入試で高得点を取ることが難しい科目です。また国語で重要な読解力や語彙力は短期間では身につきにくいため、早いうちから対策を始め、他の受験生と差をつけたい科目でもあります。
中学受験で国語が重要な科目だといわれている理由を、以下で詳しく説明いたします。
多くの学校や入試パターンで国語を使う可能性が高い
中学受験が行われている学校によって試験の対象科目が変わります。中学入試では、2科目型でも4科目型でも国語が含まれているのが一般的です。
最も一般的な中学入試は3科目型で、科目は国語・算数・理科です。3科目型受験の定型の入試パターンを採用している学校の他に、科目数は各学校ごとに指定されていることもあります。
複数の入試科目の中から自身で選ぶことができたり、1〜4科目型の中で科目数も科目も決まっている学校があったりと様々なパターンがあります。近年、首都圏では英語による受験も可能な学校がありますが、その数は今のところ少ないものです。
1科目入試の場合、国語か算数のいずれかを選択する場合が多いです。そのため中学受験では、入試科目となる可能性の高い国語や算数を重点的に対策することが一般的となっています。
中学受験の際に避けて通れない国語だからこそ、早くから本格的な勉強を始めて、苦手な部分をなくしていけるように対策を行うことが求められます。
国語の配点の割合が高くなる傾向がある
学校によってはどの科目も同じ配点に設定されており、科目による配点の違いがない学校もあります。しかし、特に難関校では配点に傾斜をつける傾向があり、国語と算数の配点を高く設定している学校もあります。
難関中学と呼ばれる学校の具体的な配点の例は下記のようになります。
- 灘中学校:国語200点、算数200点、理科100点
- 東大寺中学校:国語120点、算数120点、理科80点、社会80点
- 洛南高等学校附属中学校:国語150点、算数150点、理科100点、社会100点
このように配点が科目により異なると、配点の高い科目で大きく失点をしてしまうと他の科目でカバーできなくなり、大変苦しい状況になってしまいます。
また、一部の学校では、2段階で入試合格者を判定している場合もあり、その1段目に国語・算数が採用されていることもあります。
これらの配点基準や科目による配点の違いは学校によって変りますので、志望校に合わせて勉強法や勉強時間を計画する必要があります。
国語力のアップは他科目の理解を助ける
国語の問題を解くにあたって、重要な能力は読解力と語彙力です。この読解力と語彙力は国語の点数を大きく左右するものですが、同様に算数や理科などの問題を解く際にも重要な能力となります。
近年の中学受験の問題は科目に限らず長文化しているため、問題文をしっかりと読み、理解することが必要になります。問題文でなにが問われているのかを理解することができれば算数や理科の問題の正答率も高くなります。
国語が得意なお子さんは、長い文章でも素早く正確に読み取る力があり、様々な語彙への理解で、問題を解く際にも具体的なイメージを持ちやすくなります。また、問題を解くスピードも早くなり、正確さも高くなります。
難関校になるほど長文化の傾向は強くなり、文章問題の割合も多くなります。国語力をアップさせることが他科目の理解を助けてくれるからこそ、総合的な力を伸ばすことにもつながるのです。
最近の中学受験における国語の出題傾向とは
最近は中学受験だけでなく、高校受験や大学受験であっても国語の出題傾向に変化が見られます。特に、難度の高い偏差値65〜70前後の中学校では、その変化が顕著です。
時代によって入試の出題傾向は変わっていきます。それに必要以上に振り回されることは良くありませんが、最新の出題傾向を確認して、それに適した勉強をする必要があります。最近の中学受験の国語の問題には、下記のような3つの出題傾向があります。
- 問題数の増加
- 思考力を問う問題の増加
- 計算・図表の問題の増加
これらの出題傾向の変化に対して、受験生に影響があるか、どのような対応が求められているかを説明していきます。
問題数の増加
近年の中学受験は、全体的に問題数が増加傾向にあります。決められた時間のなかで、いかに早く正確に文章を理解し、正解を導き出すかが以前にも増して求められています。
この問題数の増加が、後に説明する「中学受験の国語は時間が足りない」につながります。時間が足りないことに関する原因と解決方法はそちらで説明していますが、時間が足りないことの原因は、単純に同じ試験時間にも関わらず、問題数が増えたことにあるかもしれません。
勉強する際には問題が正しく解けたかどうか以外にも、問題を解くのにかかった時間も意識しながら勉強を進めていくことをおすすめします。日頃からスピードを意識して勉強に取り組んでいると、文章を正確に読むスピードも、問題を解くスピードも早くなり、時間が足りないという問題に悩まされることも少なくなるかもしれません。
思考力を問う問題の増加
中学受験の国語の傾向の2つ目として、思考力を問う問題の増加が挙げられます。
単純な知識を問う問題は少なくなり、自分の考えが解答に必要になったり、どうしてそう考えたのかを求められる問題が増えています。例えば、小論文のテストにおいてもあなたの意見を述べてまとめなさいといった問題が多くなり、ただ答えを問うものではなくなっています。
これは、大学入試が大幅に改革されたことや、受験で適性検査も含めた問題を取り入れるようになったことも関係しているといわれています。
記述問題は、配点が高い一方で苦手としているお子さんも多く、差がつきやすい部分でもあるため、思考力を問う問題への対策は重要になります。
計算・図表の問題の増加
近頃の中学受験では、教科横断型と呼ばれる問題も増えています。これは教科に関わらず計算や図表の問題を取り入れ、それらの読み取りができないとなかなか読解できない問題のことを指しています。
科目を分けて考えるのではなく、総合的な学習能力が求められるようになっています。国語の試験に出てくる計算・図形の問題に慣れていないと、いざ入試本番となったときに慌ててしまうこともあるかもしれません。
問題自体はそこまで難しいものではないにも関わらず、慌ててしまうと本領を発揮できないことがあります。普段から、計算や図表が含まれている問題に慣れておくことや、そういうタイプの問題について考える癖をつけるようにしておくことも大切です。
中学受験のための国語の勉強はいつから始めるべき?
中学受験で重要な国語の勉強はいつから始めるべきなのでしょうか。特に国語では、つまずくお子さんが多いため、早い段階から取り組み、苦手意識を持たないような工夫をしてあげたいと思われる親御さんも多いでしょう。
一般的には、受験勉強は4年生から始めるケースが多くなります。これは、大手集団指導塾が3年生2月からカリキュラムをスタートする時期であることが関係しています。中学受験の国語の勉強は、子どもが受験に向けて勉強を始めたら最初に取り組むことが最適であると考えています。
本格的な受験勉強は4年生から
本格的な中学受験の勉強は4年生から始める場合が多くなります。その理由は前述のように、大手集団指導塾のカリキュラム開始のタイミングが、3年生の2月であることです。
中学受験で志望校に合格するには、各科目の必要な用語を暗記したり、解くことができるようになる必要があり、また難関校であるほど問題も複雑化して様々な応用問題も解けるようになる必要があります。中学受験に必要なこれらの勉強を網羅するには、約3年はかかると考えられているため、4年生から勉強を始めることをおすすめします。
学年が上がると算数など主要科目の難度も上がり、徐々についていけなくなるお子さんが出てきます。さらに理科や社会などの科目を勉強する必要も出てくるため、国語に集中して割ける時間が減ってきてしまいます。
そして、短期間で国語の学力をあげることは難しいため、早くから国語の勉強を始めて余裕をもって取り組むことが望ましいのです。
低学年のうちに取り組んでおきたいこと
本格的に中学受験の勉強を始める前に、読み書きの基礎と机に向かって勉強する習慣を身につけることが大切です。
1日10分でもいいので、毎日勉強する時間を作ることで、本格的な受験勉強が始まっても勉強することに抵抗がなくなります。また、読書の習慣を作り、読書を通してたくさんの文章に触れておくと、活字を読むことにも慣れ、集中力や思考力を養うこともできます。
また、親子の会話のなかでも、読んだ本を通して、どんな内容だったのか、登場人物を通して何を思ったのかについて話してみましょう。内容を理解できていないと本を読んだ後でも簡単な質問に答えられません。もし答えられなかったり、間違った答えが返ってきた場合には、一緒に読み直し確認してみましょう。
勉強ができるようになることを、一緒に楽しみながらできるのはとても良いことです。指導するという意識ではなく、お子さんと一緒に読書を楽しみ、その本について楽しく会話をするという姿勢で接してみましょう。
国語ができない、苦手な子は何が原因?
国語の点数が思うように伸びないお子さんに対して、どうしたらいいのか戸惑っている親御さんもいるのではないでしょうか。国語が苦手なお子さんは何が原因なのでしょうか。
やみくもに勉強量を増やしても解決にはつながらず、国語に対しての苦手意識が強くなってしまったり、受験勉強全体のモチベーション低下にもつながってしまいます。
一言で国語ができない、苦手といってもその原因は様々です。一人ひとりの原因を探ってみると下記のような原因が当てはまるようです。
- 活字に苦手意識がある、文章を読み切る力がない
- 語彙力が足りず、文章を理解できない
- 正しい文章の解き方、問題の解き方が身についていない
- 記述が上手に書けない
- 時間配分が間違っている
それぞれの原因に対して、なぜこのようなことが起こってしまっているのか、その対処法を説明していますのでご覧ください。
活字に苦手意識がある、文章を読み切る力がない
中学受験で国語の力が伸びない原因として、活字に対して苦手意識があり、無意識のうちに避けてしまっているケースも少なくありません。そのため、長い文章を前にすると読み切る力がなく、国語の点数が伸びなくなってしまっている可能性があります。
国語の問題を解くには、その土台になる語彙力が欠かせません。今の子どもは全体的に語彙力が弱いともいわれており、活字に触れる機会も少なくなっています。本・新聞など文章に触れる機会が減り、文章を少なくした視覚的な情報や動画などに多く触れているとこのような状況に陥ります。
これに対しては、まずお子さんが自分で興味を持ち読みたいと思える本を読んでみることです。慣れてきたら徐々に難しい本や長い文章の本などに挑戦するようにしていくと、読書を楽しみながら活字に対しての苦手意識も次第になくなっていきます。
また、親御さんご自身が本を読む姿勢を見せることで、お子さんも本を身近に感じられるようになります。本を読んでいる親御さんの姿を見て、本を読むことが日常で当たり前のことだと感じながら育ち、また、「本を読むのは面白いのかな?」と興味を持つきっかけにもなります。活字に触れる機会が少なくなっているからこそ、身の回りの生活の中で活字に触れるチャンスを増やしていきましょう。
語彙力が足りず、文章を理解できない
国語の問題を解くには、語彙力の積み上げが必要です。語彙力には、言葉を理解することの他に、適切に使いこなす能力も含まれています。
中学受験では長文を正確に読む力が求められますが、語彙力が不足していると、文章を読んでいる途中でわからない言葉が出てくることになり、どんな意味か理解できないまま読み進め、解答することになります。これでは正解することが難しいのもあたりまえです。
語彙力があるからこそ、読解力がついてくるともいわれています。お子さんの語彙力が足りないと感じたときは、まずは知らない言葉をそのままにせず、調べる癖をつけるようにしていきましょう。語彙力に関しても、本を読むことや、多くの問題に触れることで、少しずつ養っていくことができます。これらは時間がかかることですので、語彙力の強化も先を見据えて対策をとりたいものの一つです。
また、つい口癖で使ってしまいがちな「やばい」「うける」などの口語的すぎる言葉は使わないように意識を変えていきましょう。これらの様々な意味を含む言葉を多用すると、自分の考えや感じたことを的確に表現することができず、国語の問題を解く際にも適切な言葉が出てこなくなり、中学受験にとってはマイナスになってしまいます。
正しい文章の読み方、問題の解き方が身についていない
中学受験の国語では、正しい問題の解き方を身につけることも欠かせません。国語でもコツコツ積み上げてきたものを基礎力として、応用力も含め問題に向き合っていくことが大切です。
そのためには、文章の言わんとすることがどこにあるのかを時間をかけずに理解することが求められます。問題を解くことばかり考えてしまい、文章を読むことに集中できていないと時間もかかってしまいます。
また、なんとなく文章を読むのではなく「主題はなにか?」を考えテーマを掴むようにしましょう。各段落についても、何について語られている段落なのか、この段落で最も言いたいことは何なのかを見つけるようにします。
設問の答えは、本文のなかに必ずあります。出題パターンにも傾向があるため、分析をしつつ正しい問題の解き方を身につけましょう。
記述が上手に書けない
記述問題とは、問いに対して、自身の考えなどを書く場合や、出題された文章の中の設問について適切な内容を文章で答える出題形式になります。慣れていないと、何を書けばよいのかわからなかったり、解答内容は何となく頭に浮かんでいるが文章としてまとまらず、どこから手をつけていいのかわからなくなってしまうお子さんも少なくありません。
他の形式の問題よりも配点が高いことも多く、教育改革でも記述が重要視されています。上手に書けないからと記述問題を諦めるのではなく、解き方を知っておく必要があります。出題された問題文を正確に読み取るようにしましょう。
文章の内容を理解しないままで読み進めてしまうと、文章を読むのに時間がかかってしまうこともあり、再度読み直しが必要になってしまうこともあります。解答を作るときも、いきなり文章を書き始めるのではなく、全体の見通しを立てて臨むようにしましょう。
日本語は文末に結論を書くのが一般的です。文末にどんな言葉がくるのかを決めたうえで全体の見通しを立てていくようにしましょう。
時間配分が間違っている
国語が苦手な子どもに多いのが、試験で時間配分を間違えてしまっているケースです。文章を読み解くのに時間がかかってしまい、最後の問題までたどり着けずにタイムアップになってしまうケースも少なくありません。
国語に限らず、入試では考えてもわからない問題は飛ばしつつ、確実に答えられる問題で得点することも必要です。この判断がうまくできないと、最後までたどり着けなくなってしまいます。
国語の時間が足りなくなってしまうのは、国語が苦手だからという理由だけではありません。前述の通り問題の数が増え、文章が長文化しているため国語で点数がとれている他の受験生も時間がないと感じています。
しかし、点数の差が生まれる原因の一つに、文章を読むことに必要以上に時間がかかっていること、語彙力が不足していて理解するのに立ち止まらなくてはならないことがあります。
文章を読み込む時間に余裕を持つためにも、読むことに慣れて語彙力をつけるようにしていきましょう。語彙力では難しい言葉を知っているよりも、ひとつの事象に対して複数の表現をあてはめて考える事ができる等、言葉のバリエーションを豊かにする努力が必要になります。
中学受験の国語のテストで時間が足りないことへの対策
中学受験の国語のテストで時間が足りないとよく聞きますが、実はこれは国語が苦手なお子さんだけでなく、誰もが感じていることです。偏差値の高い優秀な子どもであっても国語の時間が足りず、思うような結果が出せないという話は少なくありません。
国語の点数が取れているお子さんでも、試験時間内に問題を全て解き、見直しするまでの時間がとれるほどに余裕がある子どもは滅多にいません。時間がなく焦ってしまう気持ちは理解できますが、誰もが悩むことだという認識を持ちましょう。その上で、文章を読むスピード、正しく理解する語彙力などの強化を進めて少しでも全体のスピードアップにつながるようにしましょう。
どこに時間がかかっているのかを把握する
中学受験の国語のテストで時間が足りないと感じているとき、どこに時間がかかっているのかを把握しましょう。問題を解くといっても、国語の場合は文章を読んで理解し、解答するまでのプロセスがあります。このプロセスのなかでどの部分に時間がかかってしまっているのかを把握します。
時間がかかっている原因がわかれば、あとはどうしたら解決できるのかの糸口が見えてきます。何を努力したら国語の問題を早く解けるようになるのか、まずは原因をはっきりさせることが大切です。
文章を読むことに時間がかかっているのであれば、本や新聞で活字に慣れていくことで解消できます。解くことに時間がかかるのであれば、国語の文章問題を何度も問いていくことや、解答を早く導く練習をしていくことで改善できるかもしれません。
全体の文章量、問題数を確認する
中学受験の国語のテストで時間が足りなくなるお子さんは、まずは試験が始まるタイミングで全体の文章量や問題数を素早く確認するようにしていきましょう。時間が足りなくなるお子さんに多いのが、最初から自分のペースで解こうとしてしまうことです。
試験の後半に時間がなくなってから慌てることになってしまっても、その試験の中で挽回することは難しいです。最初に全体像が把握できていれば「いつもより多いから、少し早めに問題を解くようにしておこう」とスケジュールを立てることもできます。
時間は最初から決まっていますので、自分のペースで解くのではなく、どうしたら最後まで問題を解くことができるかを意識する事を忘れないでください。
語彙を増やして読むスピードをあげる
文章を早く読むためには、語彙力をつけてスピードをあげることが大切です。語彙が少ないと文章を読んでいる最中に一度立ち止まり、その言葉の意味を考え、理解した後に再度読み進めるということをしなくてはため、文章を読み込むまでに時間がかかってしまいます。
言葉の意味がわからないまま読み進めることもできますが、瞬時に意味を理解して読んでいる人と比べると、時間に差ができてしまいます。知っている言葉が多い方が、本文の意味を理解しながら進めるので、試験時間が足りない問題も解消できます。
文章のなかでわからない言葉がでてきたら、そのままにせず意味を調べる癖をつけましょう。語彙力は決められたゴールのようなものがないので、勉強する範囲もわかりにくく感じるかもしれません。語彙力を地道につけていき、時間が足りない問題を改善していきましょう。
設問の内容を理解する
国語の受験で時間が足りなくなってしまうお子さんに多いのが、出されている設問の内容を理解できていないケースです。文章を読んでも理解できておらず、なんとなく読んでなんとなく問題に答えている場合も少なくありません。
正確に問題を解くためには問われていることが何かを考え、理解していかなくてはいけません。設問には問題と解くためのヒントが隠されているので、人物に関して問われているのか、物事に関して問われているのかなどを理解しましょう。
記述問題には必ずポイントがあるので、設問を理解することで記述のために文章を読み直す部分も正確さを増して、問題を解くスピードを早めることにもなります。また、演習時には設問が理解できないときにも粘り強く読み込むことで、設問の内容を十分に理解できるようになります。
テクニックによる時間短縮は上記の対策後
国語のテストで時間が足りないと、とにかく時間を短縮するためのテクニックを調べてしまう方も少なくありません。確かにテクニックをまとめた書籍などもありますが、あくまでも国語の基礎力を固めた上で、そのようなテクニックにより、時間短縮や正答率を上げていきましょう。
ある程度の読解力と語彙力があり、言葉の意味を理解していることはもちろん、長い文章を読み込む力がないと、テクニックを実践しても、思うような結果にはつながりません。
まずは今まで紹介している、時間が足りない原因に対するそれぞれの対策をおこない、国語の基礎力をつけることを優先して取り組んでください。そして、試験時間内にさらなる時間を捻出するために、問題を解くテクニックを身につけましょう。
【中学受験・国語】各単元の勉強方法と試験対策
一言で国語といっても出題範囲は広く、どのような単元に分けて学ぶのかを考えていくことも必要になります。
国語のなかでも、漢字のように暗記さえしていれば解答できるものもあれば、読解問題や記述問題のように、試験当日に初めて読む文章や問題を解かなければならない問題もあります。どちらに分類されるのかによって、勉強の方法も大きく変わってきます。各単元ごとにどのような勉強をしたら良いのか、試験対策も含めて解説します。
漢字・ことわざ・慣用句の勉強法
漢字・ことわざ・慣用句は暗記しましょう。これらは参考書に載っているもの全てに答えられるように毎日少しずつ取り組んでいきましょう。
市販のもので読みやすいものを選んでもいいですし、学習塾で配られている参考書でも十分です。漢字・ことわざ・慣用句は触れる機会が多いほど身につくので、できるだけ早いうちから手にとって学ぶようにしていきましょう。
ことわざは知恵や教訓を含んだ言い回しになるので、お子さんが興味をもって学びやすいといわれています。一方、慣用句や四字熟語になると使い方がわからず、苦戦するお子さんも多いです。しかし、どちらもその元となる話や、言葉の成り立ちなどを知ると覚えやすくなります。
日常会話のなかでも慣用句に触れる機会を作ったり、親子でコミュニケーションをとるようにしてもいいでしょう。難しいからと後回しにしてしまいそうな部分を、親御さんがサポートしつつ学べる環境を整えていくことが重要です。
漢字・ことわざ・慣用句の入試でのコツ
漢字は、深く読み込むことなく進められるので先に解いてしまいましょう。本文を読んで、漢字に戻ろうとするお子さんもいるのですが、これだと時間を無駄にしてしまいます。
暗記により解ける問題は、自分がわかるものは先に解く、わからないものは時間を使わずに飛ばして時間を有効に使いましょう。
選択問題のときは、明らかに違う選択肢を消していき選ぶ方法もあります。正解がわからなくても選択肢を狭めていくことで正解にたどり着けることもあるので、正しいものがわからない場合にはこのような解き方も覚えておきましょう。
読解問題の勉強法
読書は国語力を高めることに役立ってますが、読書をしていることと、読解力や語彙力が高いことはイコールではありません。読書と国語の問題と解くことでは、必要とする能力に違いがあります。読書は自分の好きな本を読むものですが、国語に求められるのは情報処理力です。文章を読んで整理し、読み解く力があるかどうかです。
そのため、出題された文章をなんとなく読むのではなく、何について話しているのか、主題を考えるようにします。どんなことを伝えたいのかを文章の中から探し、イメージを膨らませていきます。
筆者の伝えたい部分に線を引いたり、文章の繋がりを意識するために、接続詞を意識して読むこともおすすめします。文章の要約を作る練習をすると、読解する力も自然と身につきます。文の繋がりを意識して、文章のなかで最も大切なことを見つけられるようにします。
読解問題の入試でのコツ
読解問題の試験でのコツは、文章全体の内容を理解しようとせずに、要素ごとに分けて理解することです。文章全体だと長すぎてうまく頭に入ってこないため、要素で分けて理解することで、どの部分でどのようなことを述べているかがわかりやすくなります。
また、「適切なものを選びなさい」の問題に対して、疑いの目をもって見るようにしましょう。設問の通り正しい選択肢を選ぼうとするのではなく、各選択肢の間違っている部分を見つけて排除していきます。難関中学になるほど、難しい記述内容も増えていくので、慎重に問題に向き合うようにしましょう。
記述問題の勉強法
国語の記述問題は特に苦手と感じるお子さんが特に多いものですが、出題傾向として増えているからこそ勉強が欠かせません。記述問題は、問題ごとの内容を深く理解することはもちろん、その知見をいかに言葉で表現できるかが重要です。
筆者の意図を読み取り、記述問題に答えられるようになるためには、文章の作成能力を高めることが必要です。演習問題を何度も解くのはもちろん、記述問題の答えは添削してもらうようにしましょう。記述問題を熟知している第三者に見てもらうことで、改善点を明確にしていきます。
他にも、新聞記事のように事実を端的にまとめられている文章を意識的に読むようにしましょう。日頃から様々な文章を目にする機会を増やしていくことで、記述問題に対しての苦手意識を解消することにもなります。
また、自分の意見を論理的に表現することをできる習慣をつけましょう。テクニックや考え方にとらわれず、自分の言葉で表現することに意味があります。
記述問題の入試でのコツ
記述問題の試験のコツとして、文字数制限をヒントに考える方法と、文末から文字数を逆算して解答する方法があります。もっとも重要な部分を見つけてから指定の文字数に合わせて情報を加えていくことで、文字数ぴったりの解答が書けます。
また、指定された文字数が多ければ、情報量の多い解答が求められていることがわかり、反対に文字数が少なければ、端的に言い表す言葉は何かと考えることができます。
誤字脱字は減点対象になってしまうので、表記ミスをしないように気をつけましょう。解答した後に見直す習慣をつけることで、記述問題の減点を防ぐことにもなります。
中学受験の国語の得点を伸ばしたいなら塾に通うことがおすすめ
塾の持っているノウハウを使えば、早く深く学習が進み、その他の科目の勉強時間を捻出することができる等、毎年多くのお子さんの中学受験と向き合っている塾の経験は強力なものです。
中学受験の国語のテストの得点を伸ばしたいのであれば、家庭学習だけでなく塾に通うことをおすすめします。塾には学力を効率的に伸ばすノウハウの他に、受験情報や受験仲間を作ることもでき、たくさんのメリットがあります。
国語はこれまでのご説明しましたように、学力を伸ばすには時間がかかりますが、配点が高く重要視されている科目です。しかし、算数は最も重視されている科目であり、理科や社会も志望校によっては配点の優劣はありません。
国語だけに時間を使えないからこそ、塾で効率的に国語の勉強方法を教わり、他の科目の勉強時間も有効に使いたいものです。限られている時間を有効に使うために塾を活用してはいかがでしょうか。
まとめ
中学受験で国語は、配点が高く重要な科目です。特別な場合を除き、どの受験校や受験科目でも国語は必要になるでしょう。
最近の出題傾向を知り、日々の勉強でもその出題傾向を意識して取り組んでいきましょう。短期的に大きく成績を伸ばすことの難しい国語は毎日の積み重ねや、演習問題への取り組み方が受験当日の点数に大きく関わってきます。苦手な部分は早めに克服し、時間が足りないという問題に関しても、自分の弱点を把握した上で適切な練習を行い改善していきましょう。
多くの受験生が苦手だと感じる国語を、どのように点数を伸ばしていくかで受験の合否も大きく左右されます。苦手だと感じていても適切な勉強方法でしっかりと向き合っていくことが大切です。
ここまで、中学受験の国語に関する情報を一つの記事にまとめてきました。これらの情報が悩まれている方の一躍を担うことができれば幸いです。