中学受験のための塾選びに必要な情報をまとめてお届け【関西版】

中学受験は塾なしで合格できるのか。塾には通うべきか。また通うとするならばいつから通えば良いのか。塾選びのポイントは何か。費用はどのくらいかかるのかなど、本記事をご覧の方は、お子さんの中学受験を考えていらっしゃり、中学受験のための塾について、様々な疑問やお悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では中学受験の中でも「塾選び」にスポットをあてて、以下の4点について、網羅的に解説しています。

  • 中学受験は塾なしで合格できるか。塾に通うメリットとは?
  • 中学受験のための塾はいつから通えばよいのか
  • 関西地域における中学受験のための塾にかかる費用はどのくらいか
  • 中学受験のための塾選びに大切な7つのポイント

具体的におすすめの塾、おすすめできない塾についての言及は控えておりますが、本記事を最後までご覧いただければ、中学受験の塾選びに必要な情報を網羅的に理解することができます。

お住まいの地域やお子さんの性格、学習理解度などによって塾選びの実情は異なりますが、ご自身のお子さんに合う塾を見つけることを意識してお読みください。

みなさんがご自身とお子さんにとって最良の塾に出会い、後悔なく中学受験に臨む手助けができれば幸いです。

中学受験は塾なしで合格できるか

塾なしで中学受験に合格することは、必ずしも不可能ではありません。しかし、中学受験を本気で検討される場合は、塾に通うことをおすすめします。

ただし、以下の2つの条件を満たし、お子さんの適切な努力と、親御さんの適切なサポートが揃った場合には、塾に行かず家庭学習で合格する可能性もあります。

  • 家庭での学習習慣があること
  • 志望校の試験の出題傾向に沿った勉強ができること

しかし、現実問題としてこの条件や状況を満たすことは容易ではありません。特に志望校の試験の出題傾向に沿った勉強というのは、各塾で何年間も各中学校の試験のデータを集め、分析、研究し、その結果を検証するという莫大な労力のもと蓄積されている受験ノウハウの下でのみ可能なものです。これを各家庭で行っていくことは相当な負担となります。

塾なしで中学受験に合格できるお子さんは受験生全体の約20%と少数です。中学受験を検討される場合は、塾に通うことをおすすめしますが、塾なし受験が必ずしも不可能ではないということから、塾なしで中学受験に臨むメリットや、塾に通うことのデメリットも参考としてお伝えしたいと思います。

※塾なしで中学受験に合格できるお子さんの割合のデータ出典、
ゼネラルリサーチ株式会社が2022年8月16日〜8月18日に実施した「偏差値60以上の中学校に通うお子さんをもつ保護者150人」を対象としたアンケートを参考に記載

塾なしのメリット

まずは、塾に通わないことについてのメリットとデメリットについてお伝えします。中学受験に塾なしで臨むメリットには、以下の3つが挙げられます。

  • 塾代などの金銭面で悩むリスクが減る
  • 各種教材が書店かオンラインに豊富にあり、塾に通わなくても手軽に入手できる
  • 他の習い事を続けることができる(塾の都合でやめたり曜日を変えずに続けられる)

塾代などの金銭面で悩むリスクが減る

中学受験の塾に通う場合、塾によりますが、一般的には毎月の授業料は6年生時点では10万以上かかります。また、月々の授業料以外に、入会金や各種テストなどの費用も必要ですし、交通費や間食や飲み物を購入する費用も必要となるでしょう。さらに、夏休みや冬休みなどに講習を受ける場合には、その費用も別途必要になります。

これらを合計すると、6年生でかかる費用は年間110〜120万円前後になります。塾に通わせずに自宅学習をすれば、この支出を大幅に抑えることが可能です。

各種教材が書店やオンライン上に豊富にあり、塾に通わなくても手軽に入手できる

現在は通信教育や市販のドリルなど、各種教材は豊富にあり、誰でも入手することができます。コロナ禍の影響もあり、塾業界でもオンライン化が進み、評判の高い先生の授業をオンラインで視聴することも可能です。わからない部分を何度も戻して再生することができたり、物理的な人数制限もない場合もありますので、質が高いにもかかわらず費用は通常の塾よりも安い場合もあります。

また、各種SNSでは、既に中学受験を終えた家庭が実際に使用したおすすめ教材を紹介しているアカウントも多く、選ぶ際に参考にもできます。

他の習い事を続けることができる(塾の都合でやめたり曜日を変えずに続けられる)

塾に通う場合、「何曜日の何時から算数の授業」というように、塾側でスケジュールが決められていることがほとんどです。小さな頃から続けていた習い事と塾の授業のスケジュールが重なる場合、その習い事を辞めざるをえないケースもあるでしょう。また、塾の宿題をする時間を捻出するために習い事は諦めるという選択をするお子さんも多数いらっしゃいます。

競争環境が苦手なお子さんや、人が多い場所が苦手なお子さんにとっては、塾の環境や通塾時間そのものがストレスにもなります。塾に通わなければ、これらの問題からは解放されることになります。

以上が中学受験に塾なしで臨む場合の主なメリットです。

しかし、中学受験に塾なしで臨むことには、次の章で説明するデメリットがあります。これは筆者の所感ではありますが、塾なしで中学受験を目指すことによるデメリットは、大多数の家庭にとって、塾なしで中学受験をするメリットを大きく上回ることになりそうです。

塾なしのデメリット

中学受験に塾なしで臨むデメリットには、以下の3つが挙げられます。

  • 中学受験や難関中学の入試に関する情報が得られにくい
  • 勉強する習慣を作ることが難しい
  • 家庭での勉強のサポートが難しい

中学受験や難関中学の入試に関する情報が得られにくい

中学受験を検討している場合、塾なしで情報を得ることは難しいでしょう。大手塾は一般向けに説明会やセミナーを開催するので、その説明会に参加して一定程度の情報を得ることは確かに可能です。しかし、塾がセミナーをする目的は「入塾してもらうこと」です。残念ながら全ての情報を開示するわけではありません。

また、入試問題の傾向などの最新情報は、親御さんがキャッチアップすることは難しく、塾に通った方が有益で正確な情報を効率的に得られるでしょう。

勉強する習慣を作ることが難しい

中学受験では、勉強する習慣をお子さんに身につけさせることが難しいと言われています。塾に通わない場合、家庭で勉強スケジュールを立て、勉強する習慣を身につけさせる必要があります。勉強する習慣を各家庭で作ることは、並大抵のことではありません。

家庭での勉強のサポートが難しい

勉強する習慣を作ることの難しさに加えて、塾に通わない場合には家庭での勉強のサポートが不可欠です。お子さんにわからない部分をわかるように教えてあげたり、適切なヒントを出して学力が向上するようにサポートすることは思った以上に難しいものです。

また、我が子だからこそ不安が募り、つい感情的になってしまうこともあるでしょう。怒ることは逆効果だと頭では分かっていても、ついつい怒ってしまう。家庭で勉強のサポートをすることは以上のようなことから難しいのが現実です。

○塾に通うのメリット

ここからは塾に通うことのメリット、デメリットを簡潔にお伝えします。中学受験のための塾に通うメリットには、以下の4つが挙げられます。

  • 勉強する習慣が身につく
  • 中学受験用のカリキュラムに沿って勉強ができる
  • 受験情報や入試動向などの情報が手に入る
  • 受験仲間ができてモチベーションがあがる 

塾に通うことで、一定時間を必ず勉強に割くことになり、また、ほとんどの塾では宿題が必須となるため、自然と勉強習慣を身に着けることができます。長期的にみると、塾に通っていないお子さんと塾に通っているお子さんとでは勉強時間に大きな差がでることでしょう。

また、塾のカリキュラムは入試動向を踏まえて中学受験用・各志望校用に作成されたオリジナルのものです。効率のよい志望校合格に必要な知識と学力の向上が期待できるでしょう。

通っている小学校に中学受験仲間が少ない場合、遊んでいる友達が羨ましくなり、モチベーションが低下したり受験自体が嫌になったりすることもあります。また、小学生高学年という多感な時期に多くの時間を一緒に過ごし、苦楽を共にした受験仲間は一生の友達ともなりえる強い絆で結ばれていることが多いです。

塾に通うことのデメリット

中学受験のための塾に通うデメリットには、以下の4つが挙げられます。

  • クラス分けがある塾の場合、上位クラスに入れない可能性がある
  • 下位クラスの場合、講師の質にばらつきがある可能性がある
  • 塾の勉強や宿題についていけなくなった場合、受験や勉強そのものが嫌になってしまう可能性がある
  • 高額な塾代を支払っていることで、お子さんにプレッシャーを与えてしまう可能性がある

大手の集団塾ではクラス分けのためのテストが定期的に行われ、クラスがいくつにも分かれます。テストの結果、上位クラスに入ることができれば、優秀な講師から教えてもらえますが、下のクラスに入ってしまうと、新任の講師や実績がまだそこまで多くない講師の授業を受けることになる場合があります。

お子さんが下位のクラスになった場合、良い講師に出会えず、塾の勉強や宿題についていけなくなり、勉強が嫌いになってしまうリスクがあります。また、お子さんについつい過度なプレッシャーをかけてしまう親御さんもいらっしゃいます。

しかし、そんな時こそ家族の力の見せ所ではないでしょうか。「今、あきらめずに勉強を頑張り上のクラスへ行けば、講師の質も上がり、志望校への合格も見えてくる」ことをお子さんにしっかりと説明しましょう。そして、親子二人三脚でモチベーションを保つことで、塾に通うデメリットは解消できるはずです。

塾に通った方が良いのはどのような場合?

ここまでで、塾なしで中学受験をする場合のメリットとデメリット、塾に通い中学受験をするメリットとデメリットをお伝えしました。前述の内容で既に理解されている方も多いかと思いますが、次にどのような場合に塾に通った方が良いのかをお伝えします。

塾に通った方が良いのは、主に以下3つの場合です。

  • 志望校に合格する確率をあげたい場合
  • 習熟度が低い科目がある場合
  • 集中して自宅学習ができない場合

中学受験をする以上、合格率をあげたいのは当然でしょう。学習は日々の積み重ねです。習熟度が低い箇所は、早いうちにプロの指導を受けて、苦手意識を克服した方が、後々成績が伸びる可能性が高くなります。受験のためのノウハウや学習内容の優先順位、いつの時期にどの程度までの習熟度が必要なのかについては、毎年たくさんの受験生を指導している塾は、当塾も含めてどの塾も自信を持っております。

また、兄弟がいる場合などは、家で集中して勉強をすることは難しいです。また、親御さんも家事に仕事にご多忙ですから、お子さんの勉強をじっくりと見てあげるのは難しいのではないでしょうか。

上記の、塾に通った方がよい場合に1つでも当てはまる方は、お子さんに合う塾選びを検討される方がよいと言えるでしょう。

また、中学受験をする上で、塾選びはとても重要です。お子さんに合う塾を選ぶポイントは、本記事の「中学受験のための塾選び!大切な7つのポイント」で解説しています。ご参照ください。

【番外編】複数の塾を併用することについて

番外編として、集団指導塾と個別指導塾・家庭教師を併用することについて、簡単に解説します。

中学受験を検討するにあたって、まずみなさんがイメージされるのは、学校の授業のような先生一人に対して、生徒が多数いる授業形式の集団指導塾でしょう。以下のような悩みがある場合は、集団指導塾と併用して、個別指導塾・家庭教師も検討することをおすすめします。

  • 集団指導塾で授業を受けているが、苦手分野があり、それを克服したい
  • 志望校合格のために、得意科目をさらに伸ばしていきたい
  • 集団指導塾のない日に効率的に勉強して成績を伸ばしたい

なお、個別指導塾・家庭教師の費用は、集団指導塾よりも高額となる場合がほとんどです。また、集団指導塾との併用となるとご家庭の負担は増えますし、時間的にも精神的にもお子さんにも負担がかかることになります。

親子で話し合い、よく検討する必要はありますが、上記のような悩みがある方は、集団指導塾と個別指導塾・家庭教師を併用してもよいでしょう。

中学受験のための塾はいつから通えばよいの?

続いて中学受験のための塾にはいつ通えばよいの?という疑問について解説します。

塾に通いはじめるベストなタイミングは、個別指導塾と集団指導塾で変わってきます。
それぞれのベストなタイミングは以下の通りです。

  • 個別指導塾→学習状況で異なる
  • 集団指導塾→新4年生(3年生の2月)

また、新4年生よりも前から塾に通った方が良いのではないかというご意見や、新4年生よりも遅くに通いはじめるとどうなるのかというご質問もよくいただきますので、合わせてお答えしていきます。

個別指導塾の通塾のタイミングは学習状況で異なる

個別指導塾の通塾のタイミングは学習状況で異なります。
以下の3つのケースにおける通塾のタイミングをご説明いたします。

  • 勉強する習慣がない場合
  • 基礎ができていない場合
  • 応用や過去問でつまずいている場合

勉強する習慣がない場合

お子さんに勉強する習慣がない場合は、比較的早い時期から塾に通いはじめた方がよいでしょう。塾によっては1年生からクラスを開講しているところもあります。

また、公文式や学研教室では各自問題を解き、先生が採点するという個別指導塾の中でも特異なスタイル(当塾もこれに当てはまります)ですが、「勉強をする」という習慣を身につけるのには効果的と言えるでしょう。

基礎ができていない場合

基礎ができていないと感じるのは5年生ごろが多いのではないでしょうか。大手の集団指導塾では5年生から「学びを深める」指導をするところが多くなります。この学びが深まったタイミングで基礎ができていないと実感することが多いようです。

基礎ができていないと、学びを深めることはできません。他の生徒との差が大きくなる前の「基礎ができていない」と感じた段階で、個別指導塾へ通うことを検討されてはいかがでしょうか。

応用や過去問でつまずいている場合

応用や過去問でつまずくのは、受験を直前に控えた6年生ごろが多いのではないでしょうか。応用・過去問と一口に言っても志望校によって、傾向が異なってきます。志望校が決定し、その志望校を見据えた応用・過去問でつまずいた場合は、個別指導塾の利用を検討することをおすすめします。

集団塾の場合は新4年生(3年生2月)からがベストタイミング

集団指導塾の場合は新4年生(3年生2月)から塾に通いはじめるのがベストなタイミングです。

なぜなら大手集団指導塾は新4年生(3年生の2月)から本格的なカリキュラムがスタートするところが多く、遅れて塾に通うと未学習の単元が分からず、授業についていけなくなる危険があるからです。入塾のタイミングは、通う塾のカリキュラム・子どもの能力・志望校のレベルなど、さまざまな要因が絡むため、一概に「いつから通うべきか」を判断することはできません。

しかし、一般的には新4年生から受験に向けた学習の基礎固めがスタートします。また、集団指導塾の場合、中学受験のカリキュラムは2月から始まることがほとんどです。そのため新4年生(3年生の2月)から塾に通い始めるのがベストタイミングと言えるのではないでしょうか。

ただし、有名な大手集団指導塾では、定員が埋まってしまい、上の学年になった時に入塾できない可能性を見込んで、低学年のうちから通わせるご家庭も多数見受けられます。新4年生になるタイミングで、下の学年から持ち上がりの生徒だけで定員が埋まってしまうと、「募集停止」という状態になり、入塾することができません。入塾を検討している特定の塾がある場合は、小まめに各塾のホームページで募集の状況を確認なさったり、各校舎にお問い合わせになることをおすすめします。

新4年生よりも前から塾に通うメリット・デメリット

新4年生よりも前から塾に通うメリット・デメリットをご説明いたします。メリットには以下のような点が挙げられます。

  • 学習習慣が身につく
  • 確実に実力を伸ばしていける
  • 先取り学習で小学校の学習内容を早めに習得できる

一方でデメリットには以下のような点が挙げられます。

  • 長期間にわたる通塾となり、お子さんに精神的・時間的な負荷が大きくのしかかる
  • 親御さんのに経済的な負荷が大きくなる

上記のメリット・デメリットをもとに、新4年生よりも前から塾に通う必要があるのかどうか考えると、必ずしも低学年から塾に通う必要がないと言えるのではないでしょうか。

ただし、塾に通わないから何もしなくてはよいということではなく、計算力を身につけるために市販の計算ドリルに毎日数分ずつ取り組んだり、読解力を身につけるために鉛筆でくり返し出てくることばにアンダーラインをひきながら毎日音読をするなど、家庭内で小さな努力を確実に積み重ねていくことが大切です。

新4年生よりも遅く塾に通い始めるとどうなるか

新4年生よりも遅いタイミングで塾に通い始めると、塾の学習のスピードに追いつくために、かなりの努力が必要になります。なぜなら、大手塾では4年生で基礎を固め、5年生の冬には受験範囲の勉強は一通り終わることになるからです。学校の学習スピードとは異なる速さで塾の授業は進んでいるのです。

お子さんが中学受験をし、志望校に合格することを考えると、新4年生よりも遅いタイミングで塾に通い始めることは、はっきり言っておすすめできません。おすすめできない理由を、5年生から通い始める場合、6年生から通い始める場合に分けて詳しくご説明いたします。

5年生から通い始める場合

5年生から通い始めると、基礎固めを行わないまま、入試に直結する学習内容を学ぶことになります。その結果、大多数のお子さんは授業についていけず、つまずくことになります。つまずいてしまった場合、基礎に立ち返って、もう一度基礎固めをしながら、現在進行形で進んでいる5年生のカリキュラムもこなす必要があります。

また、下位のクラスからスタートになる可能性が高いので、「塾に通うデメリット」でもご説明いたしました通り、お子さんのモチベーションは下がりやすく、親御さんの不安も大きくなるというデメリットがあります。

「うちの子の基礎は完璧」という自信がない限り、5年生で入塾すると、お子さんは苦労することになるでしょう。また、基礎を学ぶために集団塾と同時に個別指導塾に通う可能性もあり、結果として塾代が膨らむ可能性もあります。

6年生から通い始める場合

6年生から塾に通い始め、中学受験をし、志望校に合格するというのは、かなり厳しいと言えるでしょう。大手集団塾では、6年生からの入塾を断っているところもあります。6年生で中学受験を考え始めたご家庭は、それまで進路についてはあまり意識せず、地元の公立中学校に進学するつもりだったご家庭が多いようです。

中学受験を決意するには、さまざまな経緯があることと思いますが、それまで中学受験対策をしてこなかったお子さんが、6年生から中学受験に臨むには、気力・体力・経済面など様々なハードルを親子で越える必要があります。親御さんの物質的・精神的なサポートがより一層重要となります。

【関西】中学受験のための塾にかかる費用はどのくらい?

関西地域における中学受験のための塾にかかる費用について解説します。中学受験の塾にかかる費用は、以下の3つに大別することができます。

  • 一般的な個別指導塾の塾の費用
  • 大手集団塾の塾の費用
  • 中学受験に関する一般的な費用(塾の費用を除く)

一つずつみていきましょう。

一般的な個別指導塾の塾の費用

小学生向けの個別指導塾の料金には開きがあります。開きがでる主な要因は以下の3つです。

  • 講師1人に対しての生徒数(先生1対生徒2、先生1対生徒1など)
  • 1週間の受講数(週1回、週2回など)
  • 講師の質(プロの正社員・アルバイトの学生など)

講師1人に対して生徒数が少なく、講師を正社員として雇用しプロとして表現している塾ほど、人件費が高くなるため、生徒が負担する月額料金も高くなります。また、当然ではありますが、週1回の受講よりも週2回の受講の方が料金が高くなります。

上記で説明したように個別指導塾の塾の費用は塾ごとに開きがありますが、月額料金の相場をまとめると以下のようになります。

中学受験(私立)約7万5千~10万円
中学受験(公立)約3万~5万円
【参考】小学校の授業を補填する通常授業約1万5千~2万円

中学受験をする方の大半は私立中学校を目指していらっしゃると思います。私立中学校の受験のためのカリキュラムとなると、月に約7万5千円から10万円とかなり高額です。また、小学校の授業を補填する通常授業と比べると5倍程度の金額になります。

さらに、中学受験のためのカリキュラムを受講すると、月額料金の他に「模擬試験」「季節講習」「直前講習」などの費用も追加され、その分、塾の費用は高くなります。また、個別指導塾では塾オリジナルのテキストがなく、生徒の状態に合わせてテキストを用意することが多くなります。このテキスト代も通常は生徒側の負担となります。

以上のことから一般的な個別指導塾に通った場合、月10万円程度の塾代が発生すると言えます。

大手集団塾の塾の費用

大手集団塾の塾の費用の相場は、6年生(小学校5年の2月から6年生の1月まで)の1年間の合計金額で110〜120万円程度です。また、本記事でおすすめしている新4年生から入塾したと仮定し、3年間在籍した場合の合計金額は210〜260万円程度(入塾金を含む)となります。

6年生の1年間は受験直前期のため、4・5年生よりも塾の費用は高額となります。これらの条件のもと、大手集団塾4社の塾の費用の内訳を表にまとめました。

A塾B塾C塾D塾
1年間の合計金額(入塾金を含む)約111万円約109万円〜約124万円約121万円
入塾金約2万円約2万円約3万円約3万円
年間月謝約39万円約75万円約68万円約58万円
諸費用約9万円約4万円月謝に含まれる約3万円
選択授業・対策講座約14万円(別途必要)約21万円約11万円
基本講座テキスト約13万円月謝に含まれる月謝に含まれる約4万円
模試約6万円約3万円約2万円約3万円
春・夏・冬期講習約28万円約25万円約30万円約39万円

年間月謝や春・夏・冬期講習費用に選択授業・対策講座費用など、どれも削ることのできない費用です。大手集団塾の塾代は6年生(小学校5年の2月から6年生の2月まで)の1年間の合計金額で約110~120万円前後かかることをご理解いただけたことと思います。

中学受験に関する一般的な費用(塾代を除く)

中学受験にかかる費用で一番のウエイトを占めるのは塾代です。しかし、塾代以外にも、受験する際にかかる費用や、合格後にかかる費用がありますので、以下の一覧表にまとめました。

出願にかかる受験料15万円程度※1
入学金25~30万円前後
私立中学校の授業料(3年間)250万円前後
寄付金20~30万円前後
制服・体操着・通学バック・学校用PCなど20万円前後
※1 私立中学1校あたり3万円×5校受験とした場合

6年生の1年間は、塾の費用に加えて、受験料・入学金・寄付金・制服などの備品代と、何かとお金がかかります。中学受験をご検討されているご家庭は、この塾以外の費用もしっかりと頭に入れ、早め早めの準備を金銭面でも行うことをおすすめします。

中学受験のための塾選び!大切な7つのポイント

中学受験のための塾を選ぶ際に、大切となる7つのポイントをご紹介いたします。ご説明いたしました通り、中学受験の塾の費用は個別指導塾・集団塾のどちらを選んだとしても、6年生の1年間で100万円を超える可能性が高くなります。

家庭にとっても大きな出費となるため、事前にしっかりとリサーチした上で、お子さんに最適な塾を選ぶことが大切です。お子さんに合った塾を見つけることが、お子さんの勉強のモチベーションにも繋がり合格への近道でもあります。

指導方法がお子さんの性格や期待しているものとあっているか

ポイントの1つ目は、指導方法がお子さんの性格や期待しているものとあっているかどうかです。

中学受験の塾には、個別指導塾と集団指導塾の2種類があり、それぞれ向いているお子さんの特徴が異なります。中学受験の塾と聞くと集団塾を思い浮かべる親御さんがほとんどだとは思いますが、中には個別指導塾の方が向いているお子さんもいらっしゃいます。

お子さんの性格を一番よく理解していらっしゃるのは、紛れもなく親御さんです。以下のそれぞれの塾に向いているお子さんの特徴を確認の上、どちらの形態の塾とするか見極めてください。

集団塾に向いているお子さんの特徴

  • 周囲のクラスメイトに影響されて、勉強の意欲がわく
  • 分からない問題がある場合、物怖じせずに先生などに質問ができる
  • 学習の習慣が既に身についている

個別指導塾に向いているお子さんの特徴

  • 受験の目的を自分で認識しており、自分でモチベーション管理ができる
  • 周囲の環境に敏感で、大きな集団だと萎縮してしまう
  • 集団授業のペースに追いつくよりも、自分のペースを大切にする

また、集団塾に通いながら、苦手分野のみ個別指導塾に通い弱点強化を計ったり、集団塾から途中で個別指導塾に切り替えるお子さんも多数いらっしゃいます。

塾のカリキュラムが志望校にあっているか

ポイントの2つ目は、塾のカリキュラムが志望校にあっているかどうかです。

中学受験を検討している場合、進学を希望する志望校があると思います。憧れの第一志望校、校風や進路などに確かな共感を持っている第二志望校など、理由は様々ですが、必ず志望校が存在します。

中学校受験で目指す中学校には、以下の3形態があり、それぞれ出題される問題が大きく異なります。

私立中学校独自性の強い試験問題
国立中学校総合力が問われる試験問題
公立中高一貫校適性検査や作文など

どの中学校も主要なテスト科目は、国語・算数・理科・社会の4科目ですが、国語と算数の2科目とする学校も増えてきています。また、作文や面接などの試験が課される学校もあります。まずは、私立中学校・国立中学校・公立中高一貫校のうち、どの形態の学校を志望するかなど大まかな志望校の方向性を明確にし、それに沿ったカリキュラムを実施している塾を検討しましょう。

また、「ここの学校にいきたい!」という志望校が決まっている場合は、志望校に特化した特別講習がある塾を選ぶことをおすすめします。

志望校の合格実績があるか

ポイントの3つ目は、志望校の合格実績があるのかどうかです。

合格実績があるということは、志望校の合格対策として、塾で行われているカリキュラムが一定の効果が得られていることの証明です。しかし、塾が発表している合格実績は、表面上のものにすぎません。合格実績の算出方法は統一されておらず、不明瞭さを拭うことはできないからです。

合格実績とは塾選びにおいて大切な指標の一つではありますが、「合格数が多いから、この塾で安心」というものではなく、あくまでも検討する材料の一つと言えるでしょう。

通いやすい場所にあるか

ポイントの4つ目は、通いやすい場所にあるかどうかです。

通塾時間も積み重ねればまとまった時間になります。たとえば、往復30分の通塾と往復1時間の通塾の差をみてみましょう。それぞれ週3回、1年間に48週間通うとします。この場合の2つの通塾時間の差は72時間(4,320分)にもなります。

さらに通塾による疲れで集中力にも影響が出る場合がある為、遠くの塾に通う負担も考慮する必要がありますし、小学生のお子さんが1人で通塾するとなると、安全な場所にあることも重要になってきます。

「少しでも学力レベルの高い駅にある塾に行った方がよいのではないか?」と、ご自身の大学受験の経験から考える親御さんがいらっしゃいます。しかし、お子さんはまだ小学生です。体力にも限りがあるので、通塾は大きな負担となります。

少しでもレベルの高い授業を受けさせたいという親心はとても素敵ですが、通塾時間とのバランスは塾選びにおける重要なポイントの一つと言えます。

講師や授業内容は満足できるものか

ポイントの5つ目は、講師や授業内容が満足できるものかどうかです。

集団指導塾であれば質の高い授業をしている講師のクラスに入れるかどうかが重要です。また、個別指導塾であれば講師1人が細部まで目の届く生徒の人数になっており、その講師と良好な関係を築いていけることが大切です。

同じ塾でも講師を変えてもらったら、成績が一気に伸びたという例もあるほど、講師とその講師が展開する授業内容は、成績を伸ばし志望校に合格する上で大切です。また、どんなに有名で人気の講師であったとしても、お子さんと合わなければ、成績を伸ばして行くことは難しいでしょう。

入塾を決定する前にお子さんと一緒に体験授業に参加し、講師とその授業内容について、フィーリングが合うかを確かめることをおすすめします。

勉強する環境がよいか

ポイントの6つ目は、塾で勉強する環境がよいかどうかです。

兄弟がいるなどして家で集中して勉強することが難しい場合、塾に併設された自習室を利用することもあるでしょう。自習室は受験期が近くなってくると混んでいて使用できなくなりがちなので、在籍生徒数と同等かそれ以上の席があるのがベストです。

また、空調は椅子や机などの備品や過去問などの学習環境が整っていることも、長い時間集中して勉強するための重要な要素となります。体験授業や説明会など、実際に塾を訪れた時に、しっかりと確かめておきましょう。

実際に体験授業に参加してみる

ポイントの7つ目は、実際に授業見学や体験授業に参加してみることです。

最終的に求めているような塾か、お子様の学力を伸ばせるような塾かどうかは、実際に足を運ぶことで判断できるでしょう。ほとんどの塾では授業見学や体験授業を受け付けていますし、塾の中には1回ではなく、1週間の体験授業を受けられるという塾もあります。

百聞は一見に如かずです。本記事で説明したポイントをもとに、塾の候補がいくつかに絞られたら、お子さんを連れて授業見学や体験授業に参加することをおすすめします。

まとめ

本記事は中学受験の中でも「塾選び」にスポットをあてて、以下の4点について、網羅的に解説してまいりました。塾選びにおける気になっていたポイントは解消できましたでしょうか?

大切なポイントなので、最後にもう一度振り返ります。

  • 塾なしでの中学受験はかなり厳しい
  • 費用に関しては前もって準備が必要
  • 塾選びはお子さんとの相性が合うかどうかがとても重要
  • 授業見学や体験授業に行くことがおすすめ

本記事を最後までご覧くださったみなさんは、中学受験の塾選びに重要なことやその周辺知識を、網羅的に理解されたことでしょう。

中学受験のための塾選びには、ご紹介いたしましたようにいくつものポイントから志望校や子どもの学習状況、性格などに合わせて選ぶことが重要です。また、いつから塾に通い始めるか、塾代や入試にかかる費用はどのくらいかなども把握して、準備をすることで、中学受験の勉強に集中して取り組むことができます。

本記事を通して理解された内容をもとに、ご自身のお子さんに合う塾をお探しになってください。みなさんがご自身とお子様にとって最良の塾に出会い、中学受験に臨まれることを心からお祈り申し上げます。

クリエートベースは、大阪・梅田にて難関中学校への受験対策をおこなっている個別指導塾です。クリエートベースでは、授業形式ではなく、生徒が個別にテキストの問題を解くことを中心とした問題演習方式を採用しております。
「入試当日、確実に合格点をとれるように」を理念として、クリエートベースをご活用いただいた受験生・保護者が望む結果に向けた指導をしております。難関中学校の受験をお子様へとお考えの方は、クリエートベース公式LINE、もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。

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