どのような勉強法が効率的なのか。教科ごとに勉強法は変えるべきか。勉強以外にやっておくことはあるか。
本記事をご覧の方は、効率のいい勉強法について、様々な疑問や悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、効率のいい勉強法について、以下5点を解説していきます。
- 効率のいい勉強法の重要性
- 効率の悪い勉強法とは
- 効率のいいおすすめの勉強法や注意点
- 各教科で効率よく勉強するポイント
- 集中力を高める学習環境づくりのコツ
本記事をご覧いただければ、学校生活や習い事で忙しくても効率よく勉強を進められる方法を理解できます。
効率的な勉強に取り組み、志望校合格に一歩近づけるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
効率のいい勉強法の重要性
「効率のいい勉強法」とは、どのような勉強方法を指しているのでしょうか。本記事では、効率のいい勉強法とは、無駄な時間をかけずに知識を定着させられる勉強法と定義した上で各内容を展開していきます。
中学受験で志望校に合格したり、テストで良い点数を取るためには、勉強時間を確保し、暗記すべき内容を覚えたり問題演習を繰り返したりしなければなりません。習い事をしているお子さんは特に時間が限られるため、ますます効率よく勉強を進める必要があります。
限られた時間を有効活用して成績を上げるためには、学習内容が確実に身につく勉強法を実践することが大切です。
反対に勉強の効率が悪いと、勉強しているにも関わらず問題が解けるようにならなかったり、成績があまり上がらなかったりして、モチベーションが低下し、勉強に向き合うことが嫌いになってしまいます。
効率の悪い勉強法とは
勉強の効率を上げるためには、短時間で必要な知識を身につける必要があります。しかし、下記のような勉強を続けていると、せっかくの時間が無駄になってしまうかもしれません。
- 作業だけで満足してしまう
- 間違えた問題を解きっぱなしで終わる
- 暗記しないで乗り切ろうとする
- 一度にたくさん覚えようとする
- ながら勉強する
- 徹夜で勉強する
効率よく勉強するには、大事な学習には時間をかけつつ、無駄な作業を削ることがポイントです。上記を参考に、当てはまる点がないかチェックしてみましょう。
作業だけで満足してしまう
内容理解よりも作業を優先し、満足してしまうような勉強法では知識は定着しません。特に以下のような作業は達成感を感じやすく、作業だけで満足してしまう可能性があります。
- 単元の重要なポイントをノートにまとめる
- 教科書に線を引く
- 漢字や英語の単語帳を作る
情報を整理する作業は「きれいにまとめること」が目的になりやすいため、注意が必要です。内容理解までつなげるには、上記の作業に加えて別の勉強法を取り入れましょう。
たとえば、教科書やノートにまとめた後は練習問題に取り組むことで、記憶が定着します。単語帳を作った場合は、何度も繰り返し読んで暗記するのがおすすめです。
勉強をする時は、まとめる作業で終わるのではなく、プラスアルファの学習での内容理解を心がけましょう。
間違えた問題を解きっぱなしで終わる
間違えた問題を解きっぱなしで終わるのも、効率が悪い勉強法の一つです。
学校や塾のテストや模試、中学受験の本番で幅広い問題に対応するためには、間違いや苦手分野を減らす必要があります。そのため、問題を間違えた時は原因を分析し、正しい考え方を理解しなければなりません。
しかし、間違えた問題を放置すると、何度も同じ間違いを繰り返すことになってしまいます。どれだけたくさんの問題を解いても、毎回同じところでミスをしては意味がありません。
問題を間違えた時は、まず解答・解説を見てミスの原因を探りましょう。間違えた問題に印をつけて、後日、理解できているかを確認するために同様の問題に再チャレンジする方法もあります。
自力で解けるようになるまで演習を繰り返し、解き方のコツを少しずつ理解していきましょう。
暗記しないで乗り切ろうとする
勉強する時、暗記は時間がかかるため「効率が悪い」と避ける人は多いかもしれません。しかし、最低限の単語や公式を覚えていないと応用問題を解けず、失点が増えるだけです。
時間がかかったとしても、以下の内容は日々の学習で少しずつ暗記するよう心がけましょう。
- 漢字
- 英単語
- 算数の公式
- 理科や社会の用語全般
漢字や英単語を覚えておくと、長文問題が出された場合もスムーズに内容を理解できます。暗記をしていれば確実に点が取れる問題も毎回のように出てきます。
また、算数の公式を暗記しておけば、応用問題も難なく解けるようになるでしょう。特に理科や社会は全体的に暗記項目が多いため、頭に入れておくと点数を取りやすくなります。
何でも短時間で済ませるのではなく、必要に応じて時間をかけることも効率よく勉強するポイントです。
一度にたくさん覚えようとする
「暗記に時間をかけたくないから」と一度にたくさん覚えようとするのも、効率の悪い勉強法です。
一般的に、人は一度に大量の情報をインプットできないといわれています。さらに一度は覚えたものも数日経てば多くのものを忘れてしまいます。そのため、受験に必要な知識を効率よく覚えるには「反復学習」を取り入れて毎日少しずつ暗記することが大切です。
人間の脳は、何度も同じ情報を目にすると「これは重要な情報だ」と判断し、忘れにくくなる傾向にあります。つまり、反復学習を取り入れると、何度も同じ単語や公式に触れるため、忘れにくい記憶として脳内にインプットされるのです。
反復する分、勉強量や時間は増えてしまいますが、暗記が必要な内容はすきま時間も有効活用することで学習効果を高められます。
ながら勉強する
勉強をしながら他の行動を取る「ながら勉強」は、集中力が落ちる原因の一つです。ながら勉強は、注意力散漫になって内容が頭に入らないため、効率が悪くなってしまいます。
たとえば、以下のような勉強の仕方は「ながら勉強」に該当します。
- 音楽を聴きながら
- テレビを観ながら
- ゲーム・スマホを操作しながら
- おやつを食べながら
音楽を聴きながら勉強すると、歌詞が気になって集中できません。ただし、歌詞がない落ち着いた曲であれば、集中力アップの効果が期待できます。音楽を聴くのであれば、クラシックや自然の音などを取り入れてみましょう。
勉強中のテレビやゲーム、おやつも集中力低下につながります。「休憩時間におやつを食べる」「ゲームは勉強が終わってから」など、メリハリをつけて勉強に取り組みましょう。
徹夜で勉強する
小学生は中高生と違い、部活動がありません。しかし、さまざまな習い事で勉強時間を確保するのが難しい傾向にあります。
ただ、それをカバーするために徹夜で勉強しても集中力は落ちるため、なかなか成績は伸びないでしょう。
その他、徹夜で勉強するデメリットは以下の通りです。
- 思考力が鈍くなる
- 体調不良の原因になる
徹夜で勉強すると日中も眠くなるため、思考力が鈍くなります。頭が働かない状態で勉強しても、学習内容は十分に理解できないでしょう。
また、睡眠は体や脳を休ませる重要な役割を持っています。しかし、徹夜をすることで睡眠時間をとれないと、疲労が蓄積して体調が悪くなるかもしれません。
成長過程のお子さんが徹夜で勉強することは、体調不良だけでなく、心身の成長に悪影響を及ぼす可能性もあるためお子さんがどれだけ忙しかったとしても、徹夜で勉強するのはできる限り避けましょう。
効率のいいおすすめの勉強法
ここからは効率のいいおすすめの勉強法を紹介します。一度に全てを実践しようとすると、大変に感じてしまう可能性もあるため、お子さんに合うものから少しずつ取り入れてみましょう。
- しっかりした学習計画を立てる
- 休憩時間を十分に確保する
- すきま時間を活用する
- ストップウォッチを使って勉強する
- 時間帯を決めて勉強する
- 友達や仲間と勉強する
- 音読しながら勉強する
- 録音して勉強する
- 分散学習を意識する
- 一冊の参考書を徹底して使う
- 教科書7回読み学習法を実践する
それでは、各項目を詳しく解説していきます。
しっかりした学習計画を立てる
効率的に勉強を進めるためには、まず学習計画をしっかりと立てましょう。学習計画を立てる際の具体的な手順は、以下の通りです。
手順 | 注意点 |
目標を設定する | 達成するために必要な小さな目標を立てる |
毎日確保できる勉強時間を確認する | 習い事の時間も考慮する |
一週間・一日ごとの学習計画を立てる | 紙に書いて見える場所に貼っておく |
たとえば、模試が2ヶ月後にある場合、「全教科80点以上」「苦手な算数は70点を目指す」などの目標を立てます。この時「毎日算数ドリル1ページ」「都道府県を全部覚える」など細かい目標や具体的な実践内容も設定してみてください。
毎日のスケジュールを考える時は、確保できる勉強時間を確認したうえで計画を立てましょう。一週間・一日ごとの学習計画は、紙に書いて見える場所に貼っておくと進捗を把握しやすくなります。
休憩時間を十分に確保する
学習計画を立てる時は、休憩時間も考慮した上でスケジュールを組むことが大切です。
小学生は集中力が長続きしない傾向にあるため、適度に休憩やリフレッシュをする必要があります。人によって集中力の持続時間は異なりますが、30分ほど勉強したら休憩するように計画を立てましょう。
休憩時間は以下のように過ごすと、気分転換になります。
- 軽く体を動かす
- 少量のおやつを食べる
- 水分をとる
- 目を閉じて休む
休憩時間の目安は5〜10分程度です。あまり長すぎると、休憩後のやる気が起きなくなるため注意しましょう。適度な休憩で気分がリフレッシュされると集中力を取り戻せて、効率よく勉強できます。
すきま時間を活用する
効率的に勉強したい場合は、すきま時間も積極的に活用してみてください。
集中力が長続きしないお子さんの場合、まとまった勉強時間を確保してもなかなか知識が定着しません。中には、習い事や塾でまとまった勉強時間をとるのが難しいお子さんもいるでしょう。
そこで、ちょっとしたすきま時間を使って勉強に取り組むと、時間が限られたお子さんでも学習効果が期待できます。
具体的には、以下の勉強法を取り入れてみましょう。
- 歯磨きをしながらことわざや慣用句を覚える
- お風呂の時に都道府県のパズルで遊ぶ
- ご飯を食べる前にドリルを1ページ解く
- 電車やバスなどの移動時間で暗記に取り組む
ポイントは、毎日の生活習慣に勉強をプラスすることです。特に暗記は、反復することで覚えられるため、毎日継続できるように習慣化させましょう。
ストップウォッチを使って勉強する
ストップウォッチを使って勉強すると時間を意識するようになるため、高い集中力を保てるでしょう。
この方法は「ストップウォッチ勉強法」と呼ばれており、以下の手順で実施します。
- 勉強開始から終了までの時間をストップウォッチで測る
- 計測した時間や学習内容を記録する
勉強時間を計測し、記録するだけのシンプルな方法ですが、継続することで自分自身の成長を実感できる点がメリットです。「昨日よりも長く勉強できた」「苦手な問題を短時間で解けた」など、様々な発見から自信につながるでしょう。
他にも、制限時間を設けることで、高い集中力を発揮できたり、緊張感を持ったり、ゲーム感覚で楽しんだりしながら勉強できる効果があります。
時間帯を決めて勉強する
自分が集中しやすい時間帯を決めて勉強する方法もおすすめです。朝・昼・晩それぞれの時間帯に合った勉強法を取り入れることで、効率的に学習できます。
一般的に、朝は一日の中でも特に脳が活性化する「ゴールデンタイム」といわれています。そのため、集中力や思考力が求められる算数の応用問題、過去問の演習は朝に取り組みましょう。
また、昼は眠くなりやすいため、休憩後に高い集中力が必要な長文読解や記述問題に挑戦してみてください。
そして、記憶力が高まりやすい夜は、暗記に時間をかけましょう。夜に覚えた知識を睡眠中に脳が整理することで、記憶に残りやすくなります。
ただし、中には上記の勉強法が合わないお子さんもいるでしょう。効率のいい勉強をするには、様々な方法を試しながら、お子さんにとって最適の時間帯を見つけることが大切です。
友達や仲間と勉強する
一人で勉強すると集中できる一方、飽きてモチベーションが下がる可能性もあります。
そこで、ときどき友達や仲間と集まって一緒に勉強してみるのもおすすめです。友達の頑張る姿が良い刺激となり、高いモチベーションで勉強に励めるかもしれません。
また、友達や仲間と勉強を教え合うことでアウトプットの機会ができ、内容理解を深められます。
小学生の場合、友達や仲間と勉強する時は以下の場所がおすすめです。
- 図書館
- 友達の家
- 公民館の自習室
- 自宅
無料で利用できる公共施設であれば、小学生のお子さんでも問題なく勉強できます。ただし、他の利用者も気持ちよく使えるよう、マナーについては事前に伝えておきましょう。
また、友達の家や自宅だと、親御さんの目も届きやすく安心です。
音読しながら勉強する
教科書や参考書を音読しながら勉強する方法も効果的です。勉強に音読を取り入れると、以下のような効果を得られます。
- 脳が活性化して記憶力が上がる
- 語彙力や読解力が身につく
- 勉強のモチベーションが高まる
音読のメリットは、文章を声に出して読むことで、脳が活性化されて記憶力が上がりやすくなる点です。黙読だけでは覚えられなかった知識も、音読によって記憶に定着する可能性があります。
また、音読するためには漢字の読み方や文の流れを理解しなければなりません。その過程で、語彙力や読解力が自然と身につくでしょう。
さらに音読は、勉強のモチベーションを高めたい場合にも効果的です。お子さんの気分が乗らない日は、あえて音読を取り入れることでやる気を引き出しましょう。
録音して勉強する
音読しながら勉強する時、それを録音して後から聞き返すと、さらに効率よく知識を覚えられます。
音読を録音して勉強する際は、以下の手順に従いましょう。
- 勉強のやる気が起きない日、教科書やテキストを1ページ分音読・録音する
- 録音した音声を、すきま時間に繰り返し聞いて学習する
音読する時間が長いと飽きやすく、内容を十分に理解できない可能性があります。そのため、音読・録音の時間は5分程度を目安にしましょう。
録音した音声を聞くタイミングは、すきま時間がおすすめです。ただし「ながら勉強」にならないよう注意しましょう。
内容を理解できるようになったら、文章をそのまま読むのではなく、自分なりの言葉で解説した音声を録音する方法もおすすめです。
分散学習を意識する
学習内容を覚えるには、繰り返し勉強することで知識を定着させる「反復学習」が効果的です。ただし、効率性を求める場合は、適度に時間を空けた上で反復学習を行う必要があります。
同じ学習内容について、適度な時間を空けて繰り返し覚える勉強法を「分散学習」といいます。一日の中で何度も反復するのではなく1日後、3日後、5日後……と時間間隔を空けて復習するのが特徴です。
覚えた知識を忘れかけた頃に反復することで思い出そうとする作業が増えるため、記憶の定着につながりやすくなります。
分散学習を行う時は、徐々に時間間隔を長くするのがポイントです。「忘れかけた頃に思い出す」という過程が重要なので、短いスパンで反復するよりも高い効果が期待できます。
一冊の参考書を徹底して使う
効率よく勉強を進めて学力を上げるためには、一冊の参考書を徹底して使うことをおすすめします。
たしかに、何種類も参考書があると様々な問題に取り組めるでしょう。しかし、参考書ごとに解説の仕方は異なるため「どれが正しいのかわからない」と混乱する可能性があります。
参考書を使う時は、一冊を何周もすることを前提に用意しましょう。
大抵の場合、一周目で全問正解することはありません。何度も繰り返し問題を解き、正答率を上げながら内容を理解することが大切です。
なお、参考書はお子さんの学力に合ったものを選び、一冊目を徹底的に繰り返し解いた後に徐々にレベルの高いものにしていきましょう。苦手分野の場合は、図解が見やすいものを選ぶと、スムーズに内容を理解できます。
教科書7回読み学習法を実践する
「教科書7回読み学習法」とは、東京大学法学部を首席で卒業した山口真由さんが提唱する学習法です。
この学習法では以下の手順で教科書を7回読み、知識を定着させます。
回数 | やること |
1回目 | 各章のタイトルや見出しを拾い読みする |
2回目 | 漢字を意識しながら全体を流し読みする |
3回目 | 2回目と同じ要領で読む |
4回目 | 頻出する単語や用語を意識し普通のスピートで読む |
5回目 | キーワードの間にある説明文を意識して読む |
6回目 | 具体的な事例に着目して読む |
7回目 | 頭の中に情報を定着させる |
教科書7回読み学習法を実践すると、視点を変えながら繰り返し同じ情報を頭に入れるため、徐々に内容理解を深められます。すきま時間も活用して、効率的に勉強しましょう。
【教科別】効率のいい勉強のコツ
各教科の勉強を効率よく進めるコツについて、下記の表にまとめました。
教科 | 効率のいい勉強のコツ |
国語 | 漢字は読み方や意味を理解してから書き方を覚える 文章を読む時は接続詞を意識する |
算数 | 基礎的な計算力を身につける 問題文を理解する読解力も鍛える |
理科 | 興味のあることから理解を深めていく まとめノートを作る |
社会 | 地理:反復学習で少しずつ暗記する 歴史:教科書を反対から読んでいく 公民:日常生活と結びつける |
英語 | 英単語の暗記を中心に勉強する 音読とすきま時間の反復学習を行う |
特に効率を上げたい教科から、少しずつ実践してみましょう。
国語
国語を効率的に勉強するコツは、以下の2点です。
- 漢字は読み方や意味を理解してから書き方を覚える
- 文章を読む時は接続詞を意識する
漢字の読み方がわからないと、問題文が読めません。また、漢字の意味を理解していなければ、文を書く時に正しく使えないでしょう。
漢字を勉強する時は、読み方や意味を辞書で調べてから書き方を覚えるほうが効率的です。
次に国語の文章を読む時は、接続詞を意識すると内容を理解しやすくなります。たとえば、「なぜなら」の後は理由が述べられる傾向にあります。「だから」の後は、結論が書かれると予想することができます。
日頃から接続詞を意識して読む癖をつけておくと、読解力が身につき効率的に勉強できます。
算数
算数の勉強では、以下の2点を意識しましょう。
- 基礎的な計算力を身につける
- 問題文を理解する読解力も鍛える
中学受験の算数では、問題を素早く正確に解く計算力が求められます。そのため、まずは基本問題の演習を繰り返して基礎を固めることが大切です。
時間をかけても問題が解けないときは、難易度を下げたりつまずくポイントを見つけたりしましょう。場合によっては、前の単元からやり直す方法もおすすめです。
また、中学受験の算数では長文かつ複雑な問題が出されるため、読解力も求められます。問題文は読み飛ばさないよう意識したり、重要な数値には印をつけたりして正しく読む力を鍛えましょう。
理科
理科の勉強をする時は、以下の2点を心がけると効率が上がります。
- 興味のあることから理解を深めていく
- まとめノートを作る
小学校の理科は実験が多いため、お子さんが「楽しい」と感じやすい教科です。しかし、勉強になると暗記が多く苦手意識を持つ可能性があります。
そこで、まずはお子さんが興味のある分野から勉強を始めると、徐々に抵抗感をなくせます。図解や写真が豊富な参考書があると、スムーズに覚えられるでしょう。
また、重要なポイントや図解を書き写した「まとめノート」を作る方法もおすすめです。実際に自分で書きながらモノの仕組みを理解できるため、学力向上の効果も期待できます。
社会
小学校の社会で学習する内容は「地理・歴史・公民」の3分野です。各分野では、以下の方法で効率よく勉強しましょう。
- 地理:反復学習で少しずつ暗記する
- 歴史:教科書を反対から読んでいく
- 公民:日常生活と結びつける
地理分野は都道府県や地図記号など、覚える項目がたくさんあります。そのため、反復学習で少しずつ知識を身につけるようにしましょう。
歴史分野では、出来事の流れを理解するために教科書を反対から読んでみてください。身近な歴史から遡ることで「なぜこの出来事が起きたのか」をスムーズに理解できます。
公民分野は、日常生活と結びつけながら学習すると知識の定着が早まります。ニュース番組や新聞を有効活用し、政治の仕組みや時事問題について学びを深めましょう。
英語
中学受験で出題される教科は「国語・算数・理科・社会」の4つですが、最近は英語で受験が可能な中学校も東京を中心に増加傾向にあります。
英語を勉強する時は、下記の学習法を取り入れましょう。
- 英単語の暗記を中心に勉強する
- 音読とすきま時間の反復学習を行う
英単語は、英語の基礎となる部分です。語彙力がなければ文章問題も解けないため、まずは英単語の暗記を中心に勉強を進めましょう。
英単語を暗記する時は、単語帳やアプリなどが使えます。お子さんに合う方法を選ぶと集中力が高まり、効率的に覚えられるでしょう。
また、英単語を覚える際は音読したり、すきま時間で反復学習したりする方法も効果的です。正しい発音を確かめながら暗記する場合は、CDや電子辞書なども活用してみてください。
効率のいい勉強をするための注意点
より効率のいい勉強をするためには、次の6点に気をつけましょう。
- 積極的なアウトプットをする
- 睡眠時間を確保する
- わからない問題は答えを見る
- 勉強方法が自分に合っているかをチェックする
- 継続できるような工夫を
- 時間短縮を意識する
これまでに解説した勉強法と合わせて、上記も意識してみてください。
積極的なアウトプットをする
新しい知識を覚える時は、インプットよりもアウトプットを積極的にしましょう。勉強におけるインプット・アウトプットの違いは以下の通りです。
意味 | 学習方法 | |
インプット | 情報や知識を取り込む | 先生の話を聞く 教科書を読む 動画を視聴する 実験の様子を見る |
アウトプット | 取り込んだ情報や知識を外に出す | 人と話す ノートに書く 実験する 人に教える 問題を解く |
覚えた知識を意識的にアウトプットすると、脳内にある情報を整理しながら言語化するため、より理解を深められます。
勉強におけるインプット・アウトプットの割合は「3:7」が理想です。勉強中は積極的にアウトプットの学習方法を取り入れ、知識を自分のものにしていきましょう。
睡眠時間を確保する
勉強の効果を上げるためには、睡眠時間の確保も重要です。優れた勉強法を実践しても、寝不足だと集中力がすぐに切れるため効率が悪くなってしまいます。
学校の授業も身に入らなくなり、成績が下がることもあるでしょう。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」によると、小学生に必要な睡眠時間は9〜12時間とされています。
また、睡眠は体を回復させるだけでなく、勉強で覚えた知識を定着させるはたらきもあります。常に良いコンディションで勉強に取り組むためにも、毎日の睡眠時間は十分に確保しましょう。
わからない問題は答えを見る
どれだけ考えてもわからない問題については、思い切って答えを見ましょう。
限られた時間の中で効率よく勉強を進めるためには、無理せず諦めることも肝心です。難易度が高すぎたり、暗記が必要だったりする問題は長時間考えても意味がないため、答えを見て解法を学びましょう。
答えを見る時のポイントは「どこで」「どのように」「なぜ」つまずいたのかを把握することです。これらのポイントを意識しながら答えを確認すると、自分の苦手分野がわかり解き方のコツを身につけられます。
そして、再び挑戦した時に自力で解けるようになれば、大きな自信につながるでしょう。
勉強方法が自分に合っているかをチェックする
効率よく勉強するためには、今の方法がお子さんに合っているかチェックしてみてください。学習効果が期待される勉強法であっても、相性が合わなければ効率が悪くなってしまうためです。
たとえば、音読しながら勉強する方法は知識の定着に効果的ですが、書くほうが覚えられるお子さんも中にはいるかもしれません。また、友達と勉強するより、一人で黙々と取り組むほうが頑張れるお子さんもいるでしょう。
今の勉強方法がお子さんに合っているか、学習の様子を見たり実際に聞いたりしながら確かめてみてください。合わない場合は無理に続けず、別の勉強法を試してみましょう。
継続できるような工夫を
勉強は短時間で集中的に取り組むよりも、毎日少しずつ継続するほうが学力向上に効果があります。無理のない範囲で勉強を習慣化するために、以下の方法を実践してみましょう。
- 一日の簡単な目標を設定する
- 毎日のルーティンに勉強を組み込む
- すきま時間に勉強できるような道具を用意しておく
勉強をする時は、一日でクリアできる簡単な目標を設定しましょう。勉強時間の確保が難しい場合は「歯磨き」「お風呂」など、毎日のルーティンに学習を組み込むのがおすすめです。
勉強アプリや単語帳など、すきま時間に勉強できる道具を用意しておくと、短時間でも毎日継続できます。
勉強を習慣化することで、着実に知識が定着し学力も向上するでしょう。
時間短縮を意識する
勉強を効率化するためには、無駄な時間を削り必要な学習に時間をかけることが大切です。そのため、勉強をする時は常に時間短縮を意識して取り組むようにしましょう。
たとえば、机に座ってもスマホを触ったり漫画を読んだりして、勉強開始が遅れるのはよくあるパターンです。この場合、無駄な時間を短縮するためには「スマホの電源を切る」「漫画は棚にしまう」などの対策が考えられます。
勉強中も、お子さんのやりやすい方法で学習内容をインプットするのが大切です。「書く」「読む」「声に出す」「聞く」など様々な方法から、お子さんに合った方法で勉強に取り組みましょう。
そうすることで、余計な時間をかけず効率的に必要な知識を覚えられます。
集中力を高める学習環境づくりのコツ
効率のいい勉強をするためには、集中力を高めるような学習環境づくりも重要です。ここでは、お子さんが勉強に集中できる学習環境づくりのコツを4つご紹介します。
- 机の上を整理する
- スマホを近くに置かない
- 正しい姿勢で勉強する
- 眠くなったら仮眠をとる
お子さんが勉強に集中できない時は、学習環境を一度見直し、必要に応じて改善しましょう。
机の上を整理する
机の上が散らかり、不要なものが置かれている学習環境は、集中力が途切れる原因になります。そのため、勉強前に机の上を整理し、余計な視覚情報を減らすことが大切です。
たとえば、お菓子や漫画、ゲームなど、お子さんの気が散りそうなものは机に置かず、棚にしまうなどして見えない場所に片付けましょう。
お子さんがリビングで勉強している場合、家族がテレビやスマホを見ているだけでも集中できなくなる可能性があります。机の上だけでなく、周りの音もできるだけ排除するように家族で協力しましょう。
勉強道具については「今使うもの」だけを出すようにします。「算数では算数に必要なものだけ出す」「国語の勉強をする時は算数の道具をしまう」など、整理整頓を心がけてください。
スマホを近くに置かない
学習環境を整えるためには、スマホを近くに置かないことも重要です。
スマホの電源がついた状態で見える場所にあると、通知が来るたびに集中力が途切れたり、触ってしまう可能性があります。そのため、スマホは勉強前に電源を切り、見えない場所に置くようにしましょう。
この時、ポケットの中など、お子さんの手が届きやすい場所は避けるようにします。近くにスマホがあると、視界に入っていなくてもつい手を伸ばしてしまうためです。
効率よく勉強するためには、スマホを近くに置かないよう徹底し、使う場合も事前に約束を決めておきましょう。
正しい姿勢で勉強する
正しい姿勢で勉強すると脳の働きが活発になり、集中力が高まるといわれています。その他「眠くなりにくい」「ストレス軽減」など、正しい姿勢で勉強するメリットは様々です。
お子さんが良い姿勢で勉強するために、親御さんは勉強机と椅子の大きさ・高さを適切なサイズに調整しましょう。机は、座った時にひじを90度曲げられる高さが理想です。椅子については、足裏全体が床につき、ひざが90度曲げられるサイズを目安にします。
姿勢は日頃の習慣によって身につくものです。食事の時やテレビを見る時も、正しい姿勢で座るように意識しましょう。
眠くなったら仮眠をとる
何時間も勉強をしていると疲れが溜まり、どうしても眠くなってしまう場面はあります。この時、無理に勉強を続けても効率が悪くなってしまうため、仮眠をとるようにしましょう。
勉強中の仮眠には、以下のメリットがあります。
- 勉強した内容を脳に定着させられる
- 仮眠後の集中力が上がる
脳が睡眠中に情報を整理し、記憶に定着させる働きをするのは夜だけではありません。日中に仮眠をとった場合も、学習内容を記憶してくれます。
また、仮眠中に脳内を整理することで頭の中がスッキリし、集中力が上がる点もメリットです。仮眠で勉強時間は減るものの、脳が活性化されて結果的に効率よく学習できます。
なお、仮眠は10〜15分程度を目安に、布団とは別の場所でとりましょう。
まとめ
本記事では、効率のいい勉強法についてご説明しましたが、特に大切なポイントは次の3つです。
- 作業だけで満足したり「ながら勉強」をしたりすると、勉強効率が悪くなる
- 学習計画を立て、音読や反復学習を意識的に取り入れると効率よく勉強できる
- 勉強の効率を上げるには、休憩時間や睡眠時間をとることも大切
どの方法がお子さんに合うか、親子で相談しながら少しずつ実践してみましょう。
本記事の内容をもとに、親御さんやお子さんにとって最適な勉強法を見つけ、成績の向上や中学受験に向けてより一層効率のいい勉強ができるお役に立てれば幸いです。