学力の絶対性と成績の相対性

中学入試における合否の性質

入学試験には定員があり、得点が高い順に合格することになりますね。いわゆる相対評価です。これに対して、特定の点数であれば合格となる試験については、絶対評価とよばれます。中学入試については、ほぼ相対評価ですので、「他のお子様との競争」という概念が生まれるのでしょう。

成績の相対性

極端な例だと、全員が「みんなで0点とるぞ!!」と約束すれば、明確な合格者を出すことが困難になります。運がよければ合格するかもしれませんが、まず間違いなく裏切り者がでますし笑、受験妨害とかになるので、やらないでください。間違っても、「このブログに書いていたんだよ!!」なんて言わないでくださいね。学習塾としては即死案件です笑

要するに、他のお子様の影響を受けるわけです。自分一人の点数では決まらない。だから、成績は相対的であるわけです。

ただ、この相対評価を例外的にすべて無意味にしてしまえるのが、満点。満点とれば、まず間違いなく1位です。もちろん合格でしょう。満点でも合格できなかったら、その年度の合格者はいなくないますからね。

ただこれまた例外が笑。中学への算数「学力コンテスト」。これに関しては、満点とっても1位にならなかったりします。出題趣旨の正確な読み取りや題意に沿った解法であるか等が評価の対象となり、同じ得点でも順位がかわります。でもまあ、満点だったら大喜びすべきだと思います。

学力の絶対性

これに比べて、学力は絶対的なものです。

ある分野についての理解が現時点において十分か否か。これだけでは、不明瞭ですね。

「現時点において十分か否か」の判断基準が明確ではないからです。唯一ほぼ絶対的な指針となる可能性があるのが、灘をはじめとする最難関校の問題を初見で解けたことでしょう。それでも十分な基準ではなく。

結局のところ、端的に、「今まさに目の前で解いている問題ができたかできなかったか」。これだけの話に帰結してしまいます。

結論

成績は相対評価なので、周囲を意識しがちです。

でも、学力は絶対的なものですので、学力向上に関して、周囲への意識っていらないんです。つまり、競争という概念が必要不可欠なものではないということです。もちろん、競争原理を持ち込みモチベーションをアップさせ、勉強をすることにより成績が上がるということもあるので、不要とまでは言えません。

確かにそれでもいいのかもしれません。ただ、本質的ではないのです。

学力が絶対性であるがゆえに、「中学受験がすべてではなく、過程にすぎない」ということに帰結するのかと思われます。

弱冠10歳ちょっとのお子様たちに要求するのは酷かもしれませんが、

「自分の中で全力でどれだけのことをどれだけやれたか」というのが、合格に近づくというのはもちろんのこと、結果がどうあれ、いい思い出になるという副産物を与えてくれるのでしょう。

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