中学受験はいつから準備すべき?いつから何をすればよいかを徹底解説!

中学受験はいつから準備すべき?いつから何をすればよいかを徹底解説!

ここ数年、私立中学への進学の人気が高まり、多くの親御さんがお子さんの将来のことを考える際に、中学受験という選択を検討されるのではないでしょうか。

しかし、中学受験の準備をいつから始めるべきか、どのタイプの塾が良いのか、どのような対策をしたら良いのかなど、中学受験に関する疑問が次々と浮かんでくることと思います。

中学入試は出題される範囲が広く、小学校の授業だけでは不十分なため、早くから受験対策用に勉強をする必要があります。また、お子さんが学びやすい環境づくりや、親御さんのサポートが受験の成功に向けての非常に重要な要素と言えます。

この記事では、そんな中学受験の準備をいつからどのようにすれば良いのかという悩みを持っている親御さんに向けて、詳しく解説していきます。ぜひご参考になさって下さい。

中学受験の準備はいつから始めれば良い?

中学受験の準備はいつから始めれば良い?

中学受験では、単なる膨大な知識の暗記ではなく、その知識を応用しながら問題解決をしていく思考力・論理力が求められています。

受験勉強に取り組む期間が短いほど、詰め込み型の勉強になりがちで、せっかく身に着けた知識もすぐに忘れてしまう可能性が高くなります。受験後にもお子さんご自身でしっかりと生きていく力を育てていくためにも、しっかりと計画を立てた準備が欠かせません。

最も多いのは新小4(小3の2月)から

中学受験の準備に塾に通い始める時期として最も多いのが、4年生(3年生の2月ごろ)です。このタイミングが多い理由は、「中学受験に要する学習範囲を網羅的にカバーするには3年程度必要であること」「4年生になると勉強の難度が上がること」が挙げられます。

早期に学習習慣を身につけ、基本的な学力を確立するという意味では、早めに準備を始めておくのに越したことはありません。

しかし、子どもによっては、あまり早い時期から厳しい勉強を始めると、受験勉強疲れや勉強嫌いになってしまう可能性もあります。そうなってしまうと、中学受験どころではなくなってしまいます。早すぎるアプローチには慎重さが求められます。お子さんの気持ちを尊重しながら、良い環境を準備してあげることが非常に大切です。

では、これらの理由について詳しく見ていきましょう。

理由1:中学受験に要する学習範囲を網羅的にカバーするには3年程度必要である

中学受験には広範囲な知識が必要であり、全部を網羅するには最低でも3年程かかると言われています。この3年では、以下のような段階的な学習が理想的です。

  • 4年生:塾での学習に慣れ、日常的な学習習慣を築きながら基礎学力を固める
  • 5年生:広範な知識の習得に努め、反復練習によって確実な実力をつける
  • 6年生:志望校を定め、学校に合わせた受験勉強を行いながら、実践的な受験テクニックを身に着ける

さらに、難関校を目指す場合、試験では単に知識の量を問われるだけではなく、その知識を使った応用問題によって、論理的な思考力が求められます。知識を詰め込んだ学習だけではなく、より実践的で多様な力が必要とされるのです。そのため、中学受験には3年程度の準備期間が必要であると言われています。

理由2:4年生になると勉強の難度が上がる

4年生になると、勉強の難度が一気に上がります。

例えば、算数において、3年生までは単純計算だけだったものが、今まで習った四則計算を応用した大きな数の計算や分数の計算に取り組むようになります。さらには、グラフの読み取りや分度器の使用など、日常生活から少し離れた学習内容へと変化するのです。

また、4年生の国語では、小学校6年間の中で最も多くの漢字を学習します。文章の構造を理解するための修飾語・被修飾語を学び、筆者の主張を捉えて理由を示しながら自分の考えを組み立てる力も求められます。

このように学習の難度が上がり、さらに授業数も増えるのが4年生です。そのため、お子さんの負担が増え、勉強への意欲が低下しやすい時期であり、十分な準備期間が必要とされます。

さらに、「小4の壁」とも言われるこの時期は、自己肯定感が揺らぎやすく、他人と自分を比較してしまいやすいものです。

ここで重要なのは、「自分で問題を解決する力」を身に着けることです。自分で解決しようとする力を養うアプローチを心がけましょう。

5,6年生から始めて成功する例もある

4年生(3年生2月)から、中学受験に向けて学習を本格的に始めるのが良いとされていますが、5,6年生から勉強を始めて中学受験に成功する例も十分にあります。

  • 塾以外でも計画的に勉強できる
  • 勉強そのものを楽しんでいる
  • 受験への熱量が高い
  • 基礎学力が身についている

このような特徴があれば、5,6年生からスタートしても中学受験を成功させることは十分に可能です。また、お子さんの性格や個性・やる気次第で、最適な学習スタート時期は変わります。

さらに、低学年からコツコツと積み上げていく方法、短期で集中して一気に学習を進める方法、どちらの方法がお子さんに合っているのかによっても異なります。

いずれにせよ、大切なのは、お子さん自身が中学受験という目標に対してどのように取り組むかということです。中学受験という目標を親御さんと共に明確にした上で、その達成に向けて協力して取り組んでいきましょう。

小学3年生より前から準備する家庭もある

小学3年生より前から中学受験に向けて準備する家庭もあります。理由は、中学受験で思考力・論理力を問われる問題が増え、小さいときからの学習習慣や社会体験が後の教育に大きく影響を与える場面が増えたからです。

具体的には、以下のような準備が重要です。

  • 規則正しい生活・学習習慣を身につける
  • 読み書きと計算の基礎を固めておく
  • 読書や運動を通じて、生活・社会体験を積み、自己表現の機会を増やす
  • お子さんの興味・得意な教科・夢など、学ぶことについて一緒に探求する

このように学びの基礎となる部分を低学年から豊かにしていくことで、「もっと学びたい」「もっと理解したい」という学習への意欲を持つための基盤を築きます。

また、お子さんの得意な部分や、興味を引き出して学習に対するポジティブな姿勢を育むことも非常に重要です。なんでも吸収できる低学年の時期に良質な学びの基礎を作っていけると良いでしょう。

中学受験するにはいつから塾に通えば良いのか

中学受験するにはいつから塾に通えば良いのか

中学受験するにあたっていつから塾に通うのが適切なのでしょうか。

前述した通り、詰め込み学習ではなく、基礎力の上に論理的な思考力を身につけることが必要なことと、4年生から一気に勉強が難しくなってくることから、4年生(3年生の2月)の時期の入塾が最も多くなります。

この「小4の壁」を乗り越えるためにも、受験勉強が本格化する前に塾での学習に慣れておくと良いでしょう。4年生(3年生の2月)から始めていれば、一定量の宿題に取り組む習慣ができ、学習サイクルも確立できるため、受験勉強が本格的に始まってもスムーズに進みやすくなります。

また、塾選びについては、実績・アクセス・授業内容や、進行スピード・授業料・校舎の雰囲気や学習レベルも押さえておきたいポイントです。

塾選びに関しては、「中学受験のための塾選びに必要な情報をまとめてお届け【関西版】」で詳しく解説しています。

中学受験する際に塾に通うメリット

中学受験する際の塾に通うメリットは、以下の3つがあります。

  • 中学受験に関する情報を得られる
  • 中学受験を知り尽くした指導力
  • クラスメイトと切磋琢磨できる

それぞれの項目で具体的に解説していきます。

中学受験に関する情報を得られる

塾は中学受験に関する専門家が集まり、豊富な情報を提供している場所です。様々な学校についての最新の入試情報や、学校の詳細、中学受験に関するリアルな情報を得られます。学校によって異なる入試問題・出題傾向・難易度について詳しく学び、志望校に特化した対策ができます。

このような専門的な知識をもとに、お子さんの苦手分野を克服するための個別指導を実施している塾もあります。志望校に合格するための勉強法や、入試で得点を上げるためのテクニックなども教えています。

さらに、適切な教材選びの情報収集も可能です。適切な教材を使って勉強をすれば、受験勉強の効率が向上し、自宅での受験勉強に役に立つでしょう。受験に関する適切な情報を得て、受験対策に備える上で、塾は非常に重要な役割を果たします。

中学受験を知り尽くした指導力

自力で学習を進める、あるいは自分の弱点を自力で把握するのは非常に難しいことです。さらに、志望校合格のためにお子さんにとって必要な勉強量を家庭で判断し、計画を立てるのも一筋縄ではいきません。

塾では、受験のために必要な学習内容のカリキュラムが計画的に組まれているため、効率よく・徹底的に受験対策ができます。

特にレベルの高い中学校の入試においては、学校の授業では習わない応用的な内容が出題されることが多くなります。基礎を固めながら、応用にもしっかりと備えることを自分で進めていくには難しいでしょう。このようなことから、中学受験を知り尽くした指導力のある塾へ通うメリットは大きいと言えます。

クラスメイトと切磋琢磨できる

塾では、受験に向けて一緒に頑張る仲間に出会えるため、共に勉強する刺激が得られます。仲間ができることで、「一緒に勉強しよう」と声をかけ合い、教え合いの輪が広がっていきます。塾で勉強する習慣が身につくことはもちろんのこと、仲間と一緒に理解を深めながら勉強できるでしょう。

また、学習能力や受験に対するモチベーションが高い人と同じ環境で学ぶことで、「自分も頑張ろう」というモチベーションアップが狙えます。受験勉強への意欲の維持や成績の向上にも期待ができます。

さらに、日常、自分の通っている学校ではあまり出会うことのない様々な人と友達になることで、意欲の維持や成績の向上だけではなく、人としての幅を広げられる機会にもなります。新しい仲間との出会いによって、社会性や人間性が高められ、勉強だけではない成長が期待できます。

【性格別】どのタイプの塾に通えば良いか

【性格別】どのタイプの塾に通えば良いか

最近ではたくさんの塾があり、「どれがお子さんに合うのか」「どこを選んだら良いのか」悩むのではないでしょうか。塾のタイプには主に以下の3つがあります。

  • 集団指導塾
  • 個別指導塾
  • 家庭教師

お子さんの性格によって、合う塾のタイプは異なります。お子さんに合わない塾を選んでしまうと、勉強に対するモチベーションの低下に繋がるため、お子さんの特性や性格に合わせてしっかりと見極めることが大切です。

集団指導塾がおすすめのお子さん

集団指導塾がおすすめのお子さんの特徴は、以下の通りです。

  • 基本的な学校で習った内容をきちんと理解している
  • 負けず嫌いで競争心がある
  • 自ら進んで自宅でも勉強を継続できる
  • 塾のカリキュラムに合わせて進められる
  • 分からなかった部分を積極的に質問できる
  • 周りの環境や仲間からの影響を受けやすい

このように勉強に対しての意欲があり、自立して勉強を進められる特徴があるお子さんは集団指導塾で順調に成績を伸ばしていけることでしょう。

また、集団指導塾は、仲間がいることが非常に大きなメリットです。仲間と教え合うことで理解が深まり、切磋琢磨しながら前向きに勉強に取り組むことができます。仲間同士で良い影響を与えあうことは、大きなモチベーションに繋がるのではないでしょうか。

個別指導塾がおすすめのお子さん

個別指導塾がおすすめのお子さんの特徴は、以下の通りです。

  • 自宅での勉強習慣が身についていない
  • 集団の中では物怖じして質問ができない
  • 極端な苦手科目がある
  • 自分のペースで物事を進めていきたい

個別指導塾の最大のメリットは、一人ひとりに合わせたきめ細やかな指導が受けられることです。集団指導塾では、講師の時間が他の生徒へと分散されがちです。しかし個別指導塾は、一人ひとりに多くの指導時間をかけてもらえます。

特に、極端に苦手な教科がある場合、集団の中で取り組んでいくことには限界があります。個別指導塾であれば、1問ずつ時間を掛けてしっかりと指導してもらい、自分のペースで進めることが可能です。
自分にあった志望校対策や苦手を克服したいという人は、個別指導塾で確実に力をのばしていくことができるでしょう。

家庭教師がおすすめのお子さん

家庭教師がおすすめのお子さんの特徴は、以下の通りです。

  • 塾よりも習い事を優先したい
  • 自分に最も合うスピードと内容で、勉強を進めたい
  • 自分からなかなか質問ができない
  • たくさんの人がいる場所に行きづらい

家庭教師は1対1の指導で、自分の苦手に対して1つずつ徹底的にアプローチします。また、勉強の他に一生懸命取り組んでいる習い事がある場合、通学の手間を省くことができるのは最大のメリットです。その他にも、たくさんの人がいる環境が苦手なお子さんや、通塾が難しい状況の家庭にとってもおすすめです。

一方で、1対1での指導になるため、教師との相性が非常に大切です。お子さんの性格や特性に寄り添える家庭教師を見つけることで、苦手を克服しながら成績アップが期待できます。

低学年(1~3年生)で意識したい中学受験対策

低学年(1~3年生)で意識したい中学受験対策

中学受験に向けて低学年で意識して取り組みたい対策は、以下の通りです。

  • 知的好奇心を刺激し、学習への意欲を高める
  • 読み書き計算を通じて学習習慣をつける
  • 本や映画に触れる

本格的な勉強に低学年から取り組むと、勉強嫌いになってしまう可能性があります。そのため、受験対策のための勉強よりも、お子さん自らが考える基礎的な力を養うことが大切です。

知的好奇心を刺激し、学習への意欲を高める

子どもは本来、好奇心が旺盛です。自分の知らなかった新しい世界を知る面白さや、一生懸命頑張ることで理解に到達したときの「わかった!」という喜びに、目を輝かせます。様々なことに触れ、経験することで、学びへのモチベーションがさらに高まります。

具体的には以下のようなことへの取り組みがおすすめです。

  • 家のお手伝いをする
  • 公園で遊び、自然や動物と触れ合う
  • 科学館や博物館を訪れ、歴史や科学の不思議を探求する
  • 国内外問わず旅行へ行き、様々な地域や文化に触れる
  • サマースクールに参加するなど、異文化交流を体験する

初めて経験することに対して、「なぜこうなるのだろう?」という疑問がわき、自然と知的好奇心が刺激されることでしょう。そして、知らなかったことについて「なるほど」という発見が増え、これが新しい学びの喜びへとつながります。こうして、受験に必須とも言える学びの土台を構築できるのです。

読み書き計算を通じて学習習慣をつける

読み書き計算は、すべての学習の基礎になるものです。そのため、この時期にしっかりと身につけておくことで、お子さんの学習成果に大きな差をもたらします。特に、スピーディーかつ確実にできるようにしておけば、どの問題にもスムーズに取り組めます。

中学受験対策に取り組む際につまずいてしまうお子さんの多くは、この基礎的な力が十分に定着しておらず、途中で諦めてしまうタイプです。

また、学年が上がるにつれて学習量はどんどん増えていきます。読み書き計算を確実に早くこなせなければ、十分な量の問題を解く時間を確保できず、学習のスピードに追いつけなくなってしまうでしょう。最近では、中学受験に向けたカリキュラムも前倒しで進められる傾向にあります。

より難度の高い問題に取り組めるようにするには、文章を正確に早く読む読解力・速くて綺麗な筆記スキル、迅速な計算能力を身につけることが非常に大切です。

本や映画に触れる

本や映画に触れることは、子どもの思考力・論理力を身に着ける上で非常に有益です。

本を読むことは、漢字や日本語の単語の勉強に自然とつながります。読めない字や意味を知らない言葉を調べるという習慣作りをすれば、学習習慣の基礎が身に付きます。また、漢字の知識や語彙力も増えることでしょう。

物語では、「登場人物は、このような気持ちになったのだろう」と感情の理解を深めることで、読解力や考察力が身に着きます。また、図鑑などの専門書を読むことで「もっと知りたい」「なぜこうなっているんだろう」という知的好奇心が刺激されます。知識と知識が繋がっていくと、面白い・楽しい・もっと分かりたいという学びの気持ちが低学年のうちから広がっていくことでしょう。

映画を観ることは、登場人物の気持ちや物事の道筋について考えることの助けになり、思考力が身に着きます。さらに、映画で描かれた場所へ実際に行ってみたくなるなど、さらなる探求心を促します。

低学年のうちに本や映画に触れることは、単に中学受験の対策になるだけではなく、人間性も豊かに育むことでしょう。

高学年(4~6年生)で必要な中学受験対策

高学年(4~6年生)で必要な中学受験対策

高学年(4〜6年生)に進むと、一段と勉強が難しくなります。そのため、徹底した基礎を固めるところから、受験本番に近い応用問題まで、本格的な中学受験の対策を始める必要があります。

塾に通うことも検討しつつ、高学年で特に意識すべき対策をまとめました。学年ごとに見ていきましょう。

小学4年生時の対策

4年生からするべき対策は、以下の通りです。

  • 丁寧に問題を読み解く習慣をつける
  • 受験に必要な教科の基礎学力を定着させる

このように、4年生では学習の土台作りをしていきましょう。難度の高い、中学受験の問題に対応するための準備が必要です。では、具体的な内容を見ていきましょう。

丁寧に問題を読み解く習慣をつける

3年生までは、比較的簡単な問題が多く、高得点が取れるかもしれません。しかし4年生になると、だんだん問題が複雑になり、難度が一気に跳ね上がります。そのとき「今までできていたのにどうして…」と不安になってしまうお子さんも増えてきます。この変化に対応するためにも、丁寧に問題文を読み、集中して解く学習習慣をつける事が大切です。

具体的には、学校の宿題やワークなどの丸つけをした後に、間違えた箇所を見直すことが効果的です。どのような部分が間違っていたのか・なぜ間違えたのかを親御さんや塾の先生と一緒に復習しましょう。問題を1つひとつ解決することで、分からないまま放置することがなくなります。苦手を作らない対策にもなり、どんどん力がついていきます。

受験に必要な教科の基礎学力を定着させる

「先取りした学習をさせたほうが良いのではないか」と思われる親御さんもいらっしゃるかもしれません。しかし、4年生のうちに基礎学力を定着できていないと、後に大きな差となっていきます。

特に、関西の私立中学校受験の場合、3教科(国語・算数・理科)の基礎学力をつけることが大切です。また、力を定着させるには、主体的に学習に取り組める環境や、お子さんがモチベーションを高く保てるような親御さんのサポートが必要です。
また、4年生くらいから、中学受験に対応した模擬試験を受け始めると良いでしょう。お子さんの学力のレベルを把握できる上に、志望校を選んでいく際の指針にもなります。

小学5年生時の対策

5年生からするべき対策は、以下の通りです。

  • 自分で問題を解決できる力をつける
  • 5年の前半に興味がある学校の見学に行く
  • 志望校に合わせた学習計画を立てる

自分でしっかりと問題を解く力をつけながら、少しずつ志望校を意識していくことが大切です。また、志望校に合わせた学習の計画を立て、しっかりと準備をしていきましょう。

自分で問題を解決できる力をつける

4年生でしっかりと基礎を固めたら、5年生では自分で問題を解決できる力を身に着けられるようになると良いでしょう。

5年生からは、解き方を組み合わせて問題の解決に導く解法パターンが出てきます。そうすると学習内容がさらに複雑になってきます。単純な暗記・覚えたパターンで解く勉強法では、通用しなくなってしまいます。

出題範囲の広い複雑な問題に対応できるようになるために、与えられた問題を解いて答え合わせするだけでは不十分です。「どのような過程を経てその答えになるのか」「自分はどうして間違ったのか」と、問題を解くプロセスを自分で考えられるような学習を行っていくことが大切です。

このように、自分で考えながら問題を解き、間違えた部分について繰り返し学習をすることで、自主学習の効率が上がります。こうした学習は、内容の理解を深めながら知識の定着へと結びついていきます。

また、受験校を視野に入れながら模擬試験を何回か受けていきましょう。力がついているのかどうかや苦手なポイントを把握していくことで更なる成績の伸びに繋がります。

5年の前半には興味がある学校の見学に行く

5年生になったら早めに、興味のある学校へ見学に行きましょう。実際にお子さんと一緒に何校か訪れることで、先輩たちの様子や学校の雰囲気を直接感じることができます。さらに、「自分は受験をするんだ」というポジティブな意識づけができることでしょう。自ずと勉強に対して明確な目的を持って取り組めるはずです。

また、見学に行く学校のレベルの目安は、お子さんの偏差値の±10の範囲がおすすめです。「偏差値をアップさせて、レベルの高い学校を目指してほしい」と思う親御さんは多くいらっしゃることでしょう。
入試までに大きく成績を伸ばすお子さんもいれば、様々な理由によって偏差値が下がってしまうお子さんもいます。

そのため、お子さんの学力・学校の雰囲気と合うのか、今後の変化も総合的に考えながら学校選びをしていくことが大切です。本格的な受験勉強で忙しくなる前に、気になる学校を見学し、志望校を絞っていくと良いでしょう。

志望校に合わせた学習計画を立てる

6年生から本格的な受験勉強を進めていくために、5年生のうちにしっかりと学習計画を立てていくことが大切です。

まずは短期的・中期的な目標をそれぞれ立てましょう。志望校の選定・苦手な教科での目標点数・志望校判定をAにするなど、具体的な目標を持つことがモチベーションを維持する鍵となります。

次に科目ごとの優先順位をつけましょう。どの科目に最も力を入れる必要があるかを決めることで、効率的に学習計画を立てられます。さらに長期の休み・1日/1週間単位でどのように勉強に取り組んでいくのかを決めましょう。

成功のポイントは少しがんばったら達成できる目標にすることです。あまりハードルを上げすぎるとやる気を失ってしまうどころか、勉強自体が嫌になってしまいます。毎日のタスクを達成できるレベルのものにすることで、達成感を味わいながらモチベーションを高く保って取り組むことができるでしょう。

志望校が公立中高一貫なのか、私立中学なのかで、学習の方向性も変わってきます。そのためにも受験の方向性を5年生のうちにはっきりさせておくと、この先の対策を効果的に進める上で役立ちます。

小学6年生時の対策

6年生からするべき対策は、以下の通りです。

  • 入試レベルの応用力をつける
  • 学習範囲を復習して内容を定着させる
  • 志望校の過去問を解く

6年生では、学習範囲の復習と入試レベルの応用問題にまで対応できることが大切です。志望校の過去問を解き、本番と同じような状況で繰り返し練習し、本番への万全な対策をしていきましょう。

入試レベルの応用力をつける

6年生になったら入試レベルの応用力を身につけましょう。複雑な問題に取り組む際には、次のポイントを整理して考える習慣をつけてください。「ここから分かることは何か」「何を求めなければならないのか」「答えにたどり着くには何が必要なのか」の3つです。これらを繰り返すことで、入試に対応できる必要な実践力を段階的に高めていくことが重要です。

このように多くの複雑な問題に取り組み、応用力を身に着けていくと、自分が今どのくらいの力を持っているのかが把握できるようになります。知識の不足・文章の読み解き方・問題を整理する仕方など、苦手な部分がよく見えてくるはずです。見えてきた自分の弱点をカバーし、さらに入試で出題されるレベルの応用問題を解けるようにしていきましょう。

学習範囲を復習して内容を定着させる

5年生までに、知識を増やす・公式を覚えるなどの基礎固めの習得が進んでいるはずです。6年生では、難しい問題にも積極的に挑戦し、知識の定着を図りましょう。抜けている部分がないかを確認し、基礎知識やしっかり解ける力が確実になっている状態が理想です。

ここで大切なのは、公式や知識を単に覚えるだけではなく、それらがどう役立つのかを理解し、納得して覚えることです。そうでなければ、時間がたつとすぐに忘れてしまいます。単純に公式を覚えるだけではなく、「この問題ではなぜこの公式を使うのか」「どんなときに使える公式なのか」を納得して覚えると初めての問題でも、「この公式を使えば解ける」とピンとくるようになります。このように納得して覚えられれば、新たな応用問題に対しても困惑せず取り組めます。

春期講習・ゴールデンウィーク・夏期講習・冬期講習などの長期休暇を活用して、足りない部分を補い、優先順位を決めながら学習に取り組みましょう。

志望校の過去問を解く

6年生の後半には受験校はほぼ絞れているはずですので、この時期には志望校の過去問を解いて出題傾向に慣れておきましょう。

学校にもよりますが、過去問は、書店で売られているものの他に学校のウェブサイトからダウンロードできるものもあります。過去問を解くと、出題傾向・問題の分量・答案への記入の仕方・難易度・時間配分・記述のスタイルなど、入試の感覚を体験できます。忙しくても、過去10年分程度は解いて、わからない問題をなくすことをおすすめします。

過去問を解くと、学校が公表している平均点を下回ることもあり、ショックを受けるかもしれません。しかし、過去問には慣れが必要不可欠です。継続的に練習を重ねれば、学校の出題の意図に少しずつ慣れてきます。挫けそうになったときは、親御さんや塾の先生の励ましを受けて、前向きに取り組むことが大切です。

中学受験の過去問はいつからやるのが良い?

中学受験の過去問はいつからやるのが良い?

中学受験の過去問は、6年生の夏期講習が終わった後の9月ごろから取り組むと良いでしょう。早く取り組めば良いというものでもありません。早すぎる段階で過去問に取り組むと、受験で必要とされる知識が定着していないため、過去問を解く体験が中身のないものになってしまいます。

また、本番まで日程が空き、本番のリハーサルとしての意味もなさなくなってしまいます。逆に遅すぎると、自分の実力を把握しきれず、実力と難易度が離れすぎてしまっている際に、対策を練る時間が不足してしまいます。

過去問はただ目的もなく解くのではなく、自分の力がついた段階でしっかりと取り組むことで、最大の効果を発揮します。知識が一定レベルに達した6年生の9月頃から取り組んで、その結果を活かしてさらなる対策を進めましょう。

過去問は何周すれば良い?

過去問は、何度も繰り返し解くよりも、1周の徹底した解き直しが重要です。間違えた問題を解けるようにすることで、知識の穴を埋めましょう。

答え合わせの際には、正解・不正解だけに着目するのではなく、解説までしっかりと読みましょう。合わせて、覚えておいた方が良い知識も書かれているため、覚えてなかった知識を定着させたり、誤解していた内容を正したりするには良い機会です。正解した問題の解説にも目を通して、知識の再確認をしましょう。

志望校の過去問は、第一志望校では最低10年分、第二志望は5年分、その他併願校は2年分ほど取り組みましょう。また、時間が許す限り、志望校以外の過去問にも挑戦し、様々な問題に慣れておくことも効果的です。

過去問をやる際の注意点

過去問に取り組む際には、次の2点に注意しながら取り組みましょう。

  • 本番と同じスケジュールで行う
  • わからなかった問題の解き直しを行う

過去問は、静かな空間で本番と同じ条件・時間で行うことが望ましいです。また、わからなかった問題はそのままにするのではなく、しっかりと解き直しを行い、自分の弱点を知って、さらに対策していくことが大事です。

本番と同じスケジュールで行う

過去問に取り組む際には、服装・制限時間・休憩時間・開始時間など、できるだけ本番と同じ条件で練習すると良いでしょう。受験当日を意識しながら緊張感をもって取り組むことができます。

当たり前ですが、本番では非常に緊張します。そのため、少しの違和感や想定していないことがあると、パニックに陥りやすく、準備してきた力を発揮しきれない可能性があります。

本番で安心して取り組めるよう、リラックスできるような練習をしておくことも大事です。楽な姿勢で目をつむって深呼吸をする・問題が解けるイメージをしておくなど、リハーサルの際にも本番同様のルーティンを作っておくと緊張がほぐれて良いでしょう。

わからなかった問題の解き直しを行う

過去問を解いた後は、答え合わせと解き直しを必ず行いましょう。過去問の解説を見て、しっかりと理解することが大切です。間違えた問題や、選択肢を絞ってたまたま正解していたものは、なぜ間違えてしまったのか、なぜそれが正解なのかを考えて、確実な知識としてインプットしましょう。

分からなくて解けなかった問題・悩んで間違えた問題・自信があったにもかかわらず間違っていた問題には、印をつけておきましょう。似たような問題に後から取り組み、しっかりと弱点をカバーしましょう。問題によっては、設問の間につながりがあり、間違えたものだけ解き直すのは難しい場合もあります。その際には、手間はかかりますが関連する全ての問題を解き直しましょう。

同じような問題が再び出題されたときにはきちんと解けるようにし、確実に点数アップに寄与する受験直前の対策にしていけると良いです。

集団個別指導塾で効率よく自学力と学力の定着を!

集団個別指導塾で効率よく自学力と学力の定着を!

クリエートベースでは、集団個別指導というスタイルで授業を行っています。このシステムでは、各生徒の状況や、志望校に合わせた個別的な指導を行っていくだけでなく、さまざまな学年・能力を持つ生徒たちが一堂に会する集団の中でも同時に指導を行っています。

このアプローチにより、生徒は「10回受験したら10回合格する」本質的な学習力を身に着け、競争に打ち勝てる力を養います。

演習問題の方式は、生徒が各自のペースで問題演習を行い、解き終わった後や問題につまずいてしまった際に先生のもとへ直接相談に行く学習形式です。高い能力を持っている集団の中で良い影響を受け合う集団指導の良い部分、一人ひとりの学習ニーズに応じた個別指導の良い部分がかけ合わさっています。

そのため、この演習問題方式での集団個別指導は、生徒が自ら学ぶ力や知識の定着を効率的に促進します。ご興味を持っていただけた方は、こちらのお問い合わせページの公式ラインもしくは、お問い合わせフォームからご連絡ください。

まとめ

【まとめ】中学受験はいつからすれば良いのか

本記事では、中学受験はいつから準備すれば良いのか・お子さんに合った塾のタイプ・時期ごとの中学受験対策などを詳しく解説してきました。

この記事の内容をまとめると以下の通りです。

  • 中学受験は対策を始めるのは4年生(3年生の2月から)から
  • 塾に通うメリット
    • 中学受験に関する専門的な情報を豊富に得られる
    • 中学受験を知り尽くした指導を受けられる
    • 同じ目標を持つクラスメイトと切磋琢磨できる
  • 性格によって合う塾が異なる
    • 集団指導塾→競争心があり、自主的に勉強をすすめられるお子さんに最適
    • 個別指導塾→質問しながらじっくり学びたいお子さんに最適
    • 家庭教師→習い事も忙しく、自分に合ったペースで取り組みたいお子さんに最適
  • 学年にあった受験対策がある
    • 低学年:知的好奇心を刺激して学習への意欲を高める活動に注力
    • 高学年:基礎学力を身に着ける(4年)・自分で解決する力を向上させる(5年)・応用力を養い、範囲の復習と定着を心がける(6年)など
  • 過去問の解き方について
    • 一度解いたら解き直しを徹底する
    • 本番と同じスケジュールで行う など
  • 集団個別指導で効率的に学力の定着をさせる

ぜひ、こちらの記事を参考にして、お子さん一人ひとりにあった中学受験対策を進めましょう。

クリエートベースは、大阪・梅田にて難関中学校への受験対策をおこなっている個別指導塾です。クリエートベースでは、授業形式ではなく、生徒が個別にテキストの問題を解くことを中心とした問題演習方式を採用しております。
「入試当日、確実に合格点をとれるように」を理念として、クリエートベースをご活用いただいた受験生・保護者が望む結果に向けた指導をしております。難関中学校の受験をお子様へとお考えの方は、クリエートベース公式LINE、もしくはお問い合わせフォームからご連絡ください。

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