中学受験において調査書とは何か、どのような役割を果たすのか、調査書は合否にどの程度影響するのか、調査書の評価を上げるにはどうすれば良いのか。
本記事をご覧の方は、中学受験における調査書の重要性や評価向上の方法について、さまざまな疑問や悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、中学受験における調査書について、以下の5点を詳しく解説していきます。
- 調査書の定義と役割
- 調査書が必要な学校と合否への影響
- 調査書の記載内容と評価基準
- 調査書の依頼方法と注意点
- 調査書の評価を上げるための具体的な取り組み
本記事をご覧いただければ、調査書の重要性を理解し、効果的な対策を立てて評価向上に取り組むことができます。志望校合格に向けて調査書対策を進めたい方は、ぜひ参考にしてください。
目次
中学受験における調査書(報告書)とは
調査書は、中学受験において重要な役割を果たす公式文書です。小学校の担任教師が作成し、受験校が生徒の総合的な能力や適性を評価する上での貴重な情報源となります。
ここでは、中学受験における調査書について次の点を解説していきます。
- 調査書が必要な学校
- 調査書の対象となる期間
- 調査書の記載内容
調査書が必要な学校
調査書の提出が必要となるのは、主に公立中高一貫校と一部の私立中学校です。
公立中高一貫校では、ほぼすべての学校で調査書が必須となっています。これは、学力試験だけでなく、生徒の日常的な学習態度や学校生活での様子を総合的に評価するためです。
一方、私立中学校の場合、学校によって方針が異なり、調査書を重視する学校もあれば、参考程度にとどめる学校もあります。受験を考えている学校の募集要項を確認し、調査書が必要かどうかを事前に把握しておくことが重要です。
調査書の対象となる期間
調査書に記載される内容は、基本的に小学5年生と6年生の2年間が対象となります。
この期間が選ばれる理由は、受験生の最新の学習状況や成長の様子を把握できるからです。2年間という一定期間を見ることで、一時的な変動ではなく、継続的な努力や成長を評価することができます。
ただし、学校によっては、小学4年生からの3年間を対象とするケースもあります。より長期的な視点で生徒の成長を見たい場合や、詳細な情報を得たい場合に、このような対象期間の拡大が行われることがあります。
そのため、志望校の募集要項をあらかじめしっかりと確認しておくことが大切です。
調査書の記載内容
調査書には、生徒の学校生活における多岐にわたる情報が記載されています。
主な内容としては、各教科の成績評価、出席状況、学習態度、生活態度、特別活動への参加状況などが含まれます。たとえば、国語、算数、理科、社会、英語などの教科ごとの評定や所見、学校行事やクラブ活動での役割や貢献度、委員会活動の様子、友人関係や協調性などの社会性に関する観察結果が記されています。
また、生徒の特徴的な長所や才能、学習や生活面での課題なども記載されることがあります。これらの情報は、担任教師の客観的な視点から記述され、生徒本人や保護者が内容を確認することはできません。
調査書は、受験生の学力だけでなく、人格形成や成長過程を総合的に評価するための重要な資料として、受験校に提出されます。
調査書が合否に与える影響
調査書の合否への影響は、学校の種類によって大きく異なります。
私立中学校では、一般的に調査書の重要度は比較的低く、学力試験や面接の結果が重視されます。一方、公立中高一貫校では、調査書は合否判定において非常に重要な要素となり、学力試験と同等かそれ以上の影響力を持つことがあります。
受験生とその保護者は、志望校の方針を十分に理解し、適切な準備を行うことが重要です。
私立中学の場合
私立中学校における調査書の扱いは、学校によってさまざまです。
多くの私立中学校では、学力試験の結果を最も重視し、調査書は補足的な情報として扱われます。ただし、一部の学校では、学習態度や生活態度、特別活動への参加状況など調査書に書かれた特定の記載内容を重要視する学校もあります。
中には、調査書のどの項目を重視するかを公表している学校もあるため、志望校の募集要項や説明会で確認することが大切です。調査書は、学力試験では測れない生徒の人間性や潜在能力を評価する上で参考にされることが多いです。
公立中高一貫校の場合
公立中高一貫校は、私立学校とは異なり調査書が合否判定において極めて重要な役割を果たします。
ほとんどの公立中高一貫校で採用されている「総合成績」という評価方式では、適性検査(学力試験)の結果と調査書の評価を合算して判定が行われます。この総合成績によって最終的な合否が決定されるため、調査書の内容が直接的に合否に影響を与えるといえるでしょう。
調査書の評価項目には、学業の成績はもちろん、出席状況、学習態度、特別活動への参加状況、生活態度なども含まれます。これらの項目を総合的に評価することで、生徒の学力だけでなく、中高一貫教育に適した資質や潜在能力を持っているかどうかを判断します。そのため、公立中高一貫校を志望する場合は、日頃から学業に励むとともに、学校生活全般において積極的に取り組む姿勢が求められます。
調査書は、小学校での6年間の努力と成長の証となり、合否を左右する重要な要素となるのです。
調査書が必要な関西の学校
関西地方の中学受験において、調査書の扱いは学校によって異なります。公立中高一貫校では必須ですが、私立中学校では学校ごとに方針が異なります。
受験を考えている学校の募集要項を確認し、調査書が必要かどうかを事前に把握しておくことが重要です。
以下に、関西の主要な私立中学校の調査書に関する情報を紹介します。
関西の主な私立中学校
関西の私立中学校は、調査書の扱いがさまざまです。
一部の学校では提出を求めていますが、多くの学校では任意または不要としています。ここでは、調査書を重視する傾向にある、または特徴的な取り扱いをしている学校をいくつか紹介します。
これらの学校は、学力試験だけでなく、生徒の総合的な能力や適性を評価する上で調査書を重要視しています。
灘中学校
灘中学校は、関西屈指の難関校として知られる私立中学校です。
特徴的な教育システムの一つに「担任持ち上がり制」があります。8名の教師チームが6年間同じ学年を担当し、生徒の成長に合わせた一貫した指導を行います。
また、学校の理念の中心には「生徒主体」の考えがあり、文化祭や体育祭などの行事は生徒が中心となって運営します。これにより、リーダーシップやチームワークなどの実践的スキルを育成しています。さらに、明文化された校則を設けず、生徒自身が適切な判断を行うよう促しています。
こうした自主性を重視する教育方針は入学試験にも反映されており、学力試験に加えて調査書の提出を求め、受験生の人間性や潜在的な能力も評価の対象としています。
参考元:令和7年度 灘中学校入学試験要項
甲陽学院中学校
甲陽学院中学校も、関西の名門校の一つです。
甲陽学院中学校は、「気品高く教養豊かな有為の人材の育成」を教育方針とし、中高一貫教育を通じて将来の高度な学びに必要な学力と体力を養成しています。学校は「明朗・清廉・無邪気」の校風のもと、基礎的な学力や体力の養成と基本的な生活習慣の確立を重視しています。
ここでは学業だけでなく、情操教育や規律、礼儀作法の体得にも力を入れています。また、学校行事やクラブ活動の自主的な運営を通じて、協調性や社会性、個性を磨けるようサポートしています。
このように、甲陽学院中学校は全人的な教育を目指しており、学力のみならず人間性も重視しています。そのため、入学試験においても調査書の提出を求め、受験生の人間性や資質を総合的に評価しています。
参考元:2025年度募集要項
立命館中学校
立命館中学校は、高い学力育成とグローバル・サイエンス教育を通じて、探究力のある人材の育成を目指しています。学校の特徴として、数学と英語での少人数授業、大学と連携したプログラム、そして1年生からの「総合探究基礎」科目が挙げられます。
カリキュラムでは、iPadやパソコンを活用した学習、ミニ探究活動、サイエンスポスターセッションコンテスト、平和学習など、さまざまな探究的学習に触れる機会を設けています。さらに、グローバル教育にも注力し、海外留学や研修、国際行事への参加を通じて、異文化理解とコミュニケーション能力の向上を図っています。
このように、立命館中学校は学力向上だけでなく、探究心、グローバル視点、コミュニケーション能力など、多面的な能力の育成を重視しています。そのため、入学試験においても調査書の提出を求め、受験生の学力だけでなく、探究心や国際性、コミュニケーション能力などの資質も総合的に評価しています。
神戸女学院中等部
神戸女学院中等部は、キリスト教精神に基づく「愛神愛隣」を教育の根幹に据え、全人的な教育を行っています。毎朝の礼拝や聖書の授業を通じて、生徒一人ひとりが自分の生き方を見つめ、社会や隣人のために「仕えうる者」となることを目指しています。
学校の特徴として、英語教育に力を入れており、中学部では原則として日本語を使わない授業を行い、実践的な英語力を養成しています。また、生徒の自主性を重んじる「自由な校風」があり、細かい校則はなく制服もありません。
学校が求めている人物像は、自ら考え判断する力を持ち、他者のために自分の役割や責任を果たそうとする生徒です。そのため、入試では調査書の内容を元に、学力だけでなく人間性も重視した評価を行っています。
立命館宇治中学校
立命館宇治中学校は、国際性とスポーツに特化した教育を行うと同時に、日本の文化や伝統も大切にする学校です。2021年度からはIPコースを新設し、高度な英語力と学習意欲を持つ生徒の育成に力を入れています。
立命館宇治中学校は、グローバルな視点を持ちつつ日本の心を持った生徒、多様性を尊重し、探究心と好奇心を持って学習に臨む生徒、そして他者と協調しながらリーダーシップを発揮できる生徒を求めています。
このような人物像を評価するため、IPコースでは入試で調査書の提出を求めています。これにより、学力だけでなく、生徒の人間性や社会性、課外活動での実績なども総合的に評価することができます。ここでは、単に学力の高い生徒ではなく、国際社会で活躍できる素養を持ち、日本の文化も理解する、バランスの取れた人材の育成を目指しています。
参考元:2025年度 入学試験要項
調査書を依頼する際のポイント
調査書は受験に欠かせない重要書類です。その依頼には適切な時期や方法があり、学校側の負担も考慮する必要があります。また、書類の取り扱いにも注意すべきでしょう。
ここでは、調査書を円滑に依頼し、受け取るための主なポイントを解説します。適切な依頼方法を知ることで、先生方との良好な関係を保ちつつ、スムーズな受験準備が可能となります。
12月頃に依頼するのが理想
調査書の依頼時期として最適なのは12月上旬から中旬です。
この時期は学校側も調査書作成の準備が整い始める頃であり、受験生からの依頼にも対応しやすい時期といえます。ただし、学校によって準備状況や方針が異なる場合もあるため、具体的な依頼開始時期については事前に確認しておくことが大切です。
一般的な目安として、受験校への提出期限の少なくとも1ヶ月前までには依頼を済ませておくことをおすすめします。早めに依頼することで、万が一の不備や修正にも余裕を持って対応できるでしょう。
まとめて依頼する
調査書の依頼は、受験予定のすべての学校分をまとめて一度に行うことが望ましいです。
その理由として、まず先生方の作業効率を考慮する点があります。個別に依頼が来るたびに対応するよりも、一括して作業を進めるほうが効率的で、負担も軽減されます。
また、受験生側にとっても、複数回にわたって依頼する手間が省け、漏れや重複を防ぐことができます。さらに、まとめて依頼することで、先生方に自分の受験計画全体を把握してもらえるメリットもあります。
ただし、追加の受験校が決まった場合は、速やかに連絡し、追加の調査書を依頼することを忘れないようにしましょう。
提出書類の適切な準備を行う
調査書依頼の際には、必要書類を適切に準備することが重要です。
まず、提出する書類のコピーを取っておくことをおすすめします。これは記入内容の確認や、万が一の紛失時の備えとなります。また、記入が必要な箇所には鉛筆で印をつけたり、付箋を貼ったりして、一目で分かるようにしておくと良いでしょう。複数の学校に出願する場合は、学校ごとに色分けした付箋を使用するなど、混同を避けるような工夫もいいでしょう。
このような準備は、先生方の作業を助けるだけでなく、自分自身の出願管理にも役立ちます。
学校のルールを遵守する
調査書の依頼や提出に関しては、各学校が定めたルールを厳守することが重要です。特に受験生が多い学校では、効率的な処理のために特定の手順や方法が指定されていることがあります。
たとえば、出席番号順での提出や、特定の日時での受付など、さまざまなルールが設けられている可能性があります。これらのルールは、学校側の業務を円滑に進めるために設定されているものです。
指定された方法を守ることで、先生方の負担を軽減し、結果として自分の調査書も迅速に処理してもらえる可能性が高まります。
もらった調査書は開封厳禁
調査書を受け取ったら、絶対に開封してはいけません。これは非常に重要なルールです。
調査書は厳正な手続きを経て作成される公文書であり、開封された場合、その真正性が損なわれてしまいます。多くの場合、開封された調査書は無効となり、受験校に提出できなくなってしまいます。
再発行を依頼することも可能ですが、学校側に余計な負担をかけることになり、また時間的なロスも生じてしまいます。したがって、受け取った調査書は絶対に開封せず、そのまま封をした状態で受験校に提出するようにしましょう。
お礼は金品ではなく言葉や手紙で伝える
調査書作成へのお礼は、金品ではなく、誠意を込めた言葉や手紙で伝えるのが適切です。
金品の贈答は不要どころか、むしろ避けるべきです。これは、教育現場での公平性を保つためであり、また不適切な印象を与える可能性があるためです。
代わりに、直接会って感謝の言葉を伝えたり、心のこもった手紙を書いたりすることで、先生方の労をねぎらうことができます。言葉や手紙でのお礼は、金品以上に先生方に喜ばれ、心に残るものです。また、この機会に高校生活を振り返り、成長への感謝を伝えるのも良いでしょう。
調査書の依頼文の書き方
調査書の依頼文は、お子さんの受験をサポートする重要な役割を果たします。適切な書き方で丁寧に依頼することで、先生との良好な関係を維持しつつ、必要な情報を確実に伝えることができます。
以下では、依頼文の基本的な構成や注意点、そして具体的な文例を紹介します。これらを参考に、自分の状況に合わせた効果的な依頼文を作成しましょう。
依頼文は連絡帳か便箋に書く
調査書の依頼文を作成する際、まず使用する連絡方法を適切に選択することが重要です。一般的に、普段の学校とのコミュニケーション方法に合わせて、連絡帳か便箋を選ぶことになるでしょう。
連絡帳を使用している場合は、その中に丁寧に記入することで、先生も普段の流れで確認しやすくなります。一方、便箋を選ぶ場合は、きれいな字で丁寧に書き、封筒に入れて提出すると良いでしょう。
どちらを選ぶにせよ、読みやすさと礼儀正しさを心がけることが大切です。また、学校によっては調査書依頼の専用フォームがある場合もあるので、事前に確認することをおすすめします。
依頼文の内容を明確に
依頼文の内容は、簡潔かつ明確であることが求められます。必ず含めるべき情報は以下の通りです。
- お子さんの名前(フルネーム)
- 受験予定の学校名(正式名称)
- 調査書の提出期限
- 提出先の詳細(学校の入試担当部署など)
これらの重要情報を漏れなく記載することで、先生が迅速かつ正確に対応できるようになります。また、先生への感謝の言葉と協力のお願いは丁寧に表現しましょう。
たとえば、「日頃よりお世話になっております」という挨拶から始め、「お忙しい中大変恐縮ですが、ご協力いただけますと幸いです」といった丁寧な表現を使うことで、先生の好意的な対応を促すことができます。
さらに、調査書作成にあたって特別な要望がある場合(特定の活動や成果を強調してほしいなど)は、そのことも控えめに、かつ明確に伝えるようにしましょう。
お礼文を忘れずに
調査書を受け取った後のお礼は、教師との良好な関係を維持する上で非常に重要です。お礼の方法は、調査書の受け取り方によって異なります。
直接受け取った場合は、その場で口頭にて丁寧にお礼を言います。たとえば、「お忙しい中、調査書をご用意いただき、誠にありがとうございました。大変助かります」といった言葉を添えると良いでしょう。
お子さん経由で受け取った場合は、連絡帳や一筆箋を使って、お礼の言葉を送ります。たとえば、「先日は調査書をご用意いただき、誠にありがとうございました。お忙しい中、丁寧にご対応いただき、心より感謝申し上げます。」といった文面が適切です。
どちらの場合も、感謝の気持ちを素直に表現し、先生の労力に対する理解を示すことが大切です。また、可能であれば、調査書のおかげで受験準備がスムーズに進んでいることなども伝えると、先生も喜んでくれるでしょう。
これらの丁寧な対応が、今後の学校生活や受験サポートにおいても良い影響を与える可能性があります。
調査書の評価を上げるためにできること
調査書の評価を上げるためには、日々の学校生活全般において積極的に取り組む姿勢が重要です。具体的に次のような点に気をつける必要があります。
- 出席と学業成績
- 授業態度と積極性
- 委員会・クラブ活動への取り組み
- 基本的な生活態度
- 課外活動での実績
これらの各側面において、計画的かつ継続的に努力することで、調査書の評価を高めることができます。
出席と学業成績
出席状況と学業成績は、調査書評価の基本となる重要な要素です。
まず、学校を休まず通うことがなによりも大切です。やむを得ず欠席する場合も、事前連絡や欠席理由の明確な説明を心がけましょう。
学業成績については、安定して良い成績を取り続けることが求められます。特に、5年生から6年生にかけて成績が向上していくことが望ましいです。そのためには、日々の授業に集中し、予習復習を欠かさず行うことが重要です。また、苦手科目がある場合は、早めに対策を立て、克服に向けて努力することも評価につながります。
定期テストだけでなく、日々の小テストや課題提出なども確実にこなしていくことで、総合的な学力向上と良好な評価につながります。
授業態度と積極性
授業中の態度や積極性は、学習に対する意欲と姿勢を示す重要な指標です。
まず、授業中は先生の話をしっかりと聞き、集中して取り組む姿勢を見せることが大切です。質問や発言を積極的に行い、授業に主体的に参加することも高評価につながります。
ただし、ただやみくもに発言するのではなく、適切なタイミングと内容で発言することを心がけましょう。また、グループワークやディスカッションなどでは、他の生徒と協力しながら積極的に意見を出し合うことも良い評価を得るポイントとなります。授業で出された提出物は必ず期限を守り、丁寧に仕上げることも忘れないようにしましょう。
これらの姿勢が調査書に反映され、お子さんの学習に対する熱意と能力を示す重要な要素となります。
委員会・クラブ活動への取り組み
委員会活動やクラブ活動への積極的な参加は、リーダーシップや協調性、責任感を評価する上で重要な要素です。
委員会活動では、与えられた役割を確実にこなすだけでなく、自ら改善案を提案したり、新しい取り組みを始めたりするなど、主体的に活動することが高評価につながります。また、クラブ活動においても、単に参加するだけでなく、練習や大会などに真剣に取り組む姿勢が求められます。
さらに、学校行事では率先して役割を担い、準備段階から積極的に関わることで、協調性やリーダーシップを発揮する機会となります。
これらの活動を通じて、他者との協力、目標達成への努力、困難への対処能力などを示すことができ、調査書においてお子さんの人間性や潜在能力を評価する重要な材料となります。
基本的な生活態度
基本的な生活態度は、お子さんの人格形成と社会性を評価する上で重要な要素です。
まず、挨拶をきちんとすることが基本中の基本です。教職員や来校者、友人に対して明るく元気な挨拶を心がけましょう。次に整理整頓も大切な点で、自分の持ち物や教室、ロッカーなどを常に整理整頓することで、規律ある生活態度をアピールできます。さらに、時間を守ることも重要で、授業開始時間や提出期限を厳守することが求められます。
また、学校の規則やマナーを守り、礼儀正しい行動を心がけることも評価のポイントとなります。友人との関係においても、思いやりのある行動や協調性を示すことが大切です。
これらの基本的な生活態度が日々の観察を通じて調査書に反映され、お子さんの社会性や人間性を評価する重要な基準となります。
課外活動での実績
課外活動での実績は、お子さんのさまざまな能力や意欲を示す重要な要素です。
まず、英検や漢検などの資格取得のために勉強することは、学習意欲と能力の証明になります。可能な限り高いレベルの資格に挑戦し、合格を目指しましょう。習い事での表彰歴も評価の対象となるため、ピアノのコンクールや絵画コンテストなどでの入賞歴があれば、調査書に記載してもらうよう依頼してみてもいいでしょう。
また、ボランティア活動への参加も重要です。地域の清掃活動や福祉施設での手伝いなど、社会貢献活動に積極的に参加することで、社会性や奉仕の精神をアピールできます。
さらに、科学実験コンテストやプログラミングコンペなどの学術的な課外活動への参加も、知的好奇心や探究心を示す良い機会となります。
これらの課外活動は、学校での学びを補完し、お子さんの全人的な成長を示す重要な指標となります。
まとめ
本記事では、中学受験における調査書の重要性と、その評価を上げるための方法についてご説明しました。特に大切なポイントは次の5つです。
- 調査書は公立中高一貫校や一部の私立中学校で重要視され、合否に大きな影響を与える場合がある
- 調査書の評価を上げるには、出席状況や学業成績の向上、授業態度の改善、特別活動への積極的な参加が重要
- 調査書の依頼は丁寧に行い、必要な情報を漏れなく記載することが大切
- 基本的な生活態度や礼儀作法の向上も調査書の評価に反映される
- 課外活動での実績や資格取得も、調査書で評価される重要な要素となる
調査書は日々の学校生活全般が評価の対象となるため、早い段階から意識して取り組むことが大切です。
本記事の内容をもとに、お子さんの長所を活かしながら、調査書の評価向上に向けて計画的に行動し、志望校合格に近づけるよう心からお祈り申し上げます。