トップお役立ち記事 › 「個別指導」とは何か | 本当に機能する個別の条件

「個別指導に通わせているのに、なぜ成績が上がらないのか」——この疑問を抱える保護者は少なくありません。原因の多くは、塾選びの失敗ではなく、「個別指導」という言葉が指している中身を正確に把握していないことにあります。この記事では、個別指導の時間が実際に何に使われているか、何が学力向上につながり何がそうでないかを整理した上で、本当に機能する個別指導の条件をお伝えします。

Contents
  1. 「個別指導」という言葉の曖昧さ
  2. 1時間の中身——解説と演習の割合問題
  3. 講師と保護者の「対価認識」のズレ
  4. 「説明を聞く」だけでは学力は上がらない理由
  5. 本当に機能する個別指導の3条件
  6. クリエートベースが「完全個別」を選ばない理由
  7. 個別指導を選ぶ前に確認すべき5つのこと
  8. まとめ
  9. よくある質問

01 —
Definition

「個別指導」という言葉の曖昧さ

「個別指導塾に通っている」という一文には、実は非常に幅広い実態が含まれています。1対1の完全マンツーマンなのか、1対2や1対3なのか。週に何コマなのか。何科目を扱うのか。そして——1時間の中で何をしているのか。

最後の問いが最も重要でありながら、最も見えにくい部分です。「個別指導」という看板は塾の形態を表しているに過ぎず、その時間の中身が学力向上につながるかどうかはまったく別の話です。

前提として知っておくべきこと

「個別指導」とは指導形態の名称であり、学習内容や質の保証ではありません。同じ「個別指導」という名前でも、実態はまったく異なります。まずこの認識を持つことが、塾選びの出発点になります。

大手塾と個別指導のどちらを選ぶべきかという問いについては、大手塾で伸びない子が個別指導で変わる理由で詳しく整理しています。まず「個別指導とは何か」を理解した上でその記事を読むと、判断がより明確になります。

02 —
Time Breakdown

1時間の中身——解説と演習の割合問題

個別指導の1時間は、大きく2つの時間に分けられます。

① 解説を聞く時間

講師が問題の解き方・考え方を説明する時間です。子どもは基本的に受け身で、「聞いている」状態になります。わかりやすい解説を聞くことで「なるほど」と感じる場面ですが、この感覚と「自分で解けるようになった」は別物です。

② 問題を解く時間

子どもが実際にペンを持って問題に取り組む時間です。こちらは能動的な学習であり、学力の向上が起きるのは基本的にこの時間です。つまずいた瞬間に講師がそこにいてフォローできるという点で、家庭学習よりも効率が高くなります。

Warning — 多くの個別指導で起きていること

1時間のうち、解説が40〜50分・演習が10〜20分というバランスの個別指導は珍しくありません。これは「最も学力が伸びる時間」が圧迫されている状態です。高い受講料を払って、実質的に「解説を聞いているだけ」になっているケースが多く存在します。

解説を聞く時間が長くなる背景には、構造的な理由があります。保護者は目に見える「先生が話している時間」に対価を感じやすく、子どもが黙って問題を解いている時間は「先生が何もしていない」と映りやすいのです。この認識が次のセクションの問題につながります。

03 —
The Value Gap

講師と保護者の「対価認識」のズレ

個別指導における対価の認識は、保護者と講師の間で構造的にズレています。

立場 何に対して対価を払う/もらうと考えているか
保護者 「解説してもらった時間」に対価を払っている
講師 「その場所に拘束されている時間」に対して対価をもらう

たとえば、1時間10,000円の個別指導で子どもが20分間問題を解いていた場合、保護者の感覚では「実質的な指導時間は40分、時給換算で15,000円」という認識になります。30分であれば実質20,000円相当です。

「払った分だけ教えてもらえた」という状態をどう定義するか——この問いに答えられない塾は、信頼関係を築きにくい。

このズレを解消する方法は一つです。「演習(子どもが自分で解く時間)にこそ最大の価値がある」という前提を共有すること。そして、その演習の質を高める仕組みを持っている塾を選ぶことです。

04 —
The Limit of Listening

「説明を聞く」だけでは学力は上がらない理由

「わかりやすい説明を聞いた」と「自分で解けるようになった」は、まったく別の状態です。この区別が曖昧なまま学習を続けると、「授業中はわかった気がするのに、テストになると解けない」という状態が慢性化します。

これは成績が安定しない子に起きている「成績の幅」の正体でも取り上げているテーマです。「理解した」という感覚と「使える」という状態の間には、自分でペンを動かして問題を解くというプロセスが必要です。

なぜ「聞くだけ」で終わるのか

子どもは「わかった気がした」状態を「できるようになった」と誤認しやすい。また、難しい問題の前では「解説を聞いて終わり」が習慣化しやすい。これに加えて、講師側も「わかったか確認する」よりも「次の問題の解説に進む」方が時間管理しやすいという構造があります。

Point — 学力が伸びる唯一のプロセス

学力の向上は「できなかった問題が、自分の力でできるようになった」という体験の積み重ねによってのみ起きます。解説を聞く時間はそのための準備に過ぎず、実際の成長は「自分で解く時間」の中にあります。

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演習の量ではなく質が大事な理由 →

05 —
3 Conditions

本当に機能する個別指導の3条件

上記を踏まえると、「機能する個別指導」が備えるべき条件が見えてきます。

条件① 演習時間が中心に設計されていること

解説は演習のための補助であり、演習こそが本体です。1時間のうち演習が半分以上を占め、講師はその場でつまずきを観察・補足できる体制になっていることが理想です。解説が先にありきで、演習が「時間が余ったらやる」という設計になっている塾は要注意です。

条件② 「わかったふり」を見抜ける講師がいること

子どもは「わからない」と言いにくい場面で、曖昧にうなずいてしまいます。この状態を見抜いて「本当に理解しているか」を確認できる講師力が不可欠です。答えを見ながら解説する講師、自信なさそうに説明する講師——こうした場面を子どもは敏感に感じ取り、その授業は事実上機能しなくなります。

条件③ 「今の学力に合った問題」を選べる仕組みがあること

簡単すぎる問題は演習の意味がなく、難しすぎる問題は解説を聞いても定着しません。「少し頑張れば解ける」難易度の問題に、繰り返し取り組むことが最も効率的に学力を伸ばします。これを実現するには、生徒ごとの理解度に応じてリアルタイムで問題を調整できる仕組みが必要です。固定カリキュラムで全員に同じ問題を与える形式では、この条件を満たせません。

3条件のチェックリスト

✔ 1時間のうち演習時間は何分か確認する

✔ 講師が答えを見ずに解説できるか体験授業で確認する

✔ 生徒ごと

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