「塾に通い始めて半年が経つのに、模試の偏差値がほとんど変わらない。」
こういった相談を受けるとき、まず確認することがあります。「授業中、講師はどれくらい話していますか?」と。
答えのほとんどが「ほぼずっと話しています」です。これが問題の中心にあることが多い。
聞きたくない話を聞かされ続けると、人は「聞かないモード」に入る
成績を下げる最も効率的な方法を問われたら、こう答えます。「情報をいっさい取り入れられない状態にすること」です。
勉強しないだけでは成績は下がりません。勉強していない間も、日常の会話・読書・環境から学習は起きているので、中学受験に特化した伸びが止まるだけです。
しかし、「聞きたくない話を延々と聞かされ続ける」という状態は違います。これは積極的に学習を阻害します。
「聞いているフリ」が習慣化すると矯正に時間がかかる
小学生は「帰ります」と言えません。だから聞いているフリをします。絶妙なタイミングで頷き、「なるほど」と言いながら、頭の中は完全に別のことを考えている。これは大人でも同じ——つまらない会議、帰りたい飲み会で誰もがやることです。一度この習慣がついた子どもを戻すのは、想像以上に時間がかかります。
学力が上がる唯一の構造:問題を解く→採点する→直す
受験勉強において学力が定着する方法は、一つしかありません。
この原則は、過去問であれ模試であれ変わりません。演習の本質と制限時間の重要性でも詳しく触れていますが、学力とは「単位時間あたりに正確に問題を処理する能力」です。それは問題を解く行為によってしか鍛えられない。
講師の説明をいくら聞いても、聞いている間は学力が上がりません。インプットの時間よりアウトプットの時間が圧倒的に重要です。
講師の役割は「景気づけ」に近い
個別指導における講師の役割を正確に言うと、「子どもが次の問題に向かえるような、シンプルで本質的なヒントを与えること」です。
国語であれば、「解答の根拠となる部分を本文のどこから探すか」という方向を示すだけでいい。算数であれば、詰まっている箇所に気づかせる一言でいい。それ以上は蛇足であり、時間の浪費です。
クリエートベースの説明時間は「最長5分」
クリエートベースの授業は演習型です。講師が説明するのは最長でも5分程度。指摘するだけのケースでは数秒です。残りの時間はすべて、子ども自身が問題を解くために使います。これは哲学ではなく、学力が上がる唯一の構造に基づいた設計です。
なぜ「説明が長い個別指導」が存在するのか
説明が長くなる構造的な理由があります。
個別指導では、講師が「教えている」という見た目が求められる場合があります。黙って子どもが問題を解いている姿は、保護者から見ると「何もしていない」と映ることがある。だから講師は話し続け、「指導している」という形を作ろうとする。
また、「興味を持たせるため」という名目で、受験と無関係な雑談や自分の趣味の話をし続けるケースも実際に存在します。これは指導ではなく、個人対象の演説です。
個別塾に通っても成績が上がらない本当の理由でも指摘しているように、個別指導の品質のばらつきは大手塾以上に大きい。講師の質を外から判断することは難しく、体験授業で「子どもが問題を解いている時間がどれだけあるか」を確認することが、最も信頼できる判断基準です。
今の塾の指導スタイルが成績に合っているか確認してください。
体験授業で確認すべき3つのこと
子どもが問題を解いている時間はどれくらいか
1時間の授業のうち、子どもが自分で手を動かしている時間が半分以下なら要注意です。
講師は一方的に話しているか、考えさせているか
良い指導は「問い」を与えます。解答を与え続ける指導は、子どもを受け身にします。
授業後に子どもが「わかった」と感じているか
「なんとなく聞いた」ではなく、自分で問題が解けるようになっているかが基準です。
塾に通っているのに成績が上がらない場合、勉強量の問題ではなく指導の構造の問題であることがほとんどです。まず、授業中に子どもが自分で問題を解いている時間がどれだけあるかを確認してください。
大阪梅田を拠点に、灘中をはじめとする難関中学への合格を目指す方は、まず現状の整理から始めてください。









