「担当の先生が熱心で信頼できる」——そう感じている保護者の方は多いと思います。しかし、信頼という感情的な指標で塾を評価しているうちは、本質的な問題に気づけません。塾講師の堕落は個人の意志の問題ではありません。業界の構造が、講師を変えていくのです。
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ここで言う堕落とは、道徳的な意味ではありません。
「教えることに本質的な意味はない」と頭ではわかっていながら、それでも容易に子どもに教えてしまう状態——これが堕落です。信念が外圧に負けた状態、と言い換えてもいいかもしれません。
重要なのは、堕落した講師の多くは「自分は正しいことをしている」と思っている点です。子どものために丁寧に教えている。熱心に関わっている。そう信じながら、学力が伸びない指導を続けています。
講師を堕落させる外圧は、大きく2つあります。
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外圧① 売上
嫌われることが言えない
生徒に辞められれば売上が下がります。「このやり方では伸びません」という正直な言葉が、ビジネス上の損失になります。
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外圧② 塾内での地位
「わかりやすい授業」が評価される
子どもが自力で解く時間を確保する指導は、外から見ると「何もしていない」と映りかねません。教えるほど評価される構造が講師を変えていきます。
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この2つの外圧は、どちらも「子どもの学力を伸ばすこと」とは別の軸で機能しています。
外圧の種類は違えど、どちらも学力とは別軸の指標で動いています。そしてその外圧を作り出しているのは、業界全体であり、その中にいる講師自身でもあります。
同じ「外圧に負ける」構造でも、大手塾と個別塾ではその形が異なります。
大手塾の集客は合格者数で成り立っています。そのため、合格しそうな子を集め、合格しそうな指導をすることが最優先になります。伸び悩んでいる子への真摯な対応より、実績になる子への投資が優先されます。
個別指導の収益は、生徒が何コマ受講するかで決まります。成績が上がらなければ「コマを増やしましょう」と提案する。辞めそうな生徒には「もう少し続けましょう」と引き留める。こうして構造が変わらないまま、費用だけが増えていきます。
「うちの子の塾、このままでいいのか」と感じている方へ
「売上のプレッシャーがあるから仕方ない」「塾の方針に従うしかない」——多くの講師はそう言います。しかし、その外圧を作り出しているのは業界全体であり、業界を構成しているのは他でもない講師たち自身です。
「嫌われたくないから正直に言わない」という選択の積み重ねが、「正直に言わない業界」を作ります。「辞めさせないために引き留める」という選択の積み重ねが、「成果より継続を優先する業界」を作ります。
この構造の中で最もわかりやすい症状が、「正直に言えない」問題です。本来、塾が保護者に言うべきことは明確です。
しかしこれを言える塾はほとんどありません。なぜなら、辞められたら困るからです。
クリエートベースでは、保護者や子どもの側が運営の妨げになると判断した場合、入塾を断ります。演習中に他の子の妨げになるお子さん、塾の指示に従わない保護者——これらは明確な基準で入塾拒否をしています。
「入塾拒否をしているか」を聞くことです。誰でも受け入れる塾は、誰にでも「大丈夫です」と言う塾です。
保護者が塾に子どもを預ける理由は、家庭では教えられないからです。算数が難しすぎる、受験の指導ノウハウがない、だから専門家に任せる——これが塾に通わせる本来の理由のはずです。
しかしその「教えられない保護者」が、指導内容に口を出します。「もっとこういう教え方にしてほしい」「宿題を増やしてほしい」「この問題は飛ばしてほしい」。専門家に任せると言いながら、素人判断で介入します。
この矛盾に気づいていない保護者は少なくありません。そしてその口出しに従う講師も、同様に問題があります。講師がその口出しに従うのは、辞められたくないからです。結果として指導の軸が「学力を伸ばすこと」から「保護者の満足度を上げること」にすり替わります。
信頼は感情の問題です。学力は構造の問題です。この2つは別軸で動いています。
愛想が良く、熱心で、子どもが懐いている講師が、必ずしも学力を伸ばす指導をしているとは限りません。むしろ、子どもが懐くほど「わかりやすく教えてくれる」講師は、子どもを講師依存の状態に置いている可能性があります。
見るべきことはひとつです。お子さんが自力で問題を解いている時間があるかどうか。信頼ではなく、この事実で判断してください。
お子さんが通っている塾で、本当に自力で解く時間が確保されているかどうかは、外からではわかりません。
大阪梅田を拠点に、灘中をはじめとする難関中学への合格を目指す方は、まず現状の整理から始めてください。