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とりあえず、今回は式のみで処理する解法を解説いたしました。次回はグラフでの処理を紹介いたします。
化学反応の基本方針
化学反応の問題における基本方針は、以下のとおりとなります。
1.反応を解析し、反応式をかく
2.過不足なく反応するところを見つける
3.比例計算する
本来であれば、反応する物質、発生する物質、それらを検出する手段、残存物が何であるか等から、反応の全貌を解析することになります。その上で、過不足なく反応する点を導きだすことになります。しかし、本問においては、問題文中に反応式がありますので、1の手順は省略することになります。
多くの問題では、2の手順について問われることになります。しかし、1について問われることもあり、その解析ができなければ何もできなくなるので、そういう意味では化学式を使った方がイメージはわくと思われます。
過不足なく反応するポイントを見つけるためのツール
・式処理による解法
・図形的処理による解法
問題によっては、グラフそのものが与えられているものもあります。グラフを自分ですべて書くことになると手間も時間もかかりますが、書いてしまうことさえできれば、ほぼ同時にすべての問題を解答できるでしょう。図形により視覚化され、反応そのもののイメージもわきやすいことから、入試本番で使うかどうかは別として、普段の勉強で検討しておくのもいいと思われます。ただ、一般的な問題ではグラフの使用をするまでもない問題であることが多いです。
まとめ
代数と幾何へのつながり
算数における線分図とダイヤグラムの関係のように、化学においても式処理とグラフのように解き方があります。もちろん、その他の解き方もあるでしょう。
式処理による解法は数学における代数へとつながり、図形的処理は数学における幾何へとつながることになります。
本問においては、与えられている条件が簡潔ではなく、過不足なく反応する部分がどこであるかわかりにくいため、まず反応式を書き、問題文の整理を行いました。理科の計算問題においては、算数ほどの能力が必要とされません。従いまして、物理であっても化学であっても、一度処理の手順を身につければ、事務的な処理によって解答することが可能ですね。
多項式の展開について
終盤での比例式の処理については、式を展開してダイレクトに出してもいいかとは思いますが、中学受験ということもあり、少し工夫をしてみました。展開は中学範囲ではありますが、掛け算であることに注目すれば、面積図の使用へとつながります。そうすれば、小学生でもそれほど苦労することなく処理できるでしょう。こちらも、なにかの機会に勉強しておくと役にたつものと思われます。