理科の問題は、現象を理科の概念に翻訳できるかで決まります。翻訳さえ済めば、処理は算数と変わりません。
問題文の記述から、いま何が起きているのかを読み取ります。「窓に水滴がついた」「アルミが溶けて気体が出た」。
その現象が理科的に何を意味するかへ翻訳します。水滴は飽和、溶けて気体は反応。ここが理科の本体です。
翻訳で立った条件が求める数値を、リード文・図・表から必要な分だけ集めます。設問から逆算し、残りは捨てます。
集めた条件を、比・割合・単位追跡で立式して解きます。ここから先は、算数の解法体系に接続します。
理科の解析の中心は、この一手です。見た目の現象を、算数が扱える条件へ翻訳する。同じ現象語は、分野を超えて使い回されます。
この対応を、過去問を解くたびに一つずつ書き留め、分野ごとに積み上げていきます。
解けない現象に出会ったとき、「覚えるもの」と言えばその場は収まります。しかしその一言は、問題文から読めたはずのこと、手持ちの知識から推論できたはずのことまで、暗記に変えてしまう。私たちはまず、読めないか、推論できないか、上位概念で束ねられないかを尽くします。覚えるべきことを、最小に絞るために。
同じ知識でも、どこまで暗記に頼らず説明できるかで三層に分けます。できるだけ上の層に留め、下に落ちても束ねと理由で軽くし、最下層は最小限に絞る。それが解説の設計方針です。
説明を受ける教材ではありません。順序は、三つだけです。
最初から説明を受けず、まず自分の現在地を確認します。
答えではなく、現象の翻訳で止まったのか、処理で止まったのか、必要な一段だけを確認します。
解説を閉じ、確認した翻訳と処理を、自分の手でつなぎ直します。
難関校の過去問を、一問ずつ解析していきます。
物理でも化学でも生物でも地学でも、対象が変わっても、現象を読み、概念へ翻訳し、情報を集め、算数で処理するという骨格は変わりません。灘のように、一つの規則性では解けず、もう一段の規則性を探させる問題も、同じ枠組みで扱います。
算数の解法DBと、理科の現象→概念の対応を基盤に、それぞれの問題を同じ思想と精度で解説化し、家庭で必要な教材だけを選べる形にしていきます。
※ 解説には問題文を収録していません。過去問は、各校の書籍等を別途ご用意ください。
当サイトが載せているのは、答えの一覧ではありません。現象をどう読み、どの概念に翻訳し、どう処理したか——その過程を再構成した解説です。
中学入試の理科は、中高・大学入試の元ネタを、小学生の道具で解けるよう降ろしたものです。ならば解く側も、暗記ではなく、その原理まで昇っていける。降ろされたものは、昇り返せる。私たちはそう考えて、一問ずつ解いています。
体系化されたメソッドは、特定の家庭の特権ではないはずです。
塾に通うかどうかにかかわらず、ご家庭でお使いください。想定しているのは、自分で机に向かえるお子さんです。カリキュラムの強制も進度の管理もしません。教材だけを、いつでも取り出せる形で置いておきます。