過去問についての記述が続いていますので、
それと併せてお読みいただきたいと思います。
詰まるところ、入学試験であれ、資格試験であれ、およそ、合格者の選抜のために実質される試験のために勉強するのであれば、スタイルは、ただ一つ。
問題を解く→採点する→直しをする
このくり返しのみ、です。
復習テストのためのテキスト学習であれ、過去問であれ、同じことです。
復習テストや各種模擬試験は、採点の部分を、そこにいない誰かがしてくれている、という違いがあるだけで、こと、試験での合格を目指すのであれば、すべて、有効なスタイルは同じです。
ここで、よく誤解されるのは、直しをする、という部分ですが、単に問題を解き直す、ということではなく、何かしら考えのヒントが必要になります。
例えば、国語の場合、自学自習する際には、解答を見て、その解答の根拠となる部分を設問や問題文中から探す、という作業をする、ということになります。記述であれば、その探し出した根拠をもとに、再度、答案を書く、ということになります。
個別指導塾の良否を判断する場合、この、直しに際して、どの程度のアドバイスをなされるかが、一定の基準になります。
シンプル、かつ、本質的な解説・ヒントで、生徒が次へと進めるかどうか。このアドバイスに、常時、延々と時間を費やしたり、一方向的に語り続けるということであれば、その指導は、個別指導ではなく、個人対象の演説であるとお考えになるほうがよいかと思われます。
「問題を解く→採点する→直しをする」このくり返しのみが、受験勉強の本質であり、もっとも重要なものであることは、前記事に書いた通りです。
大手塾の講座も、いろいろな考えや立場で、講師が提供するわけですが、個別指導における、解説のようなものであり、例えば、国語においては、思考の方向の調整が第一義になる、と考えます。もっと、平たく言えば、自分で問題を解くための動機づけであり、なんなら、景気づけでさえある、と考えます。
ところで、問題を解くにあたって、忘れてはならないのは「制限時間内に解く」ということです。
時間を無制限に使って解いてよいというタイプの入学試験には、残念ながら、お目にかかることはありません。
問われているのは、処理能力であり、それは、単位時間あたりに、どれだけ正確に問題を処理できるか、というものなのです。
入学試験とは、いろいろな意味で時間との戦いですが、意識から脱落しやすい時間の筆頭は、制限時間、なのです。
問題がこれだけあって、これを解くのに何分かかっている、ということを身体的感覚のレベルで、文字通り身につけること。大手塾の復習テストや、予習テストは、そのためにも行われているのだ、とお考えいただければと思います。
ですから、個別指導の現場においても、単位時間あたりにどれだけ正解することができるかを置き去りにしているなら、いくら問題を解いたとしても、レベルアップやスキルアップに必ずしもつながらないケースがあることをご理解いただければと思います。
入試問題を丸ごと解く、ということではなく、国語で大問一題を仮に15分で解く、ということから始めていく、ということで十分です。
もしも、制限時間を設定しても、まったく時間内に解けない、ということであれば、逆に、何分かかって、その問題を解いたか、を記録していくことからお始めになってはいかがでしょうか。
国語の大問一題で、入試問題全部、というケースもありますが、そうであっても、制限時間は、60分前後で設定されているはずですし、無制限に時間を使って、仮に120分という数字が出てきた場合には、生徒自身が、これはまずい、とさすがに自覚するはずです。
「入学試験とは、いろいろな意味で時間との戦いですが、意識から脱落しやすい時間の筆頭は、制限時間、なのです」と、前投稿でお伝えいたしました。
それでは、いろいろな意味での時間との戦いとは、何か。
一つ目は、
日常的な時間の制約の中で、学習時間を確保しなくてはならない、ということ。
これは、保護者の方々にとって、もっとも意識しやすい時間であると言えます。いかに、学習時間を捻出するか、ということは、常に意識の大きな部分を占めていらっしゃるはずです。
逆説的には、子どもが勉強しない、という嘆きも、この時間に含まれます。せっかく確保した学習時間が、無駄に流れていく、という感覚が嘆きの正体ですから。
二つ目は、
期限のあることをしているのだ、ということ。
入学試験のための勉強は、入試日をもって終了することになります。浪人の存在しない中学受験では、間違いなく、そうなります。
これも、保護者の方々が、締切のある仕事を抱えていらっしゃる場合には、イメージしやすくなりますし、あと何日、というカウントが、そこかしこで行われていますから、意識のどこかにとどまっているはずです。
三つ目は、
入試問題は、制限時間内に解いてしまわなくてはならない性質のものである、ということ。
これは、保護者の方々の意識から、欠落しやすいものであり、そのため、受験生にも、受験勉強の初期の段階では、その視点が備わっていないケースが非常に多いのです。保護者の方が、現役の受験生である、あるいは、日常的に、制限時間のあるテストを受けたり、受けさせたりしている、あるいは、制限時間内に処理する仕事に就いている、という特殊な状況にでもいらっしゃらないかぎり、制限時間を意識することは、日常ではまれだからです。
親の意識にないものが、子の意識にないのは当然のことです。
唐突で申し訳ありませんが、クリエートベースのロゴマークは、土星に似たかたちを描いています。
占星術的には、土星は厳格で、真面目で、思慮深い性質を与えるものです。土星は時間を支配しています。土星は自制心、遠慮、制限を与えるだけでなく、倹約、慎ましさ、注意深さという素質ももたらします。
また、土星から意志の強さ、忍耐強く粘り強い性質、冷静さ、不屈の精神、落ち着きを得ることができます。土星は、実務能力の高さ、物事や人をうまく経済的に管理する能力を与えます。
土星の効力は、野心的で、遠大な計画と事業を形にすることを可能にし、そういった計画を実現するのに長い時間をかけることになります。土星が教えてくれる最上の教訓は、自制心、用心深さ、忍耐力、貞節、倹約、瞑想する心であり、そして真価と表面的な見栄をはっきりと区別することです。
この、占星術的な土星の意味が、クリエートベースの目指す、個別指導のイメージであり、それは、三つの時間の管理にもつながっているわけです。