個別指導塾だけで中学受験に合格できるのか。個別指導塾を選ぶ時のポイントは何か。個別指導塾と集団塾を併用しても良いのか。
本記事をご覧の方は、個別指導塾を利用した中学受験対策について、様々な疑問や悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、個別指導塾を利用した中学受験対策について、以下5点を解説していきます。
- 中学受験での個別指導塾の選び方
- 個別指導塾と集団塾の違い
- 個別指導塾や集団塾で中学受験対策をするメリット・デメリット
- 個別指導塾を上手に活用するポイント
- 個別指導塾と集団塾を併用する際のポイント
本記事をご覧いただければ、個別指導塾の強みを生かした中学受験対策の仕方を具体的に理解できます。
お子さんにとって最適な学習方法を選択し、志望校合格に一歩近づけるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
個別指導塾だけで中学受験対策はできるのか
中学受験対策は、集団塾で行うのが一般的だといわれています。しかし、最近では個別指導塾だけでも中学受験対策は可能です。
たとえば、勉強が苦手なお子さんの場合、決まったカリキュラムで授業を進める集団塾よりも、自分のペースで学習できる個別指導塾のほうが向いているでしょう。
個別指導塾は講師と生徒が1対1で学習するため、手厚いサポートを受けながら効率的に勉強を進められます。
中学受験で合格するために大切なのは、お子さんにとって最適な学習環境を選ぶことです。一般論だけにとらわれず、個別指導塾と集団塾の違いやメリット・デメリットを十分に理解した上で、お子さんに合った塾を選びましょう。
個別指導塾と集団指導塾の違い
個別指導塾と集団指導塾の違いについて、以下の表にまとめました。
個別指導塾 | 集団指導塾 | |
授業の形式 | 講師1人につき生徒数が1〜4人 | 講師1人につき生徒数が10〜数十人 |
授業の進め方 | 講師と生徒の対話が中心 | 講義形式が中心 |
指導カリキュラム | 生徒に合わせたオーダーメイド | 決まったカリキュラムを事前に作成 |
講師との距離感 | 近い | 遠い |
それぞれの違いを押さえ、どちらがお子さんに合っているかを検討しましょう。
授業の形式
個別指導塾と集団指導塾では、授業の形式が大きく異なります。個別指導塾の授業形式は、講師と生徒が1対1で学習するマンツーマン指導が基本です。塾によっては、講師と生徒が1対2〜4人の少人数指導を実施しているところもあります。
少人数指導の場合、生徒はそれぞれ区切られたスペースで問題演習に取り組み、講師の個別指導を受けることになります。一方、集団指導塾は講師1人が10〜数十人の生徒を担当し、一つの教室で教える授業形式です。
学力が高く、集団の中でも問題なく勉強できるお子さんは集団塾に向いているでしょう。勉強が苦手で、講師による個別のサポートを受けたいお子さんは、個別指導塾が向いているといえます。
授業の進め方
個別指導塾では、講師と生徒の対話を中心に授業を進めます。問題の解説や考え方のコツを、生徒一人ひとりの理解度に合わせて教えるのが特徴です。
講師と生徒が1対2〜4人の少人数指導でも、基本的には講師と生徒が1対1で対話しながら内容理解を深めていきます。
集団指導塾は、講師が数十人の生徒に向けて一斉指導を行う講義形式が基本です。個別指導塾に比べて、講師が生徒と1対1で対話する場面は少ない傾向にあります。
講師が生徒全員の理解度を把握しにくいことから、勉強に遅れを取る生徒が出てくる可能性もあるでしょう。
ただし、集団塾では同程度の学力や目的を持った仲間と一緒に授業を受けるため、互いに切磋琢磨しながらモチベーションを上げて勉強に取り組めます。
指導カリキュラム
個別指導塾では、生徒一人ひとりの学力や目標に合わせてオーダーメイドのカリキュラムを作成します。
周りのペースに合わせる必要がないため、授業についていけなくなる心配をせずに学習できます。また、お子さんの要望に応じて、志望校対策に特化した勉強も可能です。
一方、集団指導塾では、生徒全員が同じペース、同じ内容で勉強を進められるカリキュラムになっています。各単元の学習時期が何ヶ月も前から決められており、カリキュラムに沿って勉強するだけで、ペース配分に迷うことなく学習範囲を網羅できます。
その分、一度つまずいたり塾を休んでしまうと勉強に遅れる可能性があるため、注意が必要です。
講師との距離感
個別指導塾は、講師と生徒が1対1で関わる機会が多く、距離感が近い傾向にあります。そのため、個別指導塾を利用する際はお子さんと講師の相性を見極めることが必要です。
お互いの性格や講師の教え方などの相性が良ければ、信頼関係を築きやすいため学習意欲や成績の向上につながります。
集団指導塾は、講師1人が10〜数十人の生徒に向けて授業をするため、個別指導塾に比べると距離感はあまり近くありません。授業でわからない部分があっても質問しにくく、すぐに疑問が解消されない可能性があります。
ただし、競争心や向上心が高いお子さんであれば、講師との距離感が遠くても積極的に質問し、効率良く勉強を進められるでしょう。
中学受験での個別指導塾の選び方
中学受験に向けて個別指導塾を選ぶ際は、以下3つのポイントを押さえながら比較検討しましょう。
- 中学受験に対応した塾か
- 自習室が利用できるか
- 授業時間や授業料が適切か
上記を意識することで、お子さんのモチベーションや成績アップにつながる個別指導塾を選べます。
中学受験に対応した塾か
中学受験に対応した個別指導塾であるかどうかは、重要な判断ポイントになります。講師との相性が良くても、中学受験に対応していない塾であれば、受験対策ができないためです。
また、どの中学校を受験するか決まっている場合、志望校対策に特化した指導をしてくれるかどうかも確認しましょう。
中学受験は、私立や国立、公立中高一貫校など学校によって出題傾向が大きく異なります。そのため、志望校の入試傾向に合わせてカリキュラムを組んでくれる個別指導塾を選ぶと安心です。
中学受験に対応した個別指導塾を選ぶことで、志望校合格に向けて必要な入試情報や勉強のノウハウを得られるため、着実に成績を伸ばせます。
自習室が利用できるか
個別指導塾を選ぶ際は、自習室が利用できるかどうかもチェックしておきましょう。
中学受験に向けて学習量を増やすためには、自習室の有無が重要なポイントです。自習室が利用できる個別指導塾を選ぶと、授業時間の前後や授業日以外にも勉強時間を確保しやすくなります。
自習室の設備を確認する場合は、体験授業を利用して実際に見に行くのがおすすめです。具体的には、自習室全体の清潔感や空調、机・椅子の使い心地などを確認しましょう。
個別指導塾の自習室は自宅と違って誘惑が少なく、他生徒の頑張る姿が良い刺激となり集中力を高められます。適切な学習環境が整っている個別指導塾に通うと、授業以外の時間も有効活用できます。
授業時間や授業料が適切か
授業時間や授業料が適切かどうかも、個別指導塾を選ぶ上では重要です。中学受験の学習範囲を網羅できる授業時間か、経済的に無理なく通える費用かを事前に確認しましょう。
参考として、大手個別指導塾の授業時間と月額授業料を以下の表にまとめました。
個別指導塾 | 1コマあたりの授業時間 | 月額授業料(週1回・月4回通った場合) |
A塾 | 80分 | 約10,000〜12,000円 |
B塾 | 90分 | 約12,000〜14,000円 |
C塾 | 90分 | 約14,000円(中学受験コース:17,00円) |
個別指導塾にかかる費用は、授業料の他にも特別講習費や教材費、模試代などがあります。
契約前には料金体系を明確にし、不明点があれば講師や担当者に質問をして疑問を解消しましょう。明らかに高額な費用を提示された場合は、納得できる根拠があるかを確かめることも大切です。
個別指導塾で中学受験対策をするメリット
個別指導塾で中学受験対策をするメリットは、以下の4つです。
- 苦手な分野をわかるまで学習できる
- 指導内容を柔軟に変えられる
- 授業時間や曜日を自由に選べる
- 人間関係によるストレスの軽減
自分のペースに合った中学受験対策を進めたい方は、個別指導塾の利用を検討してみましょう。
苦手な分野をわかるまで学習できる
個別指導塾のメリットは、お子さんの学力に合わせた独自のカリキュラムを組むことで、苦手分野の克服に時間をかけられる点です。
丁寧な個別指導で苦手分野をわかるまで学習できるため、点数アップにつなげられます。講師との距離感が近いことから、疑問や不明点をすぐに解消し、内容理解を深められるでしょう。
また、教科ごとの勉強ペースも調整できるため、苦手科目は基礎を定着させつつ得意分野は応用力を身につけるといった柔軟な対応も可能です。
個別指導塾で中学受験対策をすると、一人ひとりのために組まれたカリキュラムによって苦手分野を重点的に学べるため、学力の向上が期待できます。
指導内容を柔軟に変えられる
個別指導塾は集団塾のように全教科を均等に学ぶ必要がなく、生徒の学力に合わせたバランスで学習できる点もメリットです。苦手分野の学習を多めに設定したり、志望校に合わせて指導内容を柔軟に変えたりできます。
たとえば、国語や算数の配点比率が高い中学校を受験する場合、社会や理科よりも国語と算数の対策を優先的に進めることが考えられます。併願受験をする場合も、お子さんや親御さんと相談しながら無理のないペースで勉強できるように指導内容の変更が可能です。
多くの個別指導塾では、カリキュラムの作成後も定期的に見直しや修正を行います。そのため、目標を達成するための最適な勉強ペースや学習内容を設定できるでしょう。
授業時間や曜日を自由に選べる
個別指導塾は、お子さんの生活リズムに合わせて「いつ・どのくらい」授業を受けるのかを自由に選べます。
集団塾の場合、固定のカリキュラムで授業を進めるため、生徒個人の要望に応じた授業時間や曜日の変更はできません。しかし、個別指導塾であれば「習い事で火曜日の◯時〜◯時は授業に参加できない」「家族旅行で一週間休みたい」など生徒の状況に合わせて授業時間を設定できます。
授業の欠席が多いと入試に間に合わない可能性も出てきますが、曜日や時間にしばられないことで、精神的な余裕を持って受験勉強に取り組めるでしょう。
人間関係によるストレスの軽減
集団塾では、同じ教室にいる仲間の存在が良い刺激となり、モチベーションを高められます。その一方で「友達と喧嘩をする」「陰口を言われる」など、人間関係のトラブルに巻き込まれる可能性もあります。個別指導塾では、このような人間関係のストレスを軽減して受験勉強のみに集中できるのがメリットです。
また、個別指導塾は集団塾に比べて講師の変更も柔軟に対応できることから、相性の良い講師を見つけやすい傾向にあります。
お子さんのやる気を引き出しながら学力を伸ばしてくれる講師に出会えると、ストレスに悩まされることなく受験勉強に励めます。
個別指導塾で中学受験対策をするデメリット
個別指導塾には、多くのメリットがある一方で、下記のようなデメリットもあります。
- 受験までにカリキュラムが間に合わない可能性
- モチベーションが上がりにくい
- 講師との相性が悪いと学習効果が低い
- 集団塾よりも高額になりがち
集団塾に比べてカリキュラムの自由度が高い分、計画性や自己管理が求められる場面もあるため注意しましょう。
受験までにカリキュラムが間に合わない可能性
個別指導塾は、生徒一人ひとりのペースに合わせてオーダーメイドのカリキュラムを作成できる点がメリットです。
しかし、入試までの期間や必要な学習範囲を考慮しないまま、自分のペースだけで勉強を進めると受験に間に合わなくなる可能性があります。
もちろん、苦手分野を克服するために時間をかけて勉強することは大切です。しかし、出題範囲の広い中学受験をクリアするためには、弱点の克服と同時に他教科の勉強も進めなければなりません。
個別指導塾で中学受験対策をする際は、入試までに必要な勉強を終えられるよう、定期的に理解度や進捗を確認し、学習ペースを調整しましょう。
カリキュラムに定められた授業回数を確実にこなしていくことで、志望校の出題範囲をカバーできます。
モチベーションが上がりにくい
個別指導塾は、モチベーションが上がりにくい点もデメリットです。
集団塾では、仲間が勉強に励む姿を見たり友達と成績を競い合ったりすることで、学習意欲を高められます。しかし、個別指導塾ではお互いに高め合うライバルの存在がないため、自力でモチベーションを保たなければなりません。
個別指導塾に通いながらモチベーションを上げるためには、何のために受験するのか、中学校ではどのような生活を送りたいのかを考えてみましょう。中学受験の目的が明確になると、前向きな気持ちで勉強に取り組めるようになります。
また、定期的に模試を受けるのもおすすめです。自分の実力を全国のライバルと比較することで、競争心が芽生えるきっかけになります。
講師との相性が悪いと学習効果が低い
個別指導塾は、講師と生徒が1対1で関わる時間が長いため、相性の良い講師に出会うことで大幅な成績アップが期待できます。
反対に講師との相性が悪いとお子さんが学習内容を理解できなかったり、モチベーションが下がったりして学習効果が低くなるかもしれません。指導力が高い講師でも、お子さんの学力に合わない指導をしている場合は相性が悪い可能性があります。
おとなしい子の場合、講師と相性が悪くてもなかなか言い出せない傾向にあります。親御さんが些細な変化に気付き、すぐに対応できるよう心がけましょう。
なお、多くの個別指導塾では講師を変更できますが「ある程度時間がかかる」「必ずしも希望通りになるとは限らない」などのリスクもあるため注意が必要です。
集団塾よりも高額になりがち
個別指導塾は、集団塾に比べて手厚いサポートを受けられる分、費用が高額になりがちです。できる限り費用を抑えて個別指導塾を利用するためには、以下のポイントを押さえましょう。
- 苦手科目に絞って授業を受ける
- 割引やキャンペーンを利用する
受講する教科を苦手科目に絞ると、費用を抑えながら苦手分野の重点的なフォローができます。また、「兄弟割引」や「新学期キャンペーン」などを利用して入塾すると、入学金が無料になる場合もあります。
中学受験で合格するためには、お子さんに合った学習方法を選び、それを継続することが大切です。個別指導塾を長く利用するためにも、経済的な負担を軽減できる工夫を積極的に取り入れてみましょう。
集団塾で中学受験対策をするメリット
集団塾で中学受験対策をするメリットは、以下の3つです。
- カリキュラムに合わせた受験対策が可能
- 他の生徒と切磋琢磨できる
- 学費を安く抑えられる
「ある程度ハイレベルな学習にもついていける」「ライバルがいると頑張れる」などのお子さんには、集団塾での中学受験対策がおすすめです。
カリキュラムに合わせた受験対策が可能
集団塾は、生徒のペースに合わせて授業を進める個別指導塾と違って、カリキュラムが事前に組まれています。集団塾のカリキュラムは中学受験を網羅する内容となっているため、授業に参加するだけでペースを落とすことなく勉強できる点がメリットです。
また、多くの集団塾ではオリジナル教材が用意されていることから、受験に臨む上で重要なポイントを絞って効率良く学習できます。ただし、集団塾は個別の学習サポートを受けにくい分、主体的に勉強する姿勢が求められます。
積極的に質問したり調べたりしながら自分の疑問点をすぐに解消し、内容理解を深められるお子さんだと、集団塾でも授業に遅れることなく勉強できるでしょう。
他の生徒と切磋琢磨できる
集団塾は、同じ教室にいる生徒同士で切磋琢磨し、勉強に力を入れられる点もメリットです。お子さんにとって良いライバルが見つかれば「負けたくない」という競争心が芽生え、勉強のモチベーションも上がります。
また、テストの結果に応じてクラスを分ける集団塾のシステムも、学習意欲の向上には効果的です。「上のクラスにいきたい」と目標を立てるきっかけになり、より一層勉強に励めます。
集団塾で仲間ができると、お互いの成績を競い合うだけでなく、わからない部分を教え合う関係性もできます。友達に勉強を教えることでアウトプットの機会ができるため、学習内容の理解が深まるでしょう。
向上心が高かったり負けず嫌いだったりするお子さんには、集団塾が向いているといえます。
学費を安く抑えられる
集団塾は、個別指導塾に比べて学費を安く抑えられます。その理由は、1人の講師が数十人の生徒に教えることで人件費を抑えられるためです。
とはいえ、あまりにも学費が安い集団塾を選ぶと講師の指導力が低く、十分なサポートを受けられない可能性があります。低価格帯の集団塾を選ぶ際は、学費と一緒に以下のポイントも確認しましょう。
- どのようなサポートを受けられるか
- 教師の指導力に問題はないか
学費が安い集団塾では費用を抑える分、進路相談などの個別サポートを削っていることが考えられます。他の集団塾と比較した時、サポート内容にどれくらいの差があるかチェックしておきましょう。
また、体験授業に参加して講師の指導力を確かめることも大切です。
集団塾で中学受験対策をするデメリット
集団塾で中学受験対策をするデメリットは、以下の3つです。
- 自分のペースと合わない可能性がある
- わからないところを質問しづらい
- 集中力が続かない
上記のデメリットがお子さんの成績に影響を及ぼす場合は、個別指導塾の利用を検討してみましょう。
自分のペースと合わない可能性がある
集団塾のデメリットは、カリキュラムや授業ペースが自分の学力と合わない場合でも、調整してもらうのが難しい点です。「ゆっくり説明してほしい」「既に学習した内容だから他の勉強をしたい」と思っても、集団塾は大勢の生徒を指導するため、一人ひとりの要望には簡単に応えられません。
その結果、思い通りに勉強できないストレスで、お子さんのモチベーションが低下する可能性があります。
授業のペースが自分の学力と合わないために、学習意欲や成績が下がるおそれがある場合は、集団塾に通いながら個別指導塾も併用するのがおすすめです。
集団塾で理解しきれなかった単元や、もっと成績を伸ばしたい科目の勉強をカバーすることで、モチベーションを維持しながら受験対策ができます。
わからないところを質問しづらい
集団塾は講師の目が生徒全員に届きにくく、わからないところがあっても質問しづらい点がデメリットです。
授業中に挙手して質問するのが苦手なお子さんだと、疑問点をすぐに解消できないため勉強の遅れにつながる可能性があります。わからないところを授業中に質問するのが難しい場合は、授業前後の時間を活用しましょう。
授業中は周りの目が気になって積極的に質問できないお子さんでも、空き時間に個別で対応してもらうと苦手分野の勉強を後回しにせず学習内容を理解できます。
「質問内容を上手に伝えられない」「自分から先生に話しかけられない」というお子さんは、集団塾よりも個別指導塾のほうが向いているかもしれません。
集中力が続かない
集団塾では、講師が自分一人に向けて授業をするわけではないため、つい気が緩んでしまい集中力が続かなくなってしまいます。また、同じ教室に不要な発言をする生徒がいると、お子さんが授業に集中できず、ストレスを抱える可能性もあります。
集中力がないまま授業に参加しても、学習内容を十分に理解するのは難しいため、成績は伸びないでしょう。集団塾の学習環境が合わず、お子さんの集中力や成績が落ちるようであれば、個別指導塾の利用も検討してみてください。
個別指導塾は講師と生徒が1対1で授業を進めるため、講師に見られている意識から自然と集中力が高まります。また、周りの生徒を気にせず、自分の勉強だけに集中して取り組めるでしょう。
個別指導塾を上手に活用するポイント
個別指導塾で中学受験対策をする際は、以下3つのポイントを押さえながら上手に活用しましょう。
- お子さんに合っているか見極める
- 苦手分野を克服することから始める
- 習い事をやめる必要はなく受験勉強ができる
個別指導塾のメリットを最大限に生かすことで、効率良く成績を伸ばしながら志望校合格を目指せます。
お子さんに合っているか見極める
個別指導塾を利用するにあたって大切なのは、授業形式や指導方法がお子さんに合っているかを見極めることです。
質の高い指導を受けられる個別指導塾であっても、お子さんの学力や性格に合っていなければ、塾のメリットを活かせず成績も思うように上がりません。
お子さんが以下の特徴に当てはまれば、個別指導塾での中学受験対策が適している可能性があります。
- 苦手分野の学習や志望校対策など自分のペースで勉強したい
- 習い事が忙しいため授業時間を柔軟に変更したい
- 周りの目を気にせず先生に質問して疑問を解消したい
マンツーマン指導と少人数指導のどちらが合っているかについては、体験授業に参加してお子さんの様子を見たり、授業後に感想を聞いたりして確かめましょう。
苦手分野を克服することから始める
個別指導塾に入ったら、苦手分野を克服することから始めるのがおすすめです。勉強が得意なお子さんでも、苦手分野があると自信を持てず、モチベーションも上がりにくい傾向にあります。
そこで、最初に苦手分野の対策から始めるよう講師に要望を伝え、お子さんに合ったカリキュラムを組んでもらいましょう。
個別指導塾では、お子さんの理解度に応じてわかりやすく説明してくれるため、集団塾や独学よりも短期間で苦手を克服できます。苦手分野をクリアし、勉強に対する自信がつくとチャレンジ精神を持って様々な問題に取り組めるでしょう。
個別指導塾を利用する際は、最初に苦手をなくすことを優先し、成功体験を積ませることが大切です。
習い事をやめる必要はなく受験勉強ができる
個別指導塾は集団塾に比べて時間の融通が利くため、習い事との両立も可能です。場合によっては、個別指導塾と習い事を上手く両立させることで、集中力やモチベーションを維持できます。
たとえば、お子さんが好きな内容の習い事をしていれば、週に1〜2回通うだけでも適度にストレスを発散できて、再び勉強を頑張れるようになります。
また、習い事を通して精神力や忍耐力が鍛えられ、集中力が高まるかもしれません。
ただし、習い事と塾に通う頻度が多く、お子さんの自由時間がなくなると逆効果になる可能性があります。習い事と塾の両立による負担が大きければ、お子さんと相談しながら通うペースを調整することも大切です。
個別指導と集団指導を併用する際のポイント
中学受験対策では、個別指導塾と集団塾を併用するのも一つの手です。
しかし、単純に併用するだけだと高い学習効果は期待できません。個別指導塾と集団塾を併用する際は、以下3つのポイントに気をつけましょう。
- お互いの長所と短所を補うようにする
- 費用やお子さんに無理がないよう気をつける
- 個別と集団を兼ね備えた塾を選ぶのもおすすめ
2つの指導形式を上手に活用し、効率良く受験勉強を進めることが大切です。
お互いの長所と短所を補うようにする
個別指導塾と集団塾を併用する際は、お互いの長所と短所を補うことを心がけましょう。
たとえば、カリキュラムを柔軟に組める個別指導塾のメリットを活かしつつ、モチベーションが上がりにくいデメリットを集団塾で補います。集団塾で良いライバルを見つけ、模試や実力テストの結果を競い合うことで、高い学習意欲を維持できるでしょう。
また、集団塾で中学受験に必要な学習内容を網羅しながら、個別指導塾で苦手分野のフォローをすることも可能です。上手くいくと集団塾の授業に遅れることがなくなるだけでなく、中学受験対策をより一層強化することができます。
このように、個別指導塾と集団塾の長所と短所を把握した上で、お互いに足りない部分を補うようにすると、学習効果を高められます。
費用やお子さんに無理がないよう気をつける
個別指導塾と集団塾を併用すると、どうしても学費や拘束時間が増えて家庭の負担が大きくなってしまいます。そのため、塾の併用に必要な費用を事前に確認したり、通塾頻度について親子で話し合ったりして、無理なく通えるように調整しましょう。
2つの塾を併用する際は、集団塾で基本的な受験対策を進め、個別指導塾で復習や苦手の克服、志望校対策に特化した勉強をするのがおすすめです。個別指導塾が集団塾の授業内容に合わせてカリキュラムを組み、適切なサポートを行うことで効率良く勉強を進められます。
個別指導塾と集団塾を併用する場合は、経済的・時間的に無理のない範囲でお子さんに合った学習を継続するよう心がけましょう。
個別と集団を兼ね備えた塾を選ぶのもおすすめ
個別指導塾と集団塾を併用する際は、お子さんに合った塾をそれぞれ探さなければなりません。
入塾後も、お子さんの学力や進路について2つの塾とやり取りする必要があるため、親御さんに大きな労力がかかってしまいます。そこで、個別指導と集団指導、両者のメリットを兼ね備えた塾の利用も視野に入れましょう。
当塾が採用している「集団個別指導」は、教室には同年代の難関中学受験への合格を目指している仲間がいる一方で、日々、取り組む学習内容は一人一人異なります。ライバルの存在で競争心を刺激する集団指導のメリットを生かしつつ、個別指導による内容理解を適宜行うことで、学習効果を高められます。
中学受験対策を一つの塾で完結できるため、お子さんに負担をかけず効率的に勉強を進められます。
具体的なサポート内容は塾によって異なるため、学費や指導方法、進路サポートの有無などを事前に確認しましょう。
まとめ
本記事では、個別指導塾を利用した中学受験対策についてご説明しましたが、特に大切なポイントは以下の3つです。
- 個別指導塾だけでも中学受験対策は可能だが、お子さんの学力や性格に合った塾選びが大切
- 個別指導塾は柔軟にカリキュラムを組めるのが大きなメリットである一方、モチベーションが上がりにくかったり学費が高かったりする点に注意が必要
- 個別指導塾と集団塾を併用する際は、お互いの長所と短所を補いながら無理のない範囲で通塾すると良い
個別指導塾と集団塾のメリット・デメリットを踏まえつつ、親子で相談しながらお子さんにとって最適の学習方法を選択しましょう。
本記事の内容をもとに、お子さんが効率良く中学受験対策を進められる塾を見つけ、志望校合格に近づけるよう、心からお祈り申し上げます。