偏差値50はどのくらい?偏差値の意味や成績を伸ばす勉強法を解説

偏差値50はどのくらい?偏差値の意味や成績を伸ばす勉強法を解説

偏差値50はどのくらいの学力なのか。偏差値50でも上位校は受験できるのか。偏差値50から成績を伸ばすために親ができるサポートはあるのか。

本記事をご覧の方は、中学受験における偏差値50の意味や成績を伸ばすための勉強法について、さまざまな疑問や悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、中学受験における偏差値50について以下5点を解説していきます。

  • 偏差値50の意味や中学受験における位置づけ
  • 偏差値50〜55の子の特徴
  • 偏差値50〜55で目指せる中学校
  • 偏差値50から偏差値60に上げる方法
  • 偏差値50〜55の親御さんができるサポート

本記事をご覧いただければ、偏差値50台で目指せる中学校が豊富にあることを理解し、受験に向けて効率よく勉強を進められます。

偏差値を有効活用し、志望校合格に一歩近づけるよう、ぜひ参考にしてください。

偏差値とは

偏差値とは

偏差値とは、受験者全体の中で自分がどの位置にいるのかを表す指標です。テストの平均点を偏差値50とし、そこからどのくらい高いか低いかを見て自分の相対的な学力を把握します。

相対的な学力を把握できると、周りの受験生との学力差が明らかになります。

たとえば、模試の結果が「国語50点」「算数75点」の場合、点数だけ見ると国語のほうが学力が低いと感じられるかもしれません。しかし、平均点がそれぞれ「国語40点」「算数85点」であれば、相対的な学力は算数のほうが低いと判断されるでしょう。

このように、偏差値を使えば自分の実力を正確に把握できるため、得意科目や苦手科目を見つけて効率的に受験対策を進められます。

偏差値50~55ってどのくらい?

偏差値50~55ってどのくらい?

偏差値50〜55は学力的にどのくらいの位置を示すのか、以下2つの視点から見ていきます。

  • 偏差値50~55の意味と位置づけ
  • 中学受験の偏差値50~55はハイレベル

中学受験における偏差値50と高校受験における偏差値50は意味合いが異なるため、ここで2つの違いを理解しましょう。

偏差値50~55の意味と位置づけ

「平均点=偏差値50」になるため、偏差値50の学力は母集団のちょうど真ん中に当たります。順位で表すと100人中50番目になり、偏差値55の場合は100人中30番目(上位30%)あたりです。

つまり偏差値50〜55の人は、基本問題に一通り対応できる程度の知識がついており、平均もしくは平均よりも高めの学力があるといえます。偏差値50から成績を伸ばすためには、基礎知識を活用して答えを導く応用力や論理的思考力を鍛えることが大切です。

中学受験の偏差値50~55はハイレベル

一般的に、偏差値50は平均的な学力を示します。ただし、中学受験における偏差値50は高校受験における偏差値50と意味合いが異なり、「高い学力を持っている」と判断されるのが特徴です。

文部科学省の「学校基本調査」によると、令和5年度における高校進学率は98.7%で、全国にいる中学生のほとんどが高校受験をしているとわかります。その一方で、中学受験を目指す小学生は少数です。また、中学受験をする小学生の多くが受験に対する意思が強く、学力も高い傾向にあります。

つまり、中学受験は高校受験と違って母集団の平均的なレベルが高いため、偏差値50を取っても「全国的に見ると高い学力を持っている」とみなされるのです。

偏差値50~55の子の特徴

偏差値50~55の子の特徴

偏差値50〜55のお子さんには、以下の特徴があります。

特徴
基礎学力と応用力・基礎学力はおおむね身についている
・応用力にはばらつきがある
学習習慣と自己管理能力・基本的な学習習慣がついている
・自己管理能力は発展途上の段階にある
受験へのモチベーション・受験のモチベーションは高いが、気分に左右されることもある
学習スタイル・自分なりの学習スタイルを模索している
親や周囲のサポートの必要性・適度なサポートは必要だが、自主性を伸ばす余地もある
志望校の選択肢・選択肢は多く、入試までの期間と努力次第でさらに幅を広げられる

上記を満たしていない部分がある方は、勉強方法や生活スタイルを一度見直してみましょう。

基礎学力と応用力

偏差値50〜55のお子さんは、基礎問題を確実に解く力がおおむね身についているのが特徴です。以下のような知識問題や計算問題は難なくこなせるでしょう。

  • 国語:漢字の書き取りや語句の意味を答える問題
  • 算数:計算式から答えを導く問題
  • 理科・社会:語句の選択、穴埋め問題

しかし、記述式の問題や答えを出すまでに時間がかかる応用問題を解く力にはばらつきがあります。知識を覚えるだけで満足し、問題文の形式が変わったときに対応できなくなるためです。

そのため、偏差値50から成績を伸ばすには言葉を丸暗記するだけでなく、根本的な原理や仕組みを理解するための勉強法も取り入れましょう。

学習習慣と自己管理能力

偏差値50〜55のお子さんは、与えられた課題をこなすだけの学習習慣が身についている傾向にあります。学習意欲も高く、目標達成に向けて積極的に頑張れる状況のお子さんが多いです。

しかし、自己管理能力はまだ発展途上の段階にあり、時間管理が甘い部分も見受けられます。模試やテストで時間配分を考えずに取り組み、制限時間内に問題が終わらないこともあるでしょう。

成績向上のためには、限られた時間の中で効率よく勉強したり、問題を解いたりする計画性が必要です。勉強時間がムダにならないよう、親御さんもサポートしながら計画的に学習を進めましょう。

受験へのモチベーション

偏差値50〜55のお子さんは学習意欲が高く、受験に対する適度なプレッシャーを感じているものの、気分によってやる気が左右される場面も見られます。

学習意欲の高さは「もっと成績を伸ばしたい」「ライバルに勝ちたい」という向上心の表れです。しかし、偏差値50は母集団における平均的な学力を示すため、周りの成績と比べて落ち込むこともあるでしょう。

また、小学生は精神的に未熟な部分があり、嫌なことがあると勉強に対するモチベーションが下がる可能性もあります。そのため、勉強では小さな成功体験を積み重ねつつ、親御さんが結果だけでなく頑張っている過程を積極的に褒めて継続的にやる気を維持することが大切です。

学習スタイル

偏差値50〜55のお子さんは、自分なりの学習スタイルを模索している段階です。自分に合った学習スタイルがわからない状態が続くと、内容理解に時間がかかり、成績が伸びなくなる可能性があります。

自分なりの学習スタイルを確立するためには、以下の方法を実践しましょう。

  • 時間帯で勉強方法を変える
  • 科目ごとに勉強方法を変える

「朝は発展問題に取り組む」「夜は暗記を重視する」など時間帯で学習の仕方を変えることで、さまざまな勉強法を試しながら自分に合ったスタイルを見つけられます。科目ごとに勉強法を変えると、教科の特性に合った学習を見つけるきっかけにもなるはずです。

親や周囲のサポートの必要性

偏差値50〜55のお子さんの場合、親御さんや周囲のサポートが必要な場面も出てきます。具体的には、勉強の目標や学習スケジュールを一緒に考える、お子さんが成功体験を積みやすい問題を用意してあげるなどです。

ただし、偏差値50〜55のお子さんであれば、親御さんや周囲の適度なサポートを受けつつ自主性を育てる余地もあります。最初は勉強方法や学習計画を一緒に考え、徐々に自主的な行動を促すことで、お子さんの計画性や行動力を養えるでしょう。

しかし、このような受験のサポートを全て親御さんがやることは非常に大変です。学習塾や家庭教師などプロの手を借りて、役割分担をしながらお子さんのサポートをすることが最も良いでしょう。

志望校の選択肢

中学受験の場合、偏差値50〜55で目指せる中学校の数は多く、受験勉強の開始時期や努力次第ではさらに選択肢を増やせる可能性があります。

志望校を選ぶときは、以下3つのポイントを意識しましょう。

  • お子さんとの相性
  • 通いやすさ
  • サポート体制の充実度

お子さんの学力や性格に合った中学校を選ぶことで、入学後も伸び伸びと生活できます。通学で疲れてしまい活力や集中力が落ちないよう、自宅から通いやすい中学校を選ぶことも重要なポイントです。

また、お子さんの学習面や精神面のサポートをしてくれる中学校の場合は勉強や人間関係のストレスを軽減し、安心して学校生活を送れます。

偏差値50~55で目指せる中学校

偏差値50~55で目指せる中学校

ここでは、偏差値50〜55の中学校をいくつかピックアップして、その学校の特色を解説しています。偏差値以外の基準でも志望校を検討できるように関西の中学校を中心にいくつかご紹介します。

中学校名
関西の私立中学校・明星中学校(大阪)
・奈良学園中学校(奈良)
・立命館中学校(京都)など
関西の国公立中学校・大阪教育大学附属天王寺中学校(大阪・国立)
・京都教育大学附属桃山中学校(京都・国立)
・富田林中学校(大阪・公立)など
関東の私立中学校・城北中学校(東京)
・江戸川学園取手中学校(茨城)など
関東の国立中学校・東京学芸大学附属世田谷中学校(東京・国立)
・伊奈学園中学校(埼玉・公立)など

偏差値50台の中学校を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

関西の私立中学校

偏差値50〜55で目指せる関西の私立中学校には、以下の3校があります。

  • 明星中学校(大阪)
  • 奈良学園中学校(奈良)
  • 立命館中学校(京都)

明星中学校

明星中学校では、キリスト教精神に基づき、「地の塩・世の光」となる人材育成を目指しています。マリアニストスクールとして、信仰、人格形成、全人教育、家庭的雰囲気、奉仕精神を重視しています。

カリキュラムでは、グローバル教育に力を入れており、Active English、イングリッシュキャンプ、オンライン英会話、ターム留学などを実施。また、総合探究「リベラルスタディーズ」として、社会課題解決に取り組む力を養成します。

さらに進路指導面では、「夢手帳」や「学習ポートフォリオ」を活用した学習支援を行うだけでなく、放課後学習会やラーニングセンターなど、さまざまな学習サポート体制も整えています。

奈良学園中学校

奈良学園中学校は、「未来を創造する豊かな人間力の養成」を教育目標とし、6年間の中高一貫教育を通じて、学力、自主性、協調性、体力をバランスよく育成しています。

中学校のカリキュラムには特進コースと医進コースがあり、早い段階から将来の進路に対応することが可能です。

特進コースでは、幅広い選択肢ときめ細やかな指導で個々の適性に応じた進路を目指しています。一方の医進コースでは、国公立大学医学系受験に対応する独自のカリキュラムを実施し、医師としての倫理観や使命感も養います。

両コースとも、個性や資質を伸ばし、生徒の夢をサポートすることを大切にしています。

立命館中学校

立命館中学校は、高い学力育成とグローバル・サイエンス教育を通じて探究力のある人材育成を目指しています。

特徴的な取り組みとして、数学と英語で少人数体制の授業を実施していることが挙げられます。また、大学と連携したプログラムも充実しており、立命館大学の研究者による講演会や出前授業などが行われています。

カリキュラムでは、中学1年から「総合探究基礎」という科目を設け、iPadやパソコンを活用した学習や、ミニ探究活動を行っています。さらに、サイエンスポスターセッションコンテストや平和学習など、さまざまな探究的な学習機会を提供しています。

また、グローバル教育にも力を入れており、海外留学や研修、国際行事への参加を通じて、異文化理解やコミュニケーション能力の向上を図っています。これらの教育を通じて、グローバル時代に活躍できる人材の育成を目指しています。

関西の国公立中学校

関西にある偏差値50〜55の国公立中学校には、以下の3校が挙げられます。

  • 大阪教育大学附属天王寺中学校(大阪・国立)
  • 京都教育大学附属桃山中学校(京都・国立)
  • 富田林中学校(大阪・公立)

大阪教育大学附属天王寺中学校

大阪教育大学附属天王寺中学校は、「質実剛健」の校風のもと、基礎学力の定着と個性の伸長、協調性の育成を重視しています。学び合いの精神を大切にし、生徒の無限の可能性を引き出すことを目指しています。

授業は一方的な知識伝達ではなく、実験・考察、創作・発表・表現活動、問題解決などさまざまな学習形態を採用し、生徒自らが学び探求する力を育成しています。

特に英語教育に力を入れており、英語暗唱大会や英語弁論大会を毎年実施しています。学年別のテーマに基づいた発表を行うことで、実践的なコミュニケーション能力の向上と「使える英語」の習得を目指しています。

京都教育大学附属桃山中学校

京都教育大学附属桃山中学校では、「豊かな感性、輝く個性、拡がる共生」を教育理念とし、生徒一人ひとりの個性を尊重しながら、社会や人との関わりの中で主体的に学ぶ生徒の育成を目指しています。

特徴的な取り組みとして、「課題探究」活動があります。全学年混在の少人数グループで、「日本文化と和の心」「ユニバーサルデザイン」など20コースから興味のある分野を選択し、協働して課題を設定・探究し、最終的に全校での発表会を行います。

また、学校行事は生徒会を中心に生徒が主体的に企画・運営し、自分たちの思いを実践につなげる機会となっています。これらの活動を通じて、探究する力や主体性を身につけ、将来の夢の実現に向けて努力する生徒の育成を目指しています。

富田林中学校

富田林中学校は、「グローカルリーダーの育成」を教育目標に掲げています。この目標のもと、グローバルな視野とコミュニケーション力、論理的思考力と課題解決能力、社会貢献意識と地域愛という3つの資質を育成することを重視しています。

富田林中学校の特徴として、「見える化システム」があります。このシステムは、生徒が自身の学力と志望大学の合格可能性を客観的に判断できるようにするものです。過去の卒業生の大学受験結果と模試の成績データを活用することで、生徒は自分の現在の学力位置を把握し、目標に向けて努力することができます。

また、ICT設備の充実や、スーパーサイエンスハイスクール(SSH)としての先進的な理数教育にも力を入れています。さらに、地域と連携したコミュニティ・スクールの取り組みを通じて、生徒が社会と直接つながり、実践的な学びを得られる環境を整えています。

関東の私立中学校

次に、偏差値50〜55で目指せる関東の私立中学校を2校ご紹介します。

  • 城北中学校(東京)
  • 江戸川学園取手中学校(茨城)

城北中学校

城北中学校は、生徒の発達段階に合わせて目標を定めた「3期体制」による一貫教育プログラムが特徴的です。学習の基礎基本を確立しつつ、少人数制授業や講習会で応用力を伸ばしています。

江戸川学園取手中学校

江戸川学園取手中学校は、希望の進路に合わせた3つのコース(医科コース・東大コース・難関大コース)が用意されています。卒業後の進路が明確に決まっている方にはおすすめです。

関東の国公立中学校

偏差値50〜55で目指せる関東の国公立中学校には、以下の2校があります。

  • 東京学芸大学附属世田谷中学校(東京・国立)
  • 伊奈学園中学校(埼玉・公立)

東京学芸大学附属世田谷中学校

東京学芸大学附属世田谷中学校では、道徳と特別活動の時間を統合した「生活学習」を実施しています。学校行事や学級活動を通して道徳性や社会性を育めるのが魅力です。

伊奈学園中学校

伊奈学園中学校は、数学・英語の少人数制授業や、各種検定の取得に向けた学習を通して国語・数学・英語の授業を強化することに力を入れています。一流の科学者や著名人による講演会なども実施し、将来への夢を育てる教育に取り組んでいます。

偏差値50~55のお子さんの間違った勉強法

偏差値50~55のお子さんの間違った勉強法

偏差値50台から成績が伸び悩んでいる方は、現在実践している勉強法が下記に当てはまらないかチェックしてみてください。

  • 難しい問題も時間をかけて復習してしまう
  • まとめて問題を解いて、まとめて丸付けをする
  • テキストの説明を眺めるだけ

勉強効率が悪くなると深い内容理解にはつながらず、偏差値60に届かない可能性があります。

難しい問題も時間をかけて復習してしまう

難しい問題の復習に時間をかけても、労力の割に得られるものが少ないでしょう。一つの問題に時間をかけて理解するより、まずは基礎知識を確実に身につけてからレベルの高い問題を復習することが大切です。

中学受験の試験範囲は幅広く、中学校によっても出題内容が大きく異なります。そのため、効率よく勉強するには全教科・全単元の問題を完璧に解くのではなく、志望校の出題傾向に沿った問題を取捨選択し、必要な知識を重点的に覚える必要があります。

基礎全ての科目で基礎固めができているお子さんの場合は、じっくりと難しい問題に取り組むことでさらに学力を伸ばしていくことができますが、他の科目の基礎固めが出来ていない場合は、そちらを優先した方が全体的な学力を早く伸ばすことができます。

まとめて問題を解いて、まとめて丸付けをする

問題をまとめて解くと、たくさん勉強した気分になれますが、知識の定着にはあまり効果がありません。「明日丸付けしよう」と問題演習から丸付けまでに時間が空くと「どのように考えたか」を忘れてしまい、丸付けの意味がなくなるためです。

丸付けには、問題を間違えた原因やつまずきやすいポイントを分析し、自分の傾向を把握する役割があります。しかし、まとめて問題を解くと1問1問への興味が薄れるため「覚えたつもり」「わかったつもり」になってしまいます。

簡単な計算問題や知識問題であれば一気に解いても問題ありませんが、思考力が求められる応用問題は一問ずつ答えを確認して確実に知識を定着させましょう。

テキストの説明を眺めるだけ

理科や社会の学習で、偏差値50〜55のお子さんが陥りがちなのは、教科書や参考書の説明文を眺めるだけの勉強法です。

理科や社会は覚えることが多いため、暗記に気を取られて説明文を流し読みする傾向にあります。しかし、効率よく暗記するためには、単語の意味を理解しながらインプットすることが大切です。知識を覚えたあとは、アウトプットを通して言葉の意味や周辺知識とのつながりも理解しましょう。

アウトプットをする際は、説明文をもとに自分の言葉で文章化したり、誰かに説明したりする方法がおすすめです。言葉の意味を説明する過程で情報が整理され、周辺知識を体系的に覚えられます。

偏差値50~55を偏差値60に上げる方法

偏差値50~55を偏差値60に上げる方法

偏差値50〜55のお子さんが偏差値60を目指す場合は、以下5つの方法を実践してみましょう。

  • 適切なスケジュール管理を立てる
  • 暗記ではなく理解を重視する
  • 時間配分を最適化する
  • 積極的な質問を心がける
  • 苦手分野をなくす

偏差値50〜55のお子さんは、勉強や授業に臨む姿勢を変えることで一気に成績を伸ばせる可能性があります。

適切なスケジュールを立てる

偏差値50〜55のお子さんが偏差値60まで上げるためには、1日・1週間単位の適切なスケジュールを立てましょう。

偏差値50〜55のお子さんは、学習意欲が高い一方で「目標達成に向けて学習計画を立てる」「モチベーションを維持する」などの自己管理能力は受験勉強を通して身につけている段階です。そのため、適切な学習計画を立ててから勉強に取り組むことで、より効率的に知識が定着します。

目標は、「志望校に合格する」という長期目標と、「来週までに漢字を10個覚える」「今日は問題集を3ページやる」などの短期目標を設定しましょう。一日の終わりには目標達成できたかを確認し、学習計画を見直すことで勉強効率を高められます。

暗記ではなく理解を重視する

偏差値50〜55のお子さんは、基礎知識を丸暗記している可能性があるため、勉強では学習内容の本質的な理解を心がけましょう。

たとえば、算数の公式をそのまま暗記しても「どこで使うのか」を理解していなければ、応用問題は解けません。社会でも「基本的人権」や「国民の三大義務」などの言葉をただ覚えても、それが自分の生活にどう影響するのか、具体的に何をすることなのかがわからないと、問題形式が変わるだけで答えられなくなるでしょう。

学習内容を本質的に理解するためには、単語を前後の文脈とセットで覚えたり、自分の言葉で説明したりして、情報を整理することが大切です。

時間配分を最適化する

限られた勉強時間を有効活用するために、自宅で学習するときは時間配分の最適化を意識しましょう。問題の演習時間を毎回決めるだけでも徐々に学習ペースを掴めるようになり、効率的に知識を定着できます。

時間配分を最適化するためには、問題を解く前に「どれくらい時間がかかるか」を考え、想定時間を決めましょう。具体的には、問題文を理解するまで1分、答えを出すまでに5分と設定してから問題に取り組みます。解き終わったら、どれくらい時間がかかったのかをチェックし紙に記録するのがポイントです。

このように、日々の勉強で時間配分を意識すると、テストでも問題を見ただけで必要な時間を想定し、時間内に最後まで問題を解けるようになります。

積極的な質問を心がける

偏差値50〜55のお子さんが成績を伸ばすためには、些細な疑問でもすぐに質問する姿勢が大切です。苦手分野を減らし、対応できる問題の幅を広げることが点数アップにつながります。

学習塾であれば、授業前後の時間を使って講師に質問します。引っ込み思案な性格のお子さんだと、質問すること自体が難しい可能性もあるでしょう。そういった性格を徐々に治していく方向でも良いですし、より先生と会話しやすい個別指導塾に通うことを選んでも良いでしょう。

勉強での疑問をすぐに解消するクセがつけば、知識の正しい理解につながり、結果的に成績アップが期待できます。

苦手分野をなくす

偏差値50台から抜け出せないお子さんは、得意分野の勉強に時間を費やしている可能性があります。そのため、苦手分野の学習も増やして弱点を克服し、全教科における平均点の底上げを図ることが成績アップのためには必要です。

苦手分野をなくすには、どの科目や単元が苦手なのかを徹底的に分析しましょう。模試の結果を見て失点が多い科目を抽出し、どこでどのように間違えたのかを振り返ることで苦手分野を割り出せます。

苦手分野を具体的に把握できたら、基礎知識の暗記を重点的に行い、ある程度インプットした段階で練習問題に取り組みましょう。最初は勉強時間を短めに設定すると、苦手分野の学習に抵抗を感じるお子さんでも無理なく頑張れるはずです。

教科別の効果的な勉強法

教科別の効果的な勉強法

ここからは、偏差値50〜55のお子さんが成績を伸ばすための勉強法を教科別にご紹介します。教科ごとの具体的な勉強法は以下の通りです。

教科効果的な勉強法
算数・問題場面を図に表してイメージ化する
国語・基礎知識を確実に定着させる
・読解問題で重要なポイントに印をつける
理科・社会・さまざまな方法を組み合わせて効率よく暗記する
・得意分野と頻出分野の対策にも時間をかける

無理なく取り組めそうなものから、少しずつ取り入れてみましょう。

算数

算数の勉強では、解き方を理解するために「イメージ化」を積極的に活用しましょう。

イメージ化とは、問題場面を映像のように頭の中で思い浮かべることです。文字だけで想像するのが難しくても、図を書くことで問題場面をイメージしやすくなります。

たとえば、食塩水の濃度を求める問題で「ビーカー」「食塩水」など複数の要素が登場するときは、それぞれ図にして要素同士の関係をイメージしましょう。図にする過程で問題場面や問われている内容を詳しく理解できるため、答えまでの道筋も立てられます。

基礎知識や公式を上手く活用するためにも、応用問題ではイメージ化を積極的に取り入れて問題の本質的な理解を進めることが大切です。

国語

国語では、漢字や四字熟語・ことわざなどを確実に暗記して語彙力を伸ばしましょう。漢字は書き取りだけでなく、文章を作ったり辞書で意味を調べたりすると正しい使い方を習得できます。四字熟語やことわざについては、クイズやかるたを使うと楽しく覚えられるでしょう。

また、偏差値60を超えるためには、長文問題に対応できる読解力が必要になります。長文を読むときは、重要なポイントに印を付けて内容理解を深めるのがポイントです。説明文の場合は「しかし」「つまり」などの接続詞、物語文であれば場面の移り変わりや心情表現などに注目して印を付けると、スムーズに内容を理解できて問題にも的確に答えられます。

理科・社会

理科と社会は暗記事項が多いため、「書く」「音読する」「説明する」などさまざまな方法を組み合わせて効率的に覚えましょう。知識をインプットしたあとは、繰り返し問題を解いて理解度をチェックし、知識が不足している部分は再度覚え直すことで記憶力を高められます。

知識の習得に加えて、得意分野と頻出分野の正答率を上げるための対策も行いましょう。

得意分野はケアレスミスで失点しないように問題演習を繰り返し、ハイレベルな問題にも挑戦して応用力を身につけるのがおすすめです。頻出分野については志望校の過去問から出題傾向を把握し、必要な問題に取り組みます。

得意分野を網羅し、頻出分野にも対応することで効率よく成績アップを目指せます。

偏差値50~55の親御さんができるサポート

偏差値50~55の親御さんができるサポート

お子さんが中学受験を乗り切るためには、親御さんのサポートも重要です。具体的には以下のポイントを意識し、勉強に取り組みやすい環境づくりや精神面のケアをしてあげましょう。

  • 中学受験のための学習環境を整える
  • 良好な親子関係を意識する
  • お子さんのお手本となる行動を取る
  • 毎週の学習計画をしっかり立てる
  • 勉強のサポートをする

親御さんの負担が大きくならないように、一つずつ実践してみてください。

中学受験のための学習環境を整える

まずは、中学受験のための学習環境を整えましょう。子どもに限らず、大人も自宅にいると緊張感が緩み集中力が落ちるものです。そこで、以下の方法を取り入れると自宅でも勉強に集中できるようになります。

  • 学習するための専用スペースを確保する
  • 机周りには勉強に必要な物だけを置く

学習するための専用スペースを確保すると、お子さんの勉強スイッチが自然と入りやすくなります。親御さんに見られることで緊張感を持てるお子さんであればリビング、一人のほうが集中できる場合は子供部屋に学習スペースを用意しましょう。

机周りには勉強に必要な物だけを置き、誘惑になるゲームやスマホは手の届かない場所に隠すことも大切です。お子さんの注意力が散漫にならない環境をつくることで、目の前の勉強に集中できます。

良好な親子関係を意識する

お子さんのモチベーション維持には、良好な親子関係を築くことも重要です。お子さんの頑張りを肯定的に受け止め、積極的にコミュニケーションを取ることで安心感を持って勉強に励めます。

日頃からコミュニケーションを取っておくと、お子さんの言動や表情から些細な変化に気づきやすくなり、早い段階で不安や悩みを解消できます。また、勉強に限らない日常生活のさまざまな出来事について会話することが、お子さんのストレス発散にもなるでしょう。

お子さんの努力を認める肯定的な言葉を伝えると自信につながり、勉強に対するモチベーションも上がります。中学受験は長期戦になるため、親子二人三脚で乗り越える姿勢が大切です。

お子さんのお手本となる行動を取る

親御さんがお子さんのお手本となる行動を取り、志望校合格に向けて一緒に進むことも心がけましょう。

たとえば、お子さんが勉強を始めるときは親御さんもテレビやスマホから離れ、机に座って静かな作業に取り組むと、お子さんも集中力を高められます。お子さんが夜更かしをする場合は、家族の就寝時間を決めて全員が同じ時間に寝るのも一つの手です。

もちろん、家庭の事情によっては上記の方法が難しい場合もあるため、できる範囲でお手本となる行動を意識してみましょう。親御さんが適切な行動を取ると、お子さんはそれを見て学習し、自主的に勉強を始めたり生活リズムを整えたりできるようになります。

毎週の学習計画をしっかり立てる

偏差値50〜55のお子さんは、目の前にある課題をこなすのに精一杯で学習計画を立てる余裕がない可能性があります。そこで、親御さんが毎週の学習計画を立ててスムーズに勉強できるようサポートしてあげましょう。

学習計画を立てるときは、以下の手順で進めます。

  • 一週間で達成したい目標を書く
  • 今週やるべきことを書く
  • 学校や塾、習い事の時間を埋める
  • 空いた時間に重要でやるべきことを書き入れる

このように、目標から逆算してやるべきことを書き出すと、ゴールに向けて必要な勉強を考えやすくなります。目標を立てるときは、親御さんだけで決めずにお子さんの意思も尊重することが大切です。

勉強のサポートをする

偏差値50〜55のお子さんは、基礎学力がある程度ついているものの、得点にばらつきがあり十分に理解できていない分野も残っている傾向です。そのため、時には親御さんが勉強のサポートをして理解を助ける必要があります。

勉強のサポートをするときは、お子さんがどこまで理解できているのか、どこでつまずいているのかを把握しましょう。その後、具体例を交えたりヒントを与えたりしながら、お子さんが自分で答えを出せるように導くと、本質的な理解につながり自信も持たせられます。

ただし、親御さんが仕事や家事で忙しく勉強のサポートをする余裕がない場合は、個別指導塾や家庭教師を利用するのもおすすめです。個別指導塾や家庭教師の力を借りると、志望校合格に向けた勉強法を的確に教えてもらえるため、親子ともに無理なく中学受験を目指せます。

まとめ

まとめ

本記事では、中学受験における偏差値50の意味や成績を伸ばすための勉強法についてご説明しましたが、特に大切なポイントは次の3つです。

  • 中学受験における偏差値50は全国的に見ると学力が高いとみなされるため、幅広い選択肢から志望校を選べる
  • 偏差値50から成績を上げるためには、暗記よりも理解を重視して応用問題に対応できる力を身につけることが大切
  • 親御さんは学習環境の整備や精神面のケアを行い、お子さんが勉強に集中できるようサポートしてあげると良い

偏差値だけにとらわれないよう、良好な親子関係を築いたりお子さんの意思を尊重したりすることも忘れてはいけません。

本記事を参考に、親御さんやお子さんにとって最適な志望校や勉強法を見つけ、希望の進路を叶えられるよう心からお祈り申し上げます。

クリエートベースは、大阪・梅田にて難関中学校への受験対策をおこなっている個別指導塾です。クリエートベースでは、授業形式ではなく、生徒が個別にテキストの問題を解くことを中心とした問題演習方式を採用しております。
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