暗記分野と言われるものの真実(2)

前回は、思考で解決する余地がある問題を「暗記で解決すべき」として、思考の機会を消失させるのよくないよね??というお話でした。

で、今回は「暗記により解決すべき問題」か「思考により解決すべき問題」かの区別についてです。

結論

先に言ってしまうと、これはお子様の学力によって変化します。つまり、同じお子様でも時期によって変化するということです。

それを見極める基準としては、説明がすんなり入るかどうかが一つの目安かなと思っております。

暗記と思考はどちらも必要

当然のごとく、暗記や思考の双方が必要不可欠なの疑う余地ないものかと。もはや車の両輪のようなものです。これをどういうふうに習得するかが、時間的な観点から問題になりますね。

暗記による解決

これは習得が瞬時にできるので、その瞬間から問題の処理が可能になります。公式さえ覚えていれば、わけがわかってなくても、公式に数値をいれれば答えはでます。ただ理解が行き届いていないと、問題ごとにすべて覚えなくてはいけなくなり、結果的に膨大な時間が必要となってしまいます。そして、勉強時間の割に成績が上がらないという事態も招きますね。

思考による解決

これは、習得に時間はかかるものの、一度頭に入ってしまえば、未来永劫使い続けることができる財産となるのがいい点ですね。

結局のところ、若干現実味が薄れるもの、思考を組み立てられる状態での暗記が、最高速度での出力が可能でしかも応用も効くという絶対的な学力と言われるものとなります。イメージ的には、先に入れた暗記の部分を成長に合わせて徐々に思考に変えていくといったことになるのでしょう。

まあ、高学年になり「伸びない」という現象が発生するのは、このあたりが原因でしょうね。

クリエートベースでのスタンス

一応、クリエートベースのスタンスを。原則的には、思考力の養成を重視しており、暗記は極限まで排除しようという方針をとっております。たとえば、理科に関してだと、中学分野や特には高校の分野も簡単に説明したりすることもあります。単に暗記というよりも、少しでもいいから理論がわかっていた方が忘れにくいという側面があると考えているからです。化学式や物理の概念も簡略化して教えることもあります。

かといって、何でもかんでも理論を教えればいいというわけではありません。

あくまで対象であるお子様が理解できそうな範囲に限定しておりますし、もし仮に理解ができなかったとしても、それは学年が上がってからやればいいと考えておりますので、補助的なものにすぎない場合もあります。

「無理に理解させる」ことに意味は全くありませんので、短時間である程度説明してみて、「これ無理そうだな」と思えば、「とりあえず、今はこれ覚えといて」という感じで処理してます。

学力がないが故の暗記偏重型による弊害もありますが、学力があるが故の理論偏重型により弊害も多いのです。

暗記分野については、ある程度意識せずに自然と記憶に定着した状態で整理するのが理想と思っております。入試問題においても、「暗記プリント」等のものは本来必要としていないのだろうなと思われます。

それをその場その場で、パターン分類し、整理して伝えるのが、講師の役目でしょう。

講師には範囲を超えた学力が必要

以上のことからして、小学生を教えるからといって、中学入試の範囲だけ習得していればOKというものではないことは、わかっていただけるのかなと思います。

関連記事

  1. 当塾講師の記事掲載のお知らせ

  2. 受験における、三つの時間

  3. 小学1年生

  4. 漢検その後

  5. 学習塾の経営って何するの?

  6. 教室紹介概要

最近の記事