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前回と同じ問題ですが、前回行った式処理による解法ではなく、グラフによる解法を扱いました。
おおまかな流れは、前回の記事のとおりとなります。
前回と異なり、グラフを書くことによるメリットは、可視化および図形的処理が可能となることであり、具体的には、以下の2点となります。
・相似の利用
・特徴的な図形の利用
デメリットとしては、書くことに時間がかかるということ及び必要ではない情報が混在するため、情報処理の能力が求められるという点です。
中学受験入試問題における理科について
理科の勉強法に関しては、以下にまとめた記事がございますので、ぜひご覧ください。
理科についての誤った勉強法
中学受験における理科の入試問題は、1問あたりの制限時間は算数と比較した際、相対的にみると長いようですが、実質的には短いです。「思考する時間がない」ということから、暗記もしくは暗記による処理の側面が強調され、あまり時間をかけずに直前期に詰め込むなどという安易な戦略がとられるようになったものと思われますが、完全に誤りです。
入試における理科の戦略
入試本番における戦略としては、生物などに多くみられる暗記分野についてはさっさと終わらせて、物理や化学などを主とする計算分野はじっくり取り組むというのがベストでしょう。
また、暗記分野については、「ここまでやれば大丈夫」というところがみえず、キリがないので、「知らないものは知らない」という割り切りやあきらめも必要です。
これに対して、計算問題の分野に関しては、もちろん難しい問題もありますが、前回の記事でも書いたとおり、一度処理をおぼてしまうと事務的に処理できるものも多いため、このあたりについては、算数と同様、注力すべきところと思われます。
以上のように、暗記にあまりこだわらず、計算で高い正答率を維持することが、難関中学入試における理科の高得点確保の戦略になります。
理科という科目の難しさ
理科という科目は、中学以降、物理・化学・生物・地学へと分離します。扱っている現象が、高校・大学・大学院さらにその先まで変わらないどころか、現在でも解明されてないものも多くあります。学年が上がるにつれて深い理解を求めるようにはなるものの、根本的なところがわからなければスッキリしないため、科目的に難易度が大変高いと考えられるべきものです。従いまして、完璧を求めるのはほぼ不可能です。これについては、算数で満点がでる頻度より理科で満点がでる頻度の方が低く、満点が出たとしても、算数の方が満点の人数が多いことからも推測できます。