中学受験は意味がない?中堅校、第一志望以外の学校に進学する意味はない?そんな疑問にお答え

中学受験は意味がない?中堅校、第一志望以外の学校に進学する意味はない?そんな疑問にお答え

中学受験は意味がないと言われるのはなぜか。中学受験はメリットよりもデメリットの方が大きいのか。他の選択肢はどうなのか。

世の中には「中学受験には意味がない」という考えも一定数あり、それらの意見やネットの情報に惑わされて、様々な疑問や悩みを抱えてしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では「中学受験は意味がない」と言われる理由にスポットを当て、以下の5点について解説していきます。

  • 中学受験は意味がないと言われる理由
  • 中学受験をするメリット
  • 公立中学に進学するメリットやデメリット
  • 中堅校や第一志望以外の学校に進学する意味はあるのか
  • 中学受験を検討する際のポイント

本記事をご覧いただければ、中学受験する意味や、進学先を検討する際のポイントを具体的に理解できます。

中学受験をする意味を明らかにしてお子さんのやる気を高められるよう、ぜひ参考にしてください。

目次

中学受験は意味がないと言われる理由

中学受験は意味がないと言われる理由

中学受験は意味がないと言われる主な理由は、以下の5点です。

  • 詰め込み教育の弊害が出やすいから
  • 遊びたい時期に遊べないから
  • 受験テクニックばかり覚えさせられるから
  • 中学に入学した途端、勉強しなくなるから
  • 他の習い事をやめないといけないから

「中学受験をしても意味がないのかも」と悩んでいる親御さんは、意味がないという意見に含まれている主な理由を見てから今後の方針を検討しましょう。

詰め込み教育の弊害が出やすいから

中学受験は意味がないと言われる主な理由の1つ目は、詰め込み教育の弊害が出やすいと考えられているためです。

中学受験をするお子さんは学校が終わると塾に行き、長期休暇は特別講習に参加するなど、長時間勉強をしなければなりません。入試に向けて勉強する量も多いため「知識を詰め込んでいるだけ」と思われがちです。

しかし、中学受験は知識を覚えるだけの詰め込み教育で、簡単に合格できるものではありません。たとえば、2023年度に早稲田中学校の入試で出された、算数の問題には以下のようなものがあります。

0.00875×2896の答えを3.7で割ったときの商を小数第1位まで求めます。このときの余りを答えなさい。

参考元:過去の入試問題 | 早稲田中学校・高等学校

いかがでしょうか。こちらの問題は、暗記のような単純な知識の詰め込みで解けるような問題ではなく、複数の知識を組み合わせながら、自分の頭で考えて答えを導き出す必要があります。

中学受験では、応用力や論理的思考力を求められる問題が多いため、必ずしも大量の知識を暗記する詰め込み教育をしているわけではありません。

遊びたい時期に遊べないから

中学受験は意味がないと言われる主な理由の2つ目は、お子さんが遊びたい時期に遊べないと思われるためです。

受験勉強を始めると週2〜3回は塾に通うことになり、受験が近づくにつれて日数は増えていき、長期休暇も特別講座が用意されていたり、休日も宿題や家庭学習に追われたりすることがあります。

受験勉強に多くの時間を使う必要があり、まだ小学生にもかかわらず、自由に遊ぶことができないことで、ストレスを抱えることが心配されるため、中学受験は意味がないという意見があります。

受験勉強を始めると、確かにお子さんが自由に遊べる時間は減ってしまいますが、勉強しないからといって、与えられた自由な時間をお子さんが有意義に使えるとは限りません。

例えば、自由時間がたくさんあったとしても、やることを見つけられず時間を持て余し、ダラダラと過ごしてしまったり、生活リズムが乱れてしまったりするお子さんもいるでしょう。ゲームに没頭し、自分の意志ではやめられないほど依存する可能性もあります。

お子さんに余計なストレスをかけないためには、自由時間を与えることも大切です。中学受験する場合は、自由時間のタイミングや量について、お子さんと話し合ってみましょう。

受験テクニックばかり覚えさせられるから

中学受験は意味がないと言われる主な理由の3つ目は、受験テクニックばかり覚えさせられると考えられているためです。

中学受験で合格するためには、入試で高得点を取ることが重要です。そのため、受験勉強では受験以外では役に立たない、解法テクニックばかりを教えられるイメージを強く持っている方もいらっしゃるでしょう。

中学受験において受験テクニックは存在しますが、受験テクニックを覚えることに意味がないかというと、そうは思いません。

中学受験では、お子さんがこれから生きていく上で必要な論理的思考力や判断力、表現力も求められます。受験テクニックだったとしても、受験勉強を通してこれらの力を身につけられると、これから先の人生でもさまざまな場面でその力が役にたつことがあります。

中学受験で身につける受験テクニックは、お子さんの今後の人生で必要になる力でもあるため、意味がないわけではありません。

中学に入学した途端、勉強しなくなるから

中学受験は意味がないと言われる主な理由の4つ目は、中学に入学した途端、勉強しなくなると考えられているためです。

中学受験では、長時間勉強したり難しい問題を解いたりする必要があるため、お子さんにかかる負担は大きいといえます。その分、中学受験を終えると安心感や疲れから、勉強への意欲が一気になくなることが心配されます。

中学受験で合格した後に勉強の意欲がなくなってしまい、入学後の成績が悪かったり学校に行けなくなったりするお子さんもいらっしゃいます。特に志望校に合格することだけを目標にしているお子さんの場合は、入学した後に勉強への意欲を失いがちです。

中学に入学した途端、勉強をしなくなる状態を防ぐためには、受験勉強がお子さんの将来にどうつながっているかというビジョンを、親子の間で共有することが大切です。中学受験は人生における通過点の一つであり、志望校合格だけが全てではないと、日頃からお子さんに伝えておくと、受験後も取り組みたいことが見つかり、受験後に燃え尽きることを防げます。

他の習い事をやめないといけないから

中学受験は意味がないと言われる主な理由の5つ目は、受験勉強のために他の習い事をやめないといけないと考えられているためです。

中学受験で合格するためには、十分な勉強時間を確保する必要があります。そのためピアノや水泳など、受験に関係ない習い事はやめなければならないと思われがちです。

受験勉強と並行して他の習い事をさせると、あまりの多忙さにお子さんのストレスや疲労が大きくなる可能性はあります。しかし、お子さんにとって習い事がストレス解消の時間になっている場合は、無理にやめる必要はありません。受験勉強と習い事の両立によって、お子さんの気持ちにメリハリがつき、勉強のモチベーションが高まることもあるでしょう。

受験勉強と習い事を上手く両立させるためには、習い事の種類や回数についてお子さんと話し合うことが重要です。塾に通わせる場合も、お子さんが無理のないペースで通える塾を選ぶようにしましょう。

中学受験をするメリット

中学受験をするメリット

様々な理由から「中学受験は意味ない」という意見がありますが、中学受験をするメリットはあります。

中学受験をするメリットは以下の5点です。

  • 高い学力が身につく
  • 同じ考え方の友達ができる
  • 受験を通じて精神的に成長できる
  • 高校進学、大学受験が楽になる
  • 個性に合わせた環境選びができる

中学受験は長期戦で苦労もありますが、お子さんにプラスの影響を与えられる貴重な機会でもあります。中学受験は意味がないかもと考えている親御さんは、メリットについて理解した上で受験するかどうか考えてみましょう。

高い学力が身につく

中学受験すると、受験勉強を通して高い学力を身につけられます。中学受験に取り組む10〜12歳は脳の発達が著しく、知識や技能の習得に適しているといわれています。この時期に、中学受験で求められるハイレベルな問題に取り組むことで、お子さんに高い学力が身につくでしょう。

また、受験勉強を通して学習習慣を身につけられるのも、中学受験の大きなメリットです。学習習慣が身につくと、中学校に入ってからも自然に勉強する姿勢ができて、成績アップが期待できます。

中学受験では、受験勉強を通して高い学力や学習習慣が身につくため、入学後も意欲的に勉強に取り組めるでしょう。

同じ考え方の友達ができる

中学受験すると、同じ考え方の友達ができる点も大きなメリットの一つです。

中学受験を通して進学した学校には、同じレベルの学力や考え方を持った生徒が多く集まっています。考え方の似ている生徒と親交を深めやすいため、お子さんが人間関係トラブルに巻き込まれてストレスを抱えることは比較的少ないでしょう。

人間関係のトラブルを極力避けたいお子さんにとっては、公立中学よりも中学受験をする方が快適な学校生活を送れる可能性があります。

また、同じ受験を経験した生徒同士が互いに切磋琢磨し、勉強に取り組める点も中学受験のメリットです。中学受験を通して同じ考え方の友達ができると、精神面でも学習面でもお子さんにプラスの影響を与えられます。

受験を通じて精神的に成長できる

中学受験すると、お子さんが受験を通じて精神的に成長できます。中学受験は長期戦であるため、ひたすら勉強し続ける忍耐力や、困難に打ち勝つ精神力が求められるからです。

例えば、難しい問題があったり、成績が上がらなかったりした時でも、気持ちをすぐに切り替えられる前向きな考え方を持つことが大切です。また、周りに受験する子がいなくても、誘惑に負けず目標に向かって勉強を続けられる芯の強さも必要です。目標を達成するために必要なスケジュールを立てられる計画性も、中学受験では欠かせません。

中学受験はお子さんの精神面を鍛え、大きく成長する重要なステップの一つであるといえます。

高校進学、大学受験が楽になる

中学受験で志望校に合格すると、高校進学や大学受験の負担を減らせる点もメリットです。

国公立中高一貫校はもちろん、多くの私立中学でも中高一貫教育を行っているため、高校受験の必要がありません。その分、中学の時から大学入試を見据えた学習を行っており、カリキュラムを前倒しした先取り教育を受けられる学校もあります。

また、高校進学や大学受験の負担が軽くなることで、部活動や習い事に充てる時間を増やすことができます。受験勉強で長時間勉強していた分、入学後は様々な場面でお子さんの個性を伸ばせる機会を作れます。

中学受験は入試まで長期戦ですが、合格すると高校進学や大学受験の負担が軽くなり、お子さんを伸び伸びと育てられるようになります。

個性に合わせた環境選びができる

中学受験では、お子さんの個性に合わせた環境選びができます。

私立中学や国公立中高一貫校では、学校ごとに教育理念が異なり、独自の教育方法や最先端の教育を取り入れている学校が多くなります。そのため、家庭の教育方針やお子さんの個性に合った学校を選ぶことで、お子さんが持つ力を最大限に発揮できるでしょう。

例えば、各学校で取り入れている独自のカリキュラムには以下の内容が挙げられます。

  • 海外研修による英語の実践経験
  • 企業と連携した職業体験
  • 生徒の将来につながるオリジナル教科
  • 女子校ならではのマナー教育

学校によって様々な特徴があるため、親子の希望やお子さんの特性と照らし合わせながら、最適な環境の学校を選びましょう。

公立中学に進学するメリット・デメリット

公立中学に進学するメリット・デメリット

進学先を決める選択肢の一つとして、公立中学も検討してみましょう。
公立中学に進学するメリット・デメリットは以下の通りです。

メリットデメリット
・小学校の友達と一緒に進学できる
・学費を安く済ませることができる
・さまざまな環境を背景にもつ人間関係の中で学習できる
・高校受験をしなければならない
・生徒の学力差が大きく不満を抱きやすい
・教育の質が変わりやすい

お子さんに合った学校を選ぶ際の参考にしてみてください。

公立中学に進学するメリット

公立中学に進学するメリットは以下の3点です。

  • 小学校の友達と一緒に進学できる
  • 学費を安く済ませることができる
  • さまざまな環境を背景にもつ人間関係の中で学習できる

公立中学に進学すると、小学校の友達と、再び同じ学校で一緒に学習できます。お互いの信頼関係ができているため、学校で悩みがあっても相談しやすく、余計なストレスを抱えにくいでしょう。

また、公立中学は学費を安く済ませられるのも大きなメリットです。私立中学の場合、1年間の学費が約140万円かかるといわれている一方、公立中学では約45万円で済みます。教育費はお子さんが大学を卒業するまでかかる場合が多いため、中学校は公立校に通わせて学費を抑えておくのも一つの手です。

そのほか、公立中学に進学すると様々な環境を背景にもつ人間関係の中で学習できます。トラブルに巻き込まれやすいかもしれませんが、失敗を繰り返しながら人間関係で大切なことを学べるでしょう。

公立中学に進学するデメリット

公立中学に進学するデメリットは以下の3点です。

  • 高校受験をしなければならない
  • 生徒の学力差が大きく不満を抱きやすい
  • 教育の質が変わりやすい

公立中学に進学すると、その後高校受験をしなければならないケースがほとんどです。特に、レベルの高い私立高校を受験したい場合は、中学に入った時点から学力や内申点を意識する必要があります。中学校では部活動もあり、忙しくなるため、合間を縫って勉強時間を確保することも重要です。

公立中学は生徒同士の学力差が大きく、お子さんが不満を抱えやすい可能性があります。学力の高いお子さんであれば、学校の授業だけだと物足りなく感じるでしょう。学力が低いお子さんの場合、授業のペースについていけず、勉強に対する苦手意識が大きくなってしまいます。

そして、公立中学は教育の質が変わりやすい点もデメリットです。公立学校の教員は異動があるため、経験が少なかったり指導力の低い教員が担任になった場合、親子ともに不安を抱く可能性があります。

中学受験をするかどうかはいつまでに決めれば良いのか

中学受験をするかどうかはいつまでに決めれば良いのか

「中学受験は意味ない」という意見があり悩むこともあるかと思いますが、中学受験するかどうかはいつまでに決めなければならないのでしょうか。

中学受験するかどうか決める際のポイントは2つあります。

  • 中学受験をやめることはいつでもできる
  • 志望校はいつまでに決めなければならないのか

この2点を押さえておくと、中学受験をするかどうか焦らずに考えることができます。

中学受験をやめることはいつでもできる

中学受験するかどうか迷っている時は、先に受験勉強をスタートさせておきましょう。

最終的に中学受験すると決めても、決断のタイミングが遅いと受験勉強に遅れを取ってしまいます。せっかく中学受験すると決断したのに、お子さんの負担が大きくなって合格の可能性が低くなるのはもったいないことです。受験勉強をやめることはいつでもできるため、早い段階から勉強を始めておくと受験をする場合も落ち着いて対策できます。

受験勉強は、3年生の2月から4年生の4月頃に始めるのが一般的です。この時期までに決まらない場合は、受験勉強だけでも始めておくと大きな遅れを取らずに済みます。

ただし、中学受験するかどうかわからないのに勉強を続けるのは、お子さんのやる気がついてこない可能性があります。お子さんが意欲を持って勉強に取り組めるよう、早めの決断を心がけましょう。

志望校はいつまでに決めなければならないのか

志望校の最終決定(=出願)は6年生の11月頃になります。それまでは最終決定ではないため、時期により志望校が変わっても問題ありません。

志望校が全く決まらないまま勉強を始めても、意欲的に取り組むことは難しいため、志望校はできる限り受験勉強を始める段階に、とりあえず仮であったとしても決めることをおすすめします。志望校は、5年生から6年生の夏までに本格的に決定するご家庭が多いです。「何のために受験するのか」と目標が明確になると、お子さんのやる気も上がります。

受験勉強を開始する4年生のときに決める志望校は最終決定ではないため、高い目標を設定しても問題ありません。お子さんの意志を優先して決めると、モチベーションも上がりやすくなります。

5年生で検討する際には、お子さんの学力から見て挑戦できそうな学校を選びましょう。お子さんの学力よりも少し高いレベルの志望校にすることで、やる気も維持できます。

志望校の最終決定は、6年生の11月です。この時には、この学校に進学したいという気持ちと実際の学力の両方を考えて志望校を決める必要があります。

4〜5年生では高いレベルの学校に設定することをおすすめしましたが、最終的には合格の可能性を考慮して決めます。お子さんの意志を尊重しながら親御さんの気持ちも伝え、お互いに納得できる志望校を決めてください。

中学受験で中堅校に進学する意味はあるのか

中学受験で中堅校に進学する意味はあるのか

中学受験は、飛び抜けて学力の高いお子さんが難関校を受験するイメージがあります。そのため、中堅校を受験することに意味があるのか疑問に感じる親御さんは多いでしょう。

結論から述べると、たとえ偏差値がとても高いわけではない中堅校であったとしても、受験をして進学する意味はあります。その理由は次の3点です。

  • 中学受験における偏差値は高校受験、大学受験の数値と異なる
  • 教育方針や設備など重視するものは偏差値だけではない
  • 公立校に通わせるのが不安な場合

学力や偏差値以外の要素を重視して進学先を選ぶと、中堅校であったとしてもお子さんの成長に良い影響を与える可能性があります。

お子さんがお子さん自身に合った学校に進学するための選択肢として、難関校の受験だけでなく中堅校へ進学するための中学受験も検討してみましょう。

中学受験における偏差値は高校受験、大学受験の数値と異なる

中学受験の偏差値は高校受験、大学受験の数値と異なるため、中堅校だからといって必ずしも学力が低いとは限りません。

一般的には偏差値45〜54くらいが中学受験における中堅校といわれています。高校受験や大学受験を基準にすると、偏差値45〜54は高くないと感じられるかもしれませんが、実際の学力は高校や大学受験時に目にする同じ偏差値よりも高いことがほとんどです。

その理由は、高校受験や大学受験に比べると受験生の母数がはるかに少ないためです。また、学力の高い小学生ばかりが受験することから、偏差値は高校受験や大学受験よりもかなり低く出る傾向にあります。

偏差値は相対的に決まる数値です。中学受験の偏差値を出す際には母数が少なく、さらに受験するお子さん一人一人がしっかりと受験勉強をして臨むという点で高校受験や大学受験と異なります。

高校受験や大学受験と同じ偏差値50であったとしても、中学受験の偏差値50は、より学力が高いものになります。中学受験の中堅校と言われる偏差値45〜54の学校だったとしても、高校受験や大学受験で考えると10〜15ほど偏差値が上がり、実際の学力は高校・大学の偏差値55〜65相当と言われています。

中堅校でも、実際には学力の高い学校が多く、中学受験で挑戦する意味は十分にあるでしょう。

教育方針や設備など重視するものは偏差値だけではない

中学受験では、教育方針や設備など偏差値以外にも様々なポイントを重視した上で進学先を決めることも大切です。選んだ学校が中堅校であったとしても、お子さんにとって最適な環境であれば、進学する意味は十分にあるといえます。

偏差値以外では、学校の教育方針は、お子さんを伸び伸びと育てるために重視すべき大切なポイントです。教育方針を重視して進学先を選ぶ場合、お子さんの性格や家庭の教育方針に合っているかを確認しましょう。

また、学校の設備面も、お子さんが快適な環境で勉強に集中して取り組むためには重要な視点です。グラウンドが綺麗に整備されていたり、授業で使う道具が十分に揃っていたりすることで、質の高い教育を受けられます。

お子さんにとって最適な環境で学校生活を送れる、学力の向上が期待できる、などの場合も、中堅校に進学する意味はあります。

公立校に通わせるのが不安な場合

中学受験の必要性をあまり感じていなくても、様々な事情で公立校に通わせるのが不安な場合もあるでしょう。安心してお子さんを学校に通わせたい場合は、中堅校だとしても進学する意味があるといえます。

公立校に通わせるのが不安な理由としてまず考えられるのは、学校や地域が荒れていることです。生徒がトラブルを起こし、警察が介入する事案がある中学だと、進学させること自体が不安になるでしょう。

学校全体が荒れていると、お子さんが勉強に集中できなくなるほか、トラブルに巻き込まれることがあったり、学校へのストレスから不登校になったりする可能性もあります。

お子さんの進学先を決める際、教育効果の高さはもちろん、お子さんが安心して学校生活を送れる環境も重要です。公立校に通わせるのが心配な場合は、中堅校に進学することで親子ともに安心して入学後も過ごせるようになります。

中学受験で第一志望以外の学校に進学する意味はあるのか

中学受験で第一志望以外の学校に進学する意味はあるのか

中学受験で多くの親御さんが心配されるのは、お子さんが第一志望に不合格になってしまうことです。第一志望以外の学校に進学するなら、意味がないのではないかと不安に感じる親御さんもいらっしゃるでしょう。

しかし、中学受験で第一志望以外の学校に進学することになっても、お子さんが積み重ねてきた努力や経験は決して無駄になりません。お子さんの努力や経験を意味のあるものにするためには「不合格=失敗」と思わせない親御さんの関わり方が重要です。

関わり方の例として、中学受験はあくまでも人生の通過点であることや、お子さんの頑張りを認める言葉を日頃から伝えるようにします。「不合格=失敗」と思わせない関わり方によって、お子さんは、これまでの努力や経験を意味のあるものとして感じるでしょう。

そもそも中学受験で第一志望に合格する受験生は、3割程度といわれています。中学受験では第一志望に合格することだけにとらわれず、お子さんが満足できているか、入学後は楽しく通えているかを重視しましょう。

中学受験を検討する際のポイント

中学受験を検討する際のポイント

中学受験するかどうかも含め、お子さんの進学先を選ぶ際には以下の3点を判断基準にしましょう。

  • お子さんの性格に合っているか
  • 学校の指導方針と家庭の教育方針が合っているか
  • 家族で話し合い、全員が納得できるか

中学受験や公立中学のメリットを見た上で、それでも判断に迷う方は以下を参考にしてください。

お子さんの性格に合っているか

中学受験を検討する際は、お子さんの性格から考えて判断しましょう。

親御さんがお子さんに中学受験をさせたいと思っていても、中学受験がお子さんに合っていない場合があります。中学受験を検討する際には、お子さんの性格や学習スタイルから、受験勉強が苦にならないかをよく考えましょう。

中学受験に向いているお子さんの特徴としては、以下の2点が挙げられます。

  • 知的好奇心が旺盛である
  • 将来に向けた明確な目標がある

知的好奇心が旺盛なお子さんは、中学受験に向いているといえるでしょう。中学受験では、小学校で学ばない新しい知識や技能を習得する必要があります。この時、新たな学びを「楽しい」と感じられるお子さんは、長期間の受験勉強を乗り越えられる可能性があります。

将来の目標が明確にあるお子さんも、中学受験に向いています。将来の夢を叶えるために「この学校で勉強したい」という意志が固まりやすいため、中学受験も諦めずに乗り越えられるでしょう。

その他、中学受験に向いている子の特徴について詳しく知りたい方は、「中学受験に向いている子の特徴とは?反対に向いていない子、向いていない親についても解説」の記事をご参考ください。

中学受験を検討する際は、上記の特徴を判断基準の一つとして、お子さんの性格と照らし合わせながら考えてみましょう。

学校の指導方針と家庭の教育方針が合っているか

中学受験を検討する際には、学校の指導方針と家庭の教育方針が合っているかを判断基準の一つとして考えましょう。

学校と家庭の方針が合っていないと、お子さんが成長する途上で方向性がブレてしまい、何を指針とすればよいのか、わからなくなる可能性があります。

学校と家庭の方針が合っているかを判断基準にするためには、まず家庭の教育方針を明確にしておく必要があります。教育方針が明確であれば家庭でも一貫性のある教育ができるため、改めて確認しておきましょう。

よくある家庭の教育方針としては、以下の内容が考えられます。

  • 思いやりをもって周りの人に関わる
  • 時間・約束を守る
  • 身の回りのことは自分でする
  • 感謝の気持ちを持つ
  • 失敗しても諦めない

教育方針が明確に定まっていないご家庭は、何を大事にお子さんを育てたいかを考えましょう。子育てのゴールを明確にしておくと「どう育てるか」という家庭の教育方針も具体的に見えてきます。

家庭の教育方針が明確になったら、各学校のホームページやパンフレットで指導方針を確認します。学校と家庭の方針が合っている進学先を選ぶことで、お子さんの個性を最大限に活かしながら育てることができるでしょう。

家族で話し合い、全員が十分納得できるか

中学受験を検討する際には、家族で話し合い、全員が十分納得できるかどうかも重要です。

多くの家庭では、親子二人三脚で中学受験に挑戦します。長い中学受験を親子で乗り越えるためには、家族で目標や方針を共有し、全員が納得した上で挑戦することが大切です。

具体的には「何のために中学受験をするのか」「志望校合格のためには何が必要か」といったことを家族で話し合いましょう。お子さんが中学受験を希望していても、動機が曖昧だとモチベーションの低下につながる可能性があります。目標を明確にして、受験勉強に本気で取り組むためにも家族全員の意志をしっかりと確認することが重要です。

また、家族で話し合いをする際は以下の2点に気をつけましょう。

  • 感情的にならないこと
  • 何のために話し合っているか忘れないこと

家族の話し合いでは、お子さんと意見が食い違ったとしても、感情的にならないことが大切です。お子さんの意見を尊重するためにも、親御さんは冷静な気持ちを保ちながら話し合いを進めましょう。

また、何のために話し合っているか忘れないようにすることで、脱線したり感情的になったりすることを防ぎ、家族にとって意味のある話し合いができます。

正しい塾選びで子どもの負担は減らせる

正しい塾選びで子どもの負担は減らせる

中学受験する場合は、受験勉強でお子さんの負担を減らすためにも、塾に通うことをおすすめします。

中学受験に向けて塾に通うことには、以下の3点のメリットがあります。

  • 効率の良い学習で無駄なストレスを生じない
  • 学習習慣が身につくことで勉強が苦にならない
  • 最新の入試情報が得られるので目標まで最短で進める

現在は様々な塾があるため、お子さんを塾に通わせる際は正しい塾選びをすることが重要です。上記のメリットを得られる塾を選び、受験勉強に集中できる環境を整えてあげましょう。

効率の良い学習で無駄なストレスを生じない

中学受験に向けて塾に通うと、効率の良い学習で、お子さんが無駄なストレスを抱え込まずに済みます。中学受験の勉強量は膨大であるため、一人で勉強をすると何から手を付けてよいかわからず、学力も伸び悩むことが予想され、ストレスが溜まりやすいでしょう。

しかし、塾には中学受験に関するノウハウがあるため、志望校合格のために最適かつ効率的な勉強方法を提案できます。中学受験に向けて効率の良い学習をすると、時間や気持ちの余裕ができて勉強のストレスが軽減されます。

また、親御さんが中学受験について悩む時間を減らせるのもメリットです。塾に通うことで、親子ともに精神的な余裕を持ちながら受験対策ができるようになります。

学習習慣が身につくことで勉強が苦にならない

学習習慣が身につくことで勉強が苦にならない点も、塾に通うメリットの一つです。

家庭では勉強に取り組めないお子さんでも、塾に通うと定期的に勉強時間を確保できるため、少しずつ学習習慣が身につきます。学習習慣が身につくと、机に向かうことが当たり前になり、親御さんが何も言わなくても勉強するようになるでしょう。

ただし、「学習習慣を身につけさせよう」と無理やりお子さんを塾に通わせることはおすすめしません。学習習慣を身につけるためには、お子さんが勉強を楽しいと感じられるペースで通うことがポイントです。

塾に通う目的やペースを親子で共有し、お子さんに合った塾を選ぶことで学習習慣の定着につながります。

最新の入試情報が得られるので目標まで最短で進める

中学受験に向けて塾に通わせると、最新の入試情報が得られるため目標まで最短で進めるようになります。

「受験は情報戦」といわれるほど、中学受験では入試情報を素早く的確に集めることが重要です。各ご家庭でも情報収集はできますが、情報量が多すぎると何が正しいのかわからなくなる可能性があります。

一方、多くの合格者を輩出している塾には、中学受験に関する情報が豊富にあるため、情報収集も比較的楽になります。また、塾では常に最新の入試情報を集めており、志望校合格のために必要な対策を効率的に行えます。

これらの塾に通うことのメリットがお子さんや親御さんの負担を軽くします。志望校合格に向けて最短ルートで進みたい方は、塾に通うことを検討してみてください。

クリエートベースは、演習問題形式を採用している難関校専門の集団個別指導塾です。灘中学をはじめとする難関校への受験を考えている方は、お気軽にお問い合わせください。

まとめ

【まとめ】中学受験は意味がないのか

本記事では、中学受験は意味がないかどうかについてご説明しましたが、特に大切なポイントは次の3つです。

  • 中学受験するメリットはいくつもあり、意味がないかどうかは各人の捉え方による
  • 中学受験するかどうかは3年生の2月から4年生の4月頃までに決めると良いが、難しい場合は先に受験勉強を始めておく
  • 中学受験する場合は、正しい塾選びをすることでお子さんの負担を減らせる

中学受験を意味のある経験にするためには、親子で話し合い受験の目的を明確にしましょう。目標まで最短ルートでいけるよう、塾の利用も検討してみてください。

本記事の内容をもとに、親御さんやお子さんにとって中学受験を意味のある経験とし、志望校合格に向けて勉強に取り組めるよう心からお祈り申し上げます。

クリエートベースは、大阪・梅田にて難関中学校への受験対策をおこなっている個別指導塾です。クリエートベースでは、授業形式ではなく、生徒が個別にテキストの問題を解くことを中心とした問題演習方式を採用しております。
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