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「それ、本当に暗記で解決するべき問題ですか?」
受験勉強では、どうしても必要となる暗記分野。国語の語句であったり、理科の生物であったり。算数が得意なお子様たちは、なぜかこの分野のやる気がありません笑
本来であれば、何らかの形で学習しているうちに「自然と覚えてました」という状態が一番好ましいと思われます。街中で流れている曲を意識して聞いていなくとも、知らないうちに覚えていたという感じですね。単純に繰り返しきいているからでしょう。
では、一般的によく「暗記問題」だと言われている問題について考えてみましょう。だいたい、以下のようなものが考えられます。
1 暗記でしか正解に辿り着けない問題
たとえば、単に名称を問われ、解答する問題。「これなんですか?」とか「これだれですか?」とか。知らないものは答えようがありません。なので、確実に暗記問題です。ただ、これに長い問題文が付随している場合はこの限りではありません。
2 中学や高校等、上の学年で習う理論を使えば解ける問題
化学式等がこれにあてはまりますね。いちいち物質名を覚えないくても、化学式があれば解決したりります。
3 実は暗記に頼らなくても正解に辿りつける問題
英語の問題文等で考えてみましょう。全部が全部英単語知っている必要ありませんよね?選択問題において、選択肢すべてにおいての知識が必要になるわけでもありませんよね。
・周辺情報からの推測
・消去法
まだ他にも手法はあるのですが、一般的には上記のような論理を求めているものがあります。
どの問題が暗記問題であるか
上記分類であれば、1は確実に暗記問題でしょう。2は微妙ですね。3は違います。
もちろん、暗記問題なのか思考問題なのかというのは、明確にどちらか一方に分類できるものではありません。
「暗記問題」としてしまうことの危うさ
にもかかわらず、「これは暗記問題だから、覚えようね」というような指導?をみかけるケースがあります。「暗記により解決できる」とすると、指導は楽になるようです。解答ありきの指導で、学力のない講師によくみられる現象ですね。「しゃべる模範解答」と揶揄され、著しく残念な事態におちいります。
Googleの検索により多くのことがすぐさまわかる時代に、調べればわかることを、学校側がそれほどまでに「暗記」を要求してくるとも思えないのも事実です。
暗記分野については、ある程度意識せずに自然と記憶に定着した状態で整理するのが理想ですが、なかなかそうもいきません。時間をかけて意味のある知識にするためにも、時間をかけた対策が必要になるでしょう。
ある程度知識が入った状態で、それをパターン分類し整理するのも、塾や講師の役目でしょう。もちろん、暗記を短時間でいれてしまう手法もありますが・・・
以上のように、思考で解決する余地がある問題を「暗記で解決すべき」として、思考の機会を消失させるのは害悪となります。
「暗記によるべきか思考によるべきかかの区別
現在取り組んでいる問題が、「暗記で解決するべき問題であるのか」もしくは「思考が解決するべき問題であるのか」をどのように区別すべきか述べます。
結論
先に言ってしまうと、これはお子様の学力によって変化します。つまり、同じお子様でも時期によって変化するということです。
それを見極める基準としては、説明がすんなり入るかどうかが一つの目安かなと思っております。
暗記と思考はどちらも必要
当然のごとく、暗記や思考の双方が必要不可欠なの疑う余地ないものかと。もはや車の両輪のようなものです。これをどういうふうに習得するかが、時間的な観点から問題になりますね。
暗記による解決
これは習得が瞬時にできるので、その瞬間から問題の処理が可能になります。公式さえ覚えていれば、わけがわかってなくても、公式に数値をいれれば答えはでます。ただ理解が行き届いていないと、問題ごとにすべて覚えなくてはいけなくなり、結果的に膨大な時間が必要となってしまいます。そして、勉強時間の割に成績が上がらないという事態も招きますね。
思考による解決
これは、習得に時間はかかるものの、一度頭に入ってしまえば、未来永劫使い続けることができる財産となるのがいい点ですね。
結局のところ、若干現実味が薄れるもの、思考を組み立てられる状態での暗記が、最高速度での出力が可能でしかも応用も効くという絶対的な学力と言われるものとなります。イメージ的には、先に入れた暗記の部分を成長に合わせて徐々に思考に変えていくといったことになるのでしょう。
まあ、高学年になり「伸びない」という現象が発生するのは、このあたりが原因でしょうね。
クリエートベースでのスタンス
一応、クリエートベースのスタンスを。原則的には、思考力の養成を重視しており、暗記は極限まで排除しようという方針をとっております。たとえば、理科に関してだと、中学分野や特には高校の分野も簡単に説明したりすることもあります。単に暗記というよりも、少しでもいいから理論がわかっていた方が忘れにくいという側面があると考えているからです。化学式や物理の概念も簡略化して教えることもあります。
かといって、何でもかんでも理論を教えればいいというわけではありません。
あくまで対象であるお子様が理解できそうな範囲に限定しておりますし、もし仮に理解ができなかったとしても、それは学年が上がってからやればいいと考えておりますので、補助的なものにすぎない場合もあります。
「無理に理解させる」ことに意味は全くありませんので、短時間である程度説明してみて、「これ無理そうだな」と思えば、「とりあえず、今はこれ覚えといて」という感じで処理してます。
学力がないが故の暗記偏重型による弊害もありますが、学力があるが故の理論偏重型にも弊害は多いのです。
暗記分野については、ある程度意識せずに自然と記憶に定着した状態で整理するのが理想と思っております。入試問題においても、「暗記プリント」等のものは本来必要としていないのだろうなと思われます。やはり、パターンを分類することにより整理して伝えるのが、講師の役目でしょう。
講師には範囲を超えた学力が必要
講師が解答がなくても問題を解けることなど当然ですが、
小学生を教えるからといって、中学入試の範囲だけ習得していればいいというものではないことは、ご理解いただけるものと思います。