トップお役立ち記事 › わからない問題に時間をかけすぎる子が伸びない理由

「わからない問題は何分考えればいいの?」——中学受験の勉強をしていると、必ずぶつかる疑問です。考え続けることは「思考力の訓練」になる、という声もあります。一方で、ひとつの問題に30分も1時間もかけていたら、それだけで勉強時間が終わってしまう。どちらも本当のことで、だからこそ答えを出しにくい。この記事では、問題の種類別に具体的な目安と判断基準をお伝えします。

Contents
  1. まず「問題の種類」で考え方を分ける
  2. 暗記によって解くべき問題:考える時間はゼロでOK
  3. 思考によって解くべき問題:「武器」があるかどうかで判断する
  4. 問題別・時間の目安まとめ
  5. なぜ「考えすぎる子」は伸びないのか
  6. 「すぐ答えを見る習慣」との違い
  7. 保護者の方へ:家庭での声かけ
  8. よくある質問

01 —
Classification

まず「問題の種類」で考え方を分ける

時間の目安を決める前に、問題の種類を分類することが欠かせません。

なぜなら、「考えれば解ける問題」と「考えても絶対に解けない問題」が混在しているからです。この2種類をごちゃ混ぜにして「何分考えるか」を決めても意味がありません。

問題は大きく次の2種類に分けられます。

2つの問題タイプ

① 暗記によって解くべき問題——知識として頭に入っていなければ、いくら考えても答えが出てこない問題

② 思考によって解くべき問題——考え方・解法を使って答えを導き出すタイプの問題

なお、「暗記問題」と一口に言っても、実は単純な丸暗記では対応できない分野も存在します。この点については暗記分野と言われる問題の真実(1)で詳しく解説しています。

02 —
Memorization

暗記によって解くべき問題:考える時間はゼロでOK

暗記問題とは、知識として頭に入っていなければ、いくら考えても答えが出てこない問題のことです。

たとえば、理科の昆虫の名前や植物の分類、社会の地名や歴史用語がこれにあたります。「カブトムシ」という名称は、考えたところで出てくるわけがありません。知っていれば一瞬で答えられますが、知らなければ10分考えても出てきません。

Warning

こういった問題に時間をかけることは、完全に無駄です。見た瞬間にわからなければ、すぐに答えを確認してください。「考えた時間」は、この場合まったく学力の向上につながりません。

見分け方のポイント

「これって暗記問題?」と迷ったときは、こう自問してみてください。

「この答えは、考え方を知っていれば導き出せる? それとも、覚えていないと出てこない?」

後者であれば、暗記問題です。答えをすぐ見て、記憶に定着させることに集中しましょう。

03 —
Thinking Problems

思考によって解くべき問題:「武器」があるかどうかで判断する

算数の文章問題や理科の実験考察など、考え方・解法を使って答えを導き出すタイプの問題が思考問題です。こちらは「考えること自体」に意味がありますが、考えるためには前提条件があります。それが「武器がそろっているかどうか」です。

武器がそろっている場合(=既習範囲の問題)

「武器がそろっている」とは、その問題を解くために必要な概念・公式・解法を、すでに学習している状態のことです。この状態で問題が解けないとすれば、理由は「理解が浅い」か「使い方がわからない」かのどちらかです。

Point — 目安は5〜10分

この時間、本気で取り組んだ上でも糸口が見えなければ、答えを見るか先生に質問するタイミングです。「解けなかった」という事実よりも、「どこでつまずいたか」を明確にすることの方が、ずっと大切です。

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成績が上がらない子に共通する「問題の間違い方」→

武器がそろっていない場合(=未習・応用発展問題)

「武器がない」状態で問題を解こうとするのは、材料も調理器具もない状態で料理しようとするようなものです。いくら時間をかけても、正しいアプローチにたどり着ける可能性は非常に低い。

Point — 目安は3分程度

ざっと考えてみて、方針が立たなければ解答・解説を読みましょう。そして「なぜこのアプローチになるのか」を理解することに時間を使ってください。長時間考えることは、思考の堂々巡りを生むだけです。

04 —
Time Guidelines

問題別・時間の目安まとめ

問題の種類 状態 かける時間の目安 やること
暗記問題 知識がない 0分(即答え確認) 覚え直す
思考問題 武器あり(既習) 5〜10分 本気で考える → 解説確認
思考問題 武器なし(未習・発展) 3分程度 方針だけ考える → 解説を読む

05 —
Why Over-Thinking Fails

なぜ「考えすぎる子」は伸びないのか

「長く考えることは良いことだ」という思い込みが、伸びを妨げていることがあります。わからない問題を30分考え続けた場合、何が起きるでしょうか。成績が上がらない子のパターンを見ると、「考えすぎて時間を使い果たす」タイプは非常に多く見られます。

Warning — 考えすぎることの代償

時間が消える——30分あれば、他の問題を5〜6問解けます。

自己嫌悪が生まれる——解けないまま時間が過ぎると「自分はできない」という気持ちが強くなる。

思考が堂々巡りになる——武器がない状態で考え続けても、同じところをぐるぐるするだけ。

解答を見たときの定着が悪い——疲弊した状態で解説を読んでも、頭に入りにくい。

一方で、「3分考えて、解説を読んで、なぜこうなるかを理解する」というサイクルを繰り返した子は、同じ時間でより多くの解法パターンを習得できます。中学受験の算数でよく言われる「問題の引き出しを増やす」とは、まさにこういうことです。効率のいい勉強法においても、この「サイクルの速さ」が最も重要な要素として

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