塾では集団の中に埋もれてしまうと感じ、家庭教師を依頼しました。週2回、自宅で1対1で見てもらっています。先生は熱心で、子どもとの相性も悪くありません。ところが4ヶ月経っても模試の偏差値は動いていません。これだけ手をかけているのに、なぜ変わらないのかがわかりません。
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30秒で原因を特定する →まず家庭教師という指導形態の構造を整理します。家庭教師は移動時間というコストを負担してまで派遣される指導形態です。塾での個別指導と異なり、移動分だけ時間効率が下がります。それでも家庭教師として稼働しているということは、教室を持っていない、あるいは持てない講師である可能性が高い。つまり、塾という組織に属するだけの需要がない講師が担うケースが多いのです。
同じ家庭教師が担当していた複数の生徒を見る機会がありました。その生徒たちに共通して、特定の範囲が見事に抜け落ちていました。担当した家庭教師の指導範囲が、そのままそれぞれの生徒の穴として残っていたのです。また、家庭教師の中には「自分が受け持つことが特別である」という印象を生徒に与えることで関係性を維持しようとするケースも見られます。それ自体がその講師の実力の限界を示しています。
1対1の授業はその子に合わせて行われるため、授業中にわからないということはまずありません。しかしそれが問題の本質です。成績は授業を聞いて上がるのではなく、自分で解けるようになるから上がります。授業中の「わかった」と、テストで「解ける」は別物です。
家庭教師には何らかの成果を残さなければならないという圧力があります。その結果、答えを教えてでも解かせるケースが見られます。子どもが「解けた」という感覚を持ったまま、実際には解けていない状態が積み重なります。第三者の目がない環境では、これが表面化しにくい。
相性の良い家庭教師を探す、という対処がよく取られます。しかし相性の問題ではなく構造の問題です。どれだけ相性が良くても、解説中心の指導では学力は上がりません。
また、家庭教師であっても演習中心の内容にすれば効果は出ます。ただし現実的ではありません。1時間あたりの費用が高い上に、1時間の中で実際に問題に取り組む時間は多くて30分です。解説が長引けば15分ほどになります。費用対効果として、家庭教師で演習時間を確保するのは構造上難しいのです。
自分で解くという過程が欠落したまま時間だけが過ぎます。授業でわかった気になる体験を繰り返しても、学力が上がることはほぼありません。家庭教師を替えるたびに同じことが繰り返され、費用だけが積み上がっていきます。
問題は先生の質でも相性でもありません。「教えてもらう」ことを中心に置いた指導形態そのものに限界があります。必要なのは、お子さんが自分で解く時間を最大化する設計です。