偏差値60は上位何パーセントに入るのか。偏差値60の子にはどのような特徴があるのか。偏差値60から成績を上げるためには何をしたら良いのか。
本記事をご覧の方は、中学受験における偏差値60の位置づけや効果的な勉強法について、様々な疑問や悩みを抱えていらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、中学受験において偏差値60が上位何パーセントに入るのかを含め以下の5点を解説します。
- 中学受験における偏差値60の位置づけ
- 偏差値60〜65の人の特徴
- 偏差値60〜65で目指せる中学校
- 偏差値60から70になるための教科別勉強法や注意点
- 偏差値60〜65の親御さんができるサポート
本記事をご覧いただければ、偏差値60台のお子さんが成績を伸ばすための勉強法を具体的に理解し、志望校合格の可能性を高められます。
目標達成に向けて効率よく勉強を進められるよう、ぜひ参考にしてください。
目次
偏差値とは
偏差値とは、テストを受けた集団の中で、自分の学力がどの位置にあるのかを表す数値です。平均点を偏差値50とし、その基準からどれくらい高いのか・低いのかを見ることで自分の相対的な実力を把握します。
テストの難度や平均点によっては、点数や順位を見ても実力を正しく見極められません。しかし、偏差値を使えば他の受験生との学力差が数値で表されるため、自分の正確な実力を測ることができます。
たとえば国語の点数が80点だった場合、点数だけを見ると「学力が高い」と思いがちですが、偏差値が45だと「平均以下の学力」であると判断できます。
このように、偏差値は点数や順位に左右されず母集団における自分の学力位置を客観的に知れる点がメリットです。
偏差値60はどのくらい?
「平均点=偏差値50」であることから、偏差値60は平均以上の学力だとわかります。ここからは、偏差値60の具体的な位置づけを以下2つのポイントから解説します。
- 偏差値60は上位何パーセント?
- 中学受験での偏差値60の位置づけ
偏差値60がどれくらいの学力なのかをイメージできると、受験に臨む際も目標を立てやすくなるでしょう。
偏差値60は上位何パーセント?
偏差値60は、上位約16パーセントに位置する学力です。順位は100人中16位前後になります。
テストの結果で平均点を取れていると偏差値50になりますが、偏差値60とは平均点以上の点数を取る必要があり、多くの受験者が解けなかった問題や間違えてしまった問題も得点する必要があります。
また、中学受験では2~3科目の合計点数によって合格基準を設定している学校が多いため、複数科目で偏差値60にすることは非常に高い学力であるといえます。
中学受験での偏差値60の位置づけ
中学受験における偏差値60は、高校受験における偏差値60よりもさらに高い学力を表しています。
その理由は、高校受験の場合は全国にいる9割以上の中学生が挑戦するため、試験勉強に費やす時間や学力に大きな差が見られます。一方で、中学受験の場合は受験をする小学生の割合は少ない上、その多くが勉強に対する高い意識を持っているためです。
つまり、中学受験で偏差値60を取るには、ハイレベルな集団の中でも特に高い学力が求められます。偏差値60以上の成績を目指す場合、周りの受験生にどれだけ有利な差をつけられるかがポイントです。
この場合は基本問題で点数を取りつつ、ライバルが落としやすい問題の得点を増やすことで高い成績を狙えます。
偏差値60~65のお子さんの特徴
偏差値60〜65のお子さんには、以下7つの特徴があります。
- 基礎学力が充実している
- バランスのとれた生活をしている
- 効率的な学習習慣が身についている
- コツコツと続ける継続力がある
- 大きな苦手分野がない
- 新しい問題にも対応できる
- 積極的に学ぶ姿勢がある
基礎学力が充実しており、集中力や計画性など総合的なスキルが身についている点が特徴です。
基礎学力が充実している
偏差値60〜65のお子さんは基礎学力が十分にあり、応用問題にも対応できる実力が身についています。
中学受験の問題は、論理的思考力や応用力が求められる内容が多い傾向です。偏差値60〜65のお子さんは、基本的な知識・公式の意味や正しい使い方を本質的に理解しているため、常に平均以上の成績を維持できます。問題文の形式が変わっても柔軟に対応し、周りの受験生が間違えやすい問題でもしっかりと点を取れるでしょう。
「偏差値60に届かない」「毎回テストの成績が違う」などの場合は、一度基本に戻り知識の定着を重点的に行うことが大切です。
バランスのとれた生活をしている
偏差値60〜65のお子さんは、勉強だけに集中しているのではなく、バランスのとれた生活をしている傾向にあります。日々の勉強に励んでいるのはもちろん、スポーツや趣味の時間を確保して上手に受験勉強のストレスを発散しているのが特徴です。
一般的に、中学受験は4年生から受験勉強を始めます。長期戦になるため「成績が上がらない」「友達と遊べない」などのストレスが溜まることもあるでしょう。
しかし、バランスのとれた生活をしている人は適度に運動やリフレッシュをすることで、中学受験を乗り切るための体力や精神力を身につけています。受験のストレスによる学習意欲や学力の低下を防ぐためには、お子さんが自由に過ごせる時間も適度に確保することが重要です。
効率的な学習習慣が身についている
効率的・計画的に勉強を進められる学習習慣が身についているのも、偏差値60〜65のお子さんが持つ特徴です。1日の中で十分な学習時間を確保し、短期的・長期的なスケジュールを立てて実行できます。
「1ヶ月後の模試で算数を70点以上取る」という目標を立てた場合、偏差値60〜65のお子さんであれば「70点以上取るためには何の単元を重点的に勉強する必要があるのか」を冷静に考えられるでしょう。
スケジュールを立てるときも、1日・1週間単位で目標を設定し、目標達成に必要な勉強量や学習内容を決められるはずです。その結果、模試でもライバルと差をつけて平均以上の点数を取れます。
コツコツと続ける継続力がある
偏差値60〜65のお子さんは、勉強を毎日コツコツと続ける継続力があります。学習に対する強い責任感があるため、途中で投げ出さず成績アップや志望校合格に向けて勉強を継続できるのが特徴です。
お子さんの継続力は、明確な目標の設定や学習習慣の定着、親御さんの関わりによって十分伸ばせます。「将来の夢を叶えるために◯◯中学校に入る」と目標を明確にすると、勉強に対するモチベーションを高められます。学習習慣をつけるには、勉強を生活ルーティンに組み込む方法が効果的です。
また、親御さんが継続的にお子さんの頑張りを認める関わりをすると自信がつき、最後までやり遂げる意思を固められます。
大きな苦手分野がない
偏差値60〜65のお子さんは、大きな苦手分野がなく総合的な学力が高い傾向にあります。
全ての教科において高い理解力を持ち、どの科目でも安定した成績を収めることができます。また、仮に弱点が見つかった場合でも、模試やテストの結果から自分の傾向を分析し、迅速に対応・克服する力を持っています。
このように偏差値60~65のお子さんは、自分にとって最も効果的な学習方法を知っているため、やる気が出にくい苦手分野の勉強にも工夫をしながら積極的に取り組み、模試での高得点・高偏差値へとつなげることができます。
新しい問題にも対応できる
偏差値60〜65のお子さんは、新しい問題にも柔軟に対応できる特徴を持っています。
中学受験の入試問題は、学校ごとに独自のアレンジを加えられている場合が多く、学校や塾で習う知識をそのまま覚えているだけでは対応しきれません。しかし、偏差値60〜65のお子さんは学習内容を本質的に理解し、問題演習を繰り返してさまざまな解き方を習得しているため、新しい問題を目の前にしても落ち着いて答えを導き出せます。
また偏差値60〜65になると、志望校の入試傾向もしっかりと把握しているお子さんが多い傾向です。必要な学習内容を取捨選択し、効率的に勉強しているため学校独自の問題にも対応できます。
積極的に学ぶ姿勢がある
偏差値60〜65のお子さんは勉強に対して前向きで、積極的に学ぶ姿勢を持っているため、さまざまな知識を吸収して学習に活かします。
本来、勉強は新しい知識を覚えたり、考え方を学んだりする過程を楽しむものです。しかし、受験勉強をしていると高い点数を取ることだけに固執してしまい、次第に勉強が苦痛になるでしょう。
ただ、偏差値60〜65のお子さんは勉強を楽しむ気持ちを持っているため、興味がある分野について自ら進んで本を読んだり調べたりします。さまざまなことに興味を持ち、自分の力で答えに辿り着くことで高い成績を維持できるのが特徴です。
偏差値60~65で目指せる難関中学
偏差値60〜65で目指せる難関中学は、以下の通りです。
中学校名 | |
関西の私立中学校 | ・西大和学園中学校(奈良) ・高槻中学校(大阪) ・六甲学院中学校(兵庫)など |
関西の国公立中学校 | ・神戸大学附属中等教育学校(兵庫・国立) ・大阪教育大学附属池田中学校(大阪・国立) ・京都府立洛北高等学校附属中学校(京都・公立)など |
関東の私立中学校 | ・海城中学校(東京) ・東邦大学付属東邦中学校(千葉)など |
関東の国立中学校 | ・東京都立両国高等学校附属中学校(東京・国立) ・さいたま市立浦和中学校(埼玉・公立)など |
志望校選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
関西の私立中学校
偏差値60〜65で目指せる関西の私立中学校には、以下の3校があります。
- 西大和学園中学校(奈良)
- 高槻中学校(大阪)
- 六甲学院中学校(兵庫)
西大和学園中学校
西大和学園中学校は、未来社会で生き抜く力を育成することを目指しています。文部科学省のSSH(スーパーサイエンスハイスクール)制度を活用した、先進的な理数教育や最先端のテクノロジーに触れる教育を受けることができます。
また、国際教育の一環として、「模擬国連大会」や「海外留学」プログラムを実施。中学3年生全員が参加するアメリカグローバル研修プログラムや、希望者向けの1年間または3ヶ月間の長期留学プログラムが特徴です。
さらに、「アクションイノベーションプログラム(AIP)」を2019年度から開始し、グローバルビジネスリーダーの育成を目指しています。海外探究やリーダー養成プログラム、AIセミナーなどを通じて、生徒の国際的な視野とリーダーシップスキルを育てます。
高槻中学校
高槻中学校では、「知・徳・体」の調和のとれた全人教育を理念とし、グローバルな視野を持つ次世代のリーダー育成を目指しています。
ここでは「理数探究」をベースにした特徴的な理系教育を行っており、生徒は自らの興味関心に基づいてテーマを設定し、授業内で探究学習を行うことができます。
また、豊富な理科実験も特徴で、座学と実験の比率を1:1に近づけるよう、中学1年生から多くの実験を行っています。さらに、実験教室が並んだScience Streetなど充実した施設も整備されており、実践的な理系教育を支えています。
その他、大学と連携した専門的な教育も充実しており、同一法人の大阪医科薬科大学をはじめ、多くの大学や研究機関と連携しています。これにより、最新の設備や機器を用いた研究、チューターによるサポート、学会での発表など、先端的な科学教育を受けることができます。
六甲学院中学校
六甲学院中学校は、カトリックの修道会イエズス会が創立した学校で、「他者のために、他者と共に生きる人間」を育てることを目標としています。カトリック教育の理念に基づき、社会奉仕活動と訓育活動に重点を置いています。
社会奉仕活動では、全校生徒がインド募金をはじめとするさまざまな活動に取り組んでいます。これにより人を思いやり、苦しむ人や弱い立場の人とともに歩む心を育てます。
また、訓育活動では、教職員と上級生が一体となって、生徒の自主性と規律を育む指導を行っています。訓育部に所属する生徒(訓育生)が、登校指導や掃除の監督などを自主的に行い、全校生徒の生活姿勢の向上を図っています。
カリキュラムでは、中高6年間を通して週1時間の宗教に関する授業を行います。さらに、聖書研究会やミサなど、さまざまな宗教活動も実施されています。
関西の国公立中学校
関西にある偏差値60〜65の国公立中学校としては、以下の3校が挙げられます。
- 神戸大学附属中等教育学校(兵庫・国立)
- 大阪教育大学附属池田中学校(大阪・国立)
- 京都府立洛北高等学校附属中学校(京都・公立)
神戸大学附属中等教育学校
神戸大学附属中等教育学校では、「真摯・自由・協同」の精神に基づき、国際的視野を持つグローバルキャリア人の育成を目指しています。
特徴的な取り組みとして、授業中の小集団学習を積極的に取り入れています。4人1組での協同学習を通じて、問題解決能力やコミュニケーション能力を育成しています。生徒は自分の意見を述べ、他者の意見を聞き、議論することで多様な視点を学ぶことができます。
また、ユネスコスクールとしての活動も特徴的です。教員はSDGsについて学び、ESD(持続可能な開発のための教育)を実践しています。生徒は異学年ゼミでの探究活動や、震災・復興プログラム、ESD Foodプロジェクトなどに参加します。これらの取り組みが認められ、ユネスコスクール大会で高等学校賞を受賞するほどの実績を持っています。
大阪教育大学附属池田中学校
大阪教育大学附属池田中学校は、国際バカロレア(IB)教育の認定校として、国際的な視野を育む教育を実践しています。学校の教育目標は、国際社会で異なる文化を理解し、共に生きていける豊かな国際感覚を持つ生徒、地球規模で思考し、地域に根ざして行動できる生徒を育成することです。
カリキュラムでは自主・自律の精神を重視しています。探究的な学びを通じて、自ら考え、価値判断ができ、責任ある行動がとれる生徒を育成しています。また、共生の心を育み、異なる文化を理解し、国際社会で活躍できるようサポートしています。
さらに、IBの中等教育プログラム(MYP)認定校として、IBの理念に基づいた教育を展開しています。これにより、探究心、知識、思いやりに富んだ若者を育成し、より平和な世界の構築に貢献することを目指しています。
京都府立洛北高等学校附属中学校
京都府立洛北高等学校附属中学校は、「確かな見通しを持って主体的に生き抜く、創造性あふれる心豊かな人間の育成」を教育目標としています。また、基礎・基本の徹底による学力向上、自ら学ぶ意欲と考える態度の育成、進路選択力の育成などを重視しています。
カリキュラムでは6年間を基礎期・充実期・発展期に分け、計画的・系統的な教育を展開。「洛北サイエンス」では体験的学習を通じて科学的手法を身につけ、「総合的な学習の時間」では問題解決能力や探究活動に取り組む態度を育成します。
さらに特徴的な取り組みとして、5教科での少人数授業、高校内容の先行授業、SSHの一環としての授業、オーストラリアへの研修旅行などがあります。これらを通じて、幅広い知識と国際的な視野を持つ生徒の育成を目指しています。
関東の私立中学校
次に、偏差値60〜65で目指せる関東の私立中学校を2校ご紹介します。
- 海城中学校(東京)
- 東邦大学付属東邦中学校(千葉)
海城中学校
海城中学校は、グローバル教育に力を入れている学校です。3年次に行われる「アメリカ研修」では、ホームステイや授業体験、ハーバード大学の特別講義に参加できます。
東邦大学付属東邦中学校
東邦大学付属東邦中学校にも、国際的な英語力を身につけるための教育プログラムが豊富に揃っています。海外大学進学説明会なども行っているため、国外の進路先を視野に入れている方にはおすすめです。
関東の国公立中学校
偏差値60〜65で目指せる関東の国公立中学校には、以下の2校があります。
- 東京都立両国高等学校附属中学校(東京・国立)
- さいたま市立浦和中学校(埼玉・公立)
東京都立両国高等学校附属中学校
東京都立両国高等学校附属中学校は、国際社会で活躍できるリーダー育成を重視する中高一貫校です。6年間を見通したキャリア教育に取り組んでいるほか、スピーチやプレゼンテーションを用いてリーダーに必要な言語能力を伸ばしています。
さいたま市立浦和中学校
さいたま市立浦和中学校では学校で習得した英語力を活かし、現地校の授業や行事に参加する「海外フィールドワーク」が特徴的です。英語と数学では少人数指導を実施しているため、じっくりと学びを深められます。
偏差値60から70になるための教科別勉強法
ここでは、偏差値60から70になるための教科別勉強法をご紹介します。
教科 | 勉強法 |
算数 | ・応用問題の演習に重点を置きつつ、基本問題にも繰り返し取り組む ・難問はすぐに答えやヒントを見ずに自分で解法や答えを導く |
国語 | ・中高生レベルの文章に触れる ・新聞を見て時事問題への対応力もつける |
理科 | ・4分野(物理・生物・化学・地学)の知識を確実に習得する ・図や写真とセットで知識を身につける |
社会 | ・周辺知識や自分の生活と結びつけて体系的に覚える ・時事問題に関する情報も集める |
成績アップに向けて、効率的な勉強をするための参考にしてください。
算数
算数では、基礎力と思考力のバランスを取りつつ、難問に粘り強く取り組む姿勢を養いましょう。
偏差値60のお子さんは基礎学力が充実しており、応用問題への対応力も高い傾向があります。しかし、些細なミスで点数を落とす可能性も十分にあります。そのため、日々の勉強では応用問題の演習に重点を置きつつ、基本問題のミスを減らし問題を解くスピードを上げられるように、繰り返し計算問題を解きましょう。
お子さんの粘り強さを養うためには、難しい問題でもヒントに頼らず、自力で答えを考えることが大切です。覚えた知識をフル活用させながら自分なりの解法を見つける過程で、論理的思考力や応用力を身につけられます。
国語
国語では、高度な文章への読解力を磨きつつ、論理的な表現力と時事問題への理解を深めるのがポイントです。
一般的に、国語の読解文には「物語文」と「説明文」の2つがあります。物語文は、登場人物の心情を表す表現や場面の移り変わりに注目すれば、苦戦することなく解けるでしょう。
しかし、説明文は難しい用語や文章表現が頻繁に登場する傾向があります。このような文章を読み解くためには、勉強以外の時間でも様々な文章に触れて読解力を鍛えることが求められます。
具体的には、中高生が読むレベルの本や新聞を読む習慣をつけましょう。読解力を伸ばせるだけでなく、新聞を読むことで時事問題に関する用語も知れるため、知識不足による失点を防げます。
理科
理科の勉強では「物理・生物・化学・地学」の4分野に関する基礎知識を確実に習得しましょう。理科の知識は説明文だけを見て理解するのが難しいため、図を見たり書いたりして覚えます。このとき「なぜそうなるのか」と仕組みを理解した上で暗記するのがポイントです。
基礎知識を習得できたら、応用問題や過去問に取り組みます。中学受験における理科の応用問題では、表やグラフ、図をもとに答えを導く問題が出題される傾向です。そのため、知識をインプットするときは写真やグラフ、表もセットで覚えると高得点を狙いやすくなります。
社会
社会は暗記事項が多く、覚えているか覚えていないかで点数が大きく左右される科目です。ライバルに差をつけられないためにも暗記を繰り返し、確実に知識量を増やしましょう。
社会で暗記するときのポイントは、幅広い分野の知識を体系的に習得することです。膨大な知識を関連づけることで散らばった知識が一つにまとまり、効率的に覚えられます。
具体的には、歴史の出来事を一つの流れとして捉えたり、地理分野の知識を自分の暮らしと結びつけたりする方法があります。公民分野についても、日頃からニュースや新聞を積極的にチェックし、自分の生活と政治がどのように関係しているのかを把握しましょう。ニュースや新聞を見て、時事問題に関する情報を集めることも重要です。
偏差値60より上を目指すための注意点
偏差値60より上を目指すためには、以下のポイントも意識しましょう。
- 模擬テストを有効活用する
- 復習を効果的に行う
- 時間管理を徹底する
勉強の仕方を工夫するだけでも、偏差値70に近づける可能性は十分にあります。
模擬テストを有効活用する
偏差値60より上を目指す場合は、模擬テストを有効活用しましょう。テスト直後の1週間以内と、時間が経った1ヶ月後に解き直すことで自分の苦手分野や学習の成果を把握できます。
まず、テストの1週間以内に間違えた問題の解き直しをしましょう。ここでは、解答・解説をもとにミスの原因を分析します。自分の苦手分野を把握できたら、次のテストで同じミスを繰り返さないよう知識を定着させ、問題演習を繰り返すのがポイントです。
その後、1ヶ月後に2回目の解き直しをしましょう。このときは、テストで間違えた問題をクリアできているかをチェックします。このように模擬テストを有効活用することで、受験に必要な知識やスキルを確実に習得できます。
復習を効果的に行う
効率よく成績を伸ばすためには、間違えやすい問題を集めた専用ノートを作り、復習を効果的に行いましょう。該当する問題をコピーしてノートの左側に貼り、隣のページに解答・解説を貼っておくといつでも復習できます。
専用ノートを使って復習するときは、一度問題に取り組んでから期間を置き、忘れかけた頃に再び解くのがおすすめです。覚えた知識を何度も思い出すことで、記憶力を高められます。ノートの余白に勉強の日付を記録しておけば、どの問題もバランス良く復習できるでしょう。
効果的な復習で弱点を克服できると、総合的な学力が底上げされるだけでなく勉強に対する自信もつけられます。
時間管理を徹底する
偏差値60よりも上の成績を目指すためには、問題演習での時間管理も徹底しましょう。
最近の入試傾向の一つに問題数の増加があります。時間をかければ解ける問題であっても、問題数が多いため全ての問題を解ききれない、急いで解いた結果間違ってしまうことでなかなか偏差値を上げることができないという壁にぶつかるお子さんもいらっしゃいます。
問題を解く前に「この問題は◯分で終わらせる」と決め、タイマーで時間を測ると徐々に問題を解くスピードが上がります。
最初は焦ってミスが増える可能性もありますが、時間感覚が掴めるとテストでもミスが減っていき、制限時間内に全問解けるようになります。時間内に解き終われば、空いた時間で問題の見直しができるため失点を減らせるでしょう。
「得意な問題を残してしまった」「前半の問題に時間をかけすぎた」などのミスを防ぐためにも、日頃から時間管理を徹底して問題にかける時間を短縮することが大切です。
偏差値60~65の親御さんができるサポート
偏差値60〜65のお子さんは、学習内容の難しさや受験のプレッシャーによるストレスを抱えている可能性があります。そこで、親御さんができるサポートを5つの側面から解説します。
- 送り迎えなど日常生活のサポート
- 勉強の指導とサポート
- 精神面でのサポート
- 食事のサポート
- スケジュール管理
お子さんの意思を尊重し、親子関係を深めながら一緒に志望校合格を目指しましょう。
送り迎えなど日常生活のサポート
塾や自習室を利用するときの送迎、学習環境の整備、正しい生活リズムの定着など、お子さんが勉強に集中できる日常生活のサポートをしましょう。
親御さんの送り迎えで通塾時間が減ると、その分学習時間を確保できる上に余計な体力を削ることなく勉強に集中できます。学習環境を整備するときは、自宅に勉強するための専用スペースを設ける、誘惑になるものは勉強前に片付けるなどの方法がおすすめです。
正しい生活リズムを定着させるためには「勉強は20時まで」「ゲームは1日1時間」などのルールを決めましょう。規則正しい生活を送り、常にベストな状態で勉強に取り組めると高い学習効果を得られます。
勉強の指導とサポート
勉強面では、お子さんと一緒に勉強する、わからないところを教える、ノート作りやプリント整理を手伝うなどの方法でサポートしましょう。
親御さんが一緒に勉強すると、お子さんの様子を間近で見れるため学習状況やミスの原因を把握しやすくなり、疑問がある場合も柔軟に対応できます。ノート作りやプリント整理を手伝ってあげれば、お子さんが本来取り組むべき学習に集中できて効率よく成績を伸ばせるでしょう。
ただし、勉強を教える場合は親御さん自身が学習内容を深く理解し、わかりやすく伝える必要があります。親御さんの負担が大きくなる可能性もあるため、状況に応じて学習塾や家庭教師の利用も検討してみてください。
精神面でのサポート
お子さんがストレスなく志望校合格を目指すためには、精神面のサポートも必要です。具体的には、お子さんの頑張りを褒める、やる気が出ないときに励ます、気分転換を図る、プレッシャーをかけすぎないよう配慮するなどの方法があります。
たとえば、積極的にコミュニケーションを取って不安な気持ちを聞き取り「あなたなら大丈夫」と声をかけてあげると自信を持たせられるでしょう。お子さんのやる気が出ない場合は、一緒に気分転換することで集中力を取り戻せるかもしれません。
中には、責任感が強く「受験に合格しなければならない」と自分に過度なプレッシャーを与えてしまうお子さんもいるでしょう。この場合は、親御さんが温かい言葉をかけて緊張感をほぐすことが大切です。
食事のサポート
お子さんが勉強に集中して取り組み、成績を伸ばすためには食事のサポートによる健康管理も徹底しましょう。栄養バランスの取れた食事を用意したり、適切なタイミングや量に調整したりすることで、お子さんは健康な体を維持しながら受験勉強に励めます。
食事の栄養バランスを考える際は、厚生労働省が公開している「食事バランスガイド」を参考にしましょう。
画像引用元:食事バランスガイド(基本編) | e-ヘルスネット(厚生労働省)
食事は食べるタイミングや量も重要です。脳の働きを活性化し、高い集中力を維持するためには毎日朝食をとりましょう。また、お腹いっぱい食べると血糖値が急激に上昇・下降して眠気を引き起こす場合があるため、勉強前の食事量には気をつけなければなりません。
このように、食事面でもお子さんを支えることで効率的な勉強や成績アップにつながります。
スケジュール管理
偏差値60〜65のお子さんは、ある程度自分で学習計画を立てられる傾向にあります。しかし、より綿密な計画を立てるためには親御さんのサポートが必要です。
具体的には、模試の日程をもとに「いつまでに・何の教科を・どのくらい勉強するか」についての年間計画を立てましょう。年間を通して受験する模試の日程がわかったら、月単位でやるべきことを書き出します。1ヶ月ごとの学習内容を整理し、1週間のスケジュールを作成するとゴールまでの道筋が明確になり、勉強を進めやすくなります。
計画の実行後は勉強の進捗を定期的にチェックし、必要に応じてスケジュールを見直すことも大切です。最初はお子さんと一緒にスケジュールを管理し、徐々にサポートを減らすことで自主性や計画性も養えます。
まとめ
本記事では、中学受験における偏差値60の位置づけや効果的な勉強法についてご説明しましたが、特に大切なポイントは次の3つです。
- 中学受験における偏差値60は上位約16パーセントに位置する学力で、成績を維持するためには勉強時間や学習量をしっかりと確保することが重要
- 偏差値60〜65のお子さんは、平均点を確実に取れる基礎学力が充実しているほか、集中力や計画性などの総合的なスキルも身についている
- 偏差値60から70を目指すためには、知識を体系的に習得してハイレベルな問題にも粘り強く挑戦すると良い
親御さんも無理のない範囲でお子さんをサポートし、親子二人三脚で志望校合格を目指しましょう。
本記事の内容をもとに、お子さんにとって最適な志望校や勉強法を見つけ、着実に成績を伸ばせるよう心よりお祈り申し上げます。