前記事を踏まえて、お読みいただけるとありがたいです。
「問題を解く→採点する→直しをする」このくり返しのみが、受験勉強の本質であり、もっとも重要なものであることは、前記事に書いた通りです。
大手塾の講座も、いろいろな考えや立場で、講師が提供するわけですが、個別指導における、解説のようなものであり、例えば、国語においては、思考の方向の調整が第一義になる、と考えます。もっと、平たく言えば、自分で問題を解くための動機づけであり、なんなら、景気づけでさえある、と考えます。
ところで、問題を解くにあたって、忘れてはならないのは「制限時間内に解く」ということです。
時間を無制限に使って解いてよいというタイプの入学試験には、残念ながら、お目にかかることはありません。
問われているのは、処理能力であり、それは、単位時間あたりに、どれだけ正確に問題を処理できるか、というものなのです。
入学試験とは、いろいろな意味で時間との戦いですが、意識から脱落しやすい時間の筆頭は、制限時間、なのです。
問題がこれだけあって、これを解くのに何分かかっている、ということを身体的感覚のレベルで、文字通り身につけること。大手塾の復習テストや、予習テストは、そのためにも行われているのだ、とお考えいただければと思います。
ですから、個別指導の現場においても、単位時間あたりにどれだけ正解することができるかを置き去りにしているなら、いくら問題を解いたとしても、レベルアップやスキルアップに必ずしもつながらないケースがあることをご理解いただければと思います。
入試問題を丸ごと解く、ということではなく、国語で大問一題を仮に15分で解く、ということから始めていく、ということで十分です。
もしも、制限時間を設定しても、まったく時間内に解けない、ということであれば、逆に、何分かかって、その問題を解いたか、を記録していくことからお始めになってはいかがでしょうか。
国語の大問一題で、入試問題全部、というケースもありますが、そうであっても、制限時間は、60分前後で設定されているはずですし、無制限に時間を使って、仮に120分という数字が出てきた場合には、生徒自身が、これはまずい、とさすがに自覚するはずです。