中学受験において見かけることのある、牧歌的に映るであろう光景に隠されているものとは

関西圏の中学受験で、大手の学習塾が、受験生をミニ講義的な場にいったん集め、集合時間直前に、受験生を一列、ないし、二列に並べて、講師たちの作る花道を通して試験会場へと送り出したり、あるいは、正門の前や校舎前で、送り出したりする光景が、コロナ前までは当たり前でした。

一般の方でも、ご存知の方がいらっしゃるかもしれませんね。

あの、整列させて、送り出す、という習慣、ほぼほぼ慣例的なものではあるのですが、あのなんとも言えないバタバタしているタイミングで、塾の講師たちのうちの一部が、多塾の生徒の数を読んでいるという事実をご存知の方は、一般の方には少ないのではないかと思います。

そして、本当に、こういうことをやっている、あるいは、やっていたのですが、そんなことは、塾同士は互いに織り込み済みですから、ある意味開き直って、堂々と、それぞれの塾が他塾の受験生の数読みを行なっているわけです。

ひょっとすると、ぼーっとしているだけの塾もあるのかもしれませんが、少なくとも、灘中合格実績において、かつて、灘の自民党と呼ばれた大手塾と、そこからかつての新進党のように、分裂・独立した多数精鋭を謳っている塾は、やっていました。まあ、そもそものカルチャーが同じですから、同じことをするわけです。

生徒を最後まで励ましながら送り出したい、という気持ちと、他塾が何人、受験させているのかを知りたい、という情報戦のせめぎ合いが、あの、整列入場と、送り出しの光景に秘められたものであることを心の隅に置くと、また、違ったものが見えてくるかもしれません。

首都圏ともなると、受験生の数や規模のために、常識的に考えて、この風習は機能しないはずですから、関西圏での独自の風習ではないかとは思いますが、定かではありません。

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