過去投稿にあります、関西圏での中学受験における、多塾の受験生の数の把握が、思いがけない場面でその意味を発揮することがあります。
それは、合格率のトリックを明らかにするような場合です。
大手塾では、合格者数を発表するのが通例です。それなりの数の受験生を擁していれば、学校の発表している倍率通りであっても、それなりの合格者数が担保されるのですから、当然とも言えます。しかも、かつての大手塾のスケールメリットは、やはり侮れないものがあって、倍率は、学校発表のものよりも、塾内でのものの方が、当然のことながら小さくなります。
ところが。
合格者数ではなく、合格率を発表するような、イレギュラーな塾が、稀に存在します。その場合、合格率は、受験者を分母にしたものではなく、模試でのA判定を分母にしているという、なかなか、斬新な操作が、受験生の数の把握によって明らかになることがあります。そして、合格率と合格者数が併記されている場合でも、この、分母はA判定、という斬新な操作が行われているケースもあるようです。合格者数と合格率を突き合わせれば、簡単に、分母となる数字が出てくるのですが、それが、現実に受験生として入場した生徒よりも、はるかに少ない場合には、その操作が行われている、ということになります。
現実には、A判定でも不合格になるケースもありますし、B判定やそれ以下でもでも合格するケースはありますから、差し障りのない範囲での誤差だと考える向きもあるかもしれませんが、合格率と併記して、何名受験、と公表されていても、それが、実数であるとは限らない、ということです。